地域の医療を担うプライマリ・ケアの役立つ情報

へき地・離島医療についての本学会の見解

 2025年4月6日午後、長崎県対馬より福岡和白病院へ緊急搬送中であったヘリコプターが壱岐沖にて発見され、搬送されていた患者様、ご家族、そして医師の3名が尊い命を落とされるという、誠に痛ましい事故が発生いたしました。ここに謹んで哀悼の意を表するとともに、ご遺族ならびにご関係の皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、現在治療を受けられている方々の一日も早い回復をお祈り申し上げます。

 本学会は、すべての人々がその居住地にかかわらず、安全で質の高い医療を持続的に享受できる社会の実現を使命としております。とりわけ、地理的制約や医療資源の偏在といった課題を抱えるへき地・離島において、総合的かつ継続的な医療提供体制を構築・維持することは、我々に課せられた極めて重要な責務であると認識しております。

 このたび、まさにそのような地域医療の現場において、患者と向き合い、地域住民の生命を支え続けてきた医療者が命を落とすという重大な事態が起こったことを、私たちは重く受け止めております。事故の原因については、今後の関係当局による厳正かつ透明性のある調査が待たれますが、適切な検証と再発防止策が徹底されることを願っております。へき地・離島地域の医療体制が後退することなく、十分な議論のもと、より良い方向に進むことを望みます。

 すべての人がその居住地にかかわらず、安全で質の高い医療に等しくアクセスできる社会の実現に向けて、私たちも引き続き尽力するとともに、この理念に対する皆様のご理解とご支援を、心よりお願い申し上げます。

 改めまして、この度の事故で犠牲となられた方々へ深く哀悼の意を表するとともに、ご遺族ならびにご関係の皆様に心からのお悔やみを申し上げます。

一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会

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