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2023年学術大会シンポジウム「スポーツ現場の医療と総合診療・プライマリケアへの期待」開催報告

2023年5月14日、第14回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会において、スポーツ運動医学委員会によるシンポジウムを開催しましたので報告いたします。

スポーツ現場の医療と総合診療・プライマリケアへの期待

【概要・企画意図】

スポーツ医学は領域横断的な臨床分野であり、総合診療・家庭医療との親和性が高い。当学会員でもスポーツ大会の救護経験がある者は多く、当委員会の調査によれば、医師会員の46%が活動経験があった。また、地域の大会救護活動に携わりたいと考える会員は約60%と多かった。スポーツ現場では、外傷・脳震盪・熱中症など様々な疾病・病態が起こり得る。また、心肺停止や重傷外傷への備えも必要である。
本シンポジウムでは、日本のスポーツ医学の先駆者であり東京マラソンの救護体制構築に携わられた山澤文裕先生に、スポーツ現場での医療と総合診療への期待についてご講演をお願いする。また、総合診療医でありスポーツ現場での経験が豊富な久保徳彦先生と小松孝行先生より、実践例や課題について多角的な視点を提供する。また、看護師の視点からのスポーツ救護について、染谷咲子先生よりお話しいただく。総合討論では、スポーツ現場の医療にプライマリ・ケアからどのように関わることができるかについて議論を行う。
【役割分担】
座長:小林知貴(広島大学病院 総合内科・総合診療科)

濱井彩乃(安房地域医療センター総合診療科)
演者:山澤文裕(臨床スポーツ医学会副理事長、日本陸上連盟医事委員長)
  久保徳彦(別府医療センター 総合診療科)
  小松孝行(順天堂大学医学部 スポーツ医学研究室)
  染谷咲子(順天堂大学大学院 スポーツ健康科学研究科)

【シンポジウム内容】

はじめに委員長の小林知貴より、委員会活動の概要と本企画の趣旨について説明しました。

日本臨床スポーツ医学会副理事長、日本陸上競技連盟の医事委員長である山澤文裕先生から、「スポーツ医学へのいざない」と題してお話しをいただきました。競技スポーツと健康スポーツについて、また、東京マラソンを始めとするマラソン大会での事故や救護体制の構築について、データを元にご解説いただきました。プライマリ・ケアの医師がスポーツ医学で役立てることは多く、活躍を期待しているとのお言葉をいただきました。

委員の久保徳彦からは、「別府大分毎日マラソン大会における医療サポート報告~プライマリ・ケア医がスポーツ現場で求められる役割とは~」と題し、マラソン大会救護の運営について、準備から実際の現場での動きまで、臨場感溢れるプレゼンテーションがありました。

委員の小松孝行より、「競技大会における救護体制構築」と題し、Mass gathering eventとしてのスポーツ大会の特徴から、災害医療の枠組みを活かした体制作りについて解説がありました。

順天堂大学医学研究科スポーツ医学研究室の染谷咲子先生からは、「スポーツ現場に関わる看護師の立場から」と題し、山中で行われるトレイルランニング救護のご経験から、看護師ならではの役割・強みについてお話しいただきました。

その後の、総合討論では、スポーツ現場での医行為の注意点、どのようにスポーツ医学に携わる機会を得るか、スポーツ医学に興味のある学生がどうネットワーク作りをすれば良いか、といった議論がなされました。


スポーツ運動医学委員会では、学術大会や学会の各セミナーにおいて、スポーツ医学を学ぶことができるコンテンツを発信していきます。興味を持っていただいた方は是非ご参加ください。

「チームドクター・競技会ドクター業務委託契約書」

臨床スポーツ医学会のHPにおいて、「チームドクター・競技会ドクター業務委託契約書」のひな形が公開されています。業務委託契約をする際の参考にご利用ください。

最終更新:2023年09月07日 13時36分

スポーツ・運動医学委員会

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