ホームニュース第15回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 2024JPCA2024 参加登録開始特別企画:大会長 井上真智子のまなざし(前半)
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第15回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 2024
JPCA2024 参加登録開始特別企画:大会長 井上真智子のまなざし(前半)
いよいよ2月8日(木)より第15回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会の参加登録が開始されます。
参加登録開始にあたり、大会長である井上真智子先生に大会にかける思いをインタビューいたしました。
前半、後半に分けて共有いたしますので、学会参加に向けてのモチベーションにつなげていただければ幸いです。
参加登録開始にあたり、大会長である井上真智子先生に大会にかける思いをインタビューいたしました。
前半、後半に分けて共有いたしますので、学会参加に向けてのモチベーションにつなげていただければ幸いです。
1. 学術大会のテーマ「誰一人取り残さない持続可能なプライマリ・ヘルス・ケアに向けて」を選んだ背景や意義について教えてください。
私自身、国際保健や公衆衛生に関心を持ち、グローバルな視点で医療に取り組むことができる点で、プライマリ・ケア、家庭医療を自分の専門として選んできました。 貧困、飢餓で始まるSDGsの17のゴールは、いずれも相互に関連し健康とつながっています。「誰一人取り残さない」はSDGsの理念でもあります。 世界中を襲い、社会および人々の心身に甚大な影響を与えたコロナ・パンデミック。そして、今なお続く戦争・紛争、また気候変動や自然災害の激甚化、頻発化も人類の歩みに警鐘を鳴らしています。
地球規模での持続可能性(Sustainability)は、国際的にも医療界が取り組むべき最も重要な課題として差し迫ってきています。まさに「地球まるごと健康を目指す」プラネタリーヘルスの考え方が必要と言えます。さらに、日本では人口減少により、へき地・郡部の過疎化が進み、医療提供体制の確保が困難となっています。今回の開催地である静岡県においても、都市部とへき地の間の医師の偏在や医療格差は依然大きく、また、より地域に根ざして活動する他の医療・介護職種の不足も著しい状況です。一方で、増加する医療従事者のバーンアウトから、ウェルビーイングの重要性も認識されるべき課題です。そこで、今一度、アルマ・アタ宣言からアスタナ宣言へと受け継がれたプライマリ・ヘルス・ケアの理念をもとに、地域住民とともに持続可能な保健医療システムを考え直すときにきていると思います。
地球環境や地域の課題に取り組むことは、本学会でもこの数年重点的に取り組んできている健康の社会的決定要因(SDH)に関わる取り組みでもあります。 そして、「誰一人取り残さない」という言葉の指すとおり、ややもすると取り残されがちな集団・課題に対して、意識的に学び、取り組む機会ともなればと思います。
2. この学術大会がプライマリ・ケアの分野にどのような影響を与えると考えていますか?
以下のようなことを期待しています。
○プライマリ・ケアの専門性の根幹として、医療資源の適正利用や地域・環境の持続可能性を考慮するという認識が広まる
○働き方の持続可能性として医療者のウェルビーイングを向上させる重要性を認識することにつながる
○医療における患者経験や患者安全、住民や当事者の視点を考慮することが重視される
○気候非常事態宣言(通称:浜松宣言)の発表を予定しています。医療と気候変動の関連について意識を高めるきっかけとなると同時に、医療者として取り組むことのできるアクションへとつながっていくことを期待しています。
○「誰一人取り残さない」は参加者の視点も考慮しています。コロナ禍のオンライン開催を経て、横浜(第13回)、愛知(第14回)の大会では対面・リアルで会えることの喜びを改めて感じて、盛り上がりました。それを受けての第15回、さらに多くの方がこの学術大会を通してネットワーキングを行い、プライマリ・ケアに携わる者同士の連帯(solidarity)を強め、ますます学会内外とのつながりが強化され、日本のプライマリ・ケアの発展に貢献することを期待しています。
私自身、国際保健や公衆衛生に関心を持ち、グローバルな視点で医療に取り組むことができる点で、プライマリ・ケア、家庭医療を自分の専門として選んできました。 貧困、飢餓で始まるSDGsの17のゴールは、いずれも相互に関連し健康とつながっています。「誰一人取り残さない」はSDGsの理念でもあります。 世界中を襲い、社会および人々の心身に甚大な影響を与えたコロナ・パンデミック。そして、今なお続く戦争・紛争、また気候変動や自然災害の激甚化、頻発化も人類の歩みに警鐘を鳴らしています。
地球規模での持続可能性(Sustainability)は、国際的にも医療界が取り組むべき最も重要な課題として差し迫ってきています。まさに「地球まるごと健康を目指す」プラネタリーヘルスの考え方が必要と言えます。さらに、日本では人口減少により、へき地・郡部の過疎化が進み、医療提供体制の確保が困難となっています。今回の開催地である静岡県においても、都市部とへき地の間の医師の偏在や医療格差は依然大きく、また、より地域に根ざして活動する他の医療・介護職種の不足も著しい状況です。一方で、増加する医療従事者のバーンアウトから、ウェルビーイングの重要性も認識されるべき課題です。そこで、今一度、アルマ・アタ宣言からアスタナ宣言へと受け継がれたプライマリ・ヘルス・ケアの理念をもとに、地域住民とともに持続可能な保健医療システムを考え直すときにきていると思います。
地球環境や地域の課題に取り組むことは、本学会でもこの数年重点的に取り組んできている健康の社会的決定要因(SDH)に関わる取り組みでもあります。 そして、「誰一人取り残さない」という言葉の指すとおり、ややもすると取り残されがちな集団・課題に対して、意識的に学び、取り組む機会ともなればと思います。
2. この学術大会がプライマリ・ケアの分野にどのような影響を与えると考えていますか?
以下のようなことを期待しています。
○プライマリ・ケアの専門性の根幹として、医療資源の適正利用や地域・環境の持続可能性を考慮するという認識が広まる
○働き方の持続可能性として医療者のウェルビーイングを向上させる重要性を認識することにつながる
○医療における患者経験や患者安全、住民や当事者の視点を考慮することが重視される
○気候非常事態宣言(通称:浜松宣言)の発表を予定しています。医療と気候変動の関連について意識を高めるきっかけとなると同時に、医療者として取り組むことのできるアクションへとつながっていくことを期待しています。
○「誰一人取り残さない」は参加者の視点も考慮しています。コロナ禍のオンライン開催を経て、横浜(第13回)、愛知(第14回)の大会では対面・リアルで会えることの喜びを改めて感じて、盛り上がりました。それを受けての第15回、さらに多くの方がこの学術大会を通してネットワーキングを行い、プライマリ・ケアに携わる者同士の連帯(solidarity)を強め、ますます学会内外とのつながりが強化され、日本のプライマリ・ケアの発展に貢献することを期待しています。
最終更新:2024年02月06日 22時54分