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『がんの痛みの治療における医療用麻薬の自己管理マニュアル~医療従事者の役割~』のご紹介
がん診療に関するプライマリ・ケアワーキンググループ(以下、WG)の高岡沙知(長崎県上五島病院)です。
私たちWGの活動ではありませんが、読者のお一人お一人に、がん患者さんと関わる上で知っておいていただきたいと感じ、今回は2024年に厚生労働省が発表した『がんの痛みの治療における医療用麻薬の自己管理マニュアル~医療従事者の役割~』を紹介させていただきます。
私たちWGの活動ではありませんが、読者のお一人お一人に、がん患者さんと関わる上で知っておいていただきたいと感じ、今回は2024年に厚生労働省が発表した『がんの痛みの治療における医療用麻薬の自己管理マニュアル~医療従事者の役割~』を紹介させていただきます。
がんの痛みは患者さん自身が感じるもので、環境の変化やストレスなどにより変動します。がんの痛みの治療の目的は、がん患者さんの QOL(Quality of Life)の向上です。そのため、痛みにより日常生活が妨げられないように、夜間の睡眠の確保、安静時の痛みの改善、からだの動きに伴う痛みの改善など、具体的な目標設定が推奨され、患者さん自身が医療用麻薬の正しい使い方を理解し、自ら管理・使用することは、自身のQOLを向上させます。
今日、がん治療は入院だけでなく、外来や在宅、介護施設など様々な療養の場で行われています。がんの痛みの治療も同様で、療養の場に関わらず継続できることが重要です。そのためには、患者さん自身が医療用麻薬を適切に保管や使用することができるように、支援することが求められています。
しかし、一部の医療機関では、患者さんに交付された医療用麻薬であっても、「すべて医療者が保管や管理を行い、指示に従ってその都度与薬する必要がある」との誤った認識があったり、厳格に管理しすぎることによって患者さんが必要なときに使用できない状況が生じたりしています。医療用麻薬は適切な保管や管理とともに、過度な管理や制約によって患者さんの必要なタイミングでの服用を妨げないように配慮することも重要です。もちろん、医療用麻薬に限らず、どのような薬剤であっても自己管理に際しては医師や看護師、薬剤師による指導や情報提供が重要です。このマニュアルでは、患者さんがその管理や使用に習熟するまでに、医師や看護師、薬剤師などの医療者が具体的にどのような過程を踏み、継続していくことが望ましいのか具体的な方法について紹介しています。
今日、がん治療は入院だけでなく、外来や在宅、介護施設など様々な療養の場で行われています。がんの痛みの治療も同様で、療養の場に関わらず継続できることが重要です。そのためには、患者さん自身が医療用麻薬を適切に保管や使用することができるように、支援することが求められています。
しかし、一部の医療機関では、患者さんに交付された医療用麻薬であっても、「すべて医療者が保管や管理を行い、指示に従ってその都度与薬する必要がある」との誤った認識があったり、厳格に管理しすぎることによって患者さんが必要なときに使用できない状況が生じたりしています。医療用麻薬は適切な保管や管理とともに、過度な管理や制約によって患者さんの必要なタイミングでの服用を妨げないように配慮することも重要です。もちろん、医療用麻薬に限らず、どのような薬剤であっても自己管理に際しては医師や看護師、薬剤師による指導や情報提供が重要です。このマニュアルでは、患者さんがその管理や使用に習熟するまでに、医師や看護師、薬剤師などの医療者が具体的にどのような過程を踏み、継続していくことが望ましいのか具体的な方法について紹介しています。
私が勤務する長崎県内では、2024年11月に県内の複数の医療機関の緩和ケアチームが集まり、がん患者さんの医療用麻薬の自己管理の推進を含む、がん治療に関するいくつかのテーマを扱った研修会が開催されました。私も参加者の一人として参加しましたが、医療用麻薬の自己管理の支援状況については施設ごとにばらつきが見られるものの、ほとんどの施設で支援が進んでいない状況でした。この研修会を機に、私が所属する施設では、院内の医療用麻薬の自己管理マニュアルの見直しを行い、自己管理の支援を促進する取り組みを計画しているところです。
他県の状況は分かりませんが、このマニュアルを知っていただき、一人でも多くのがん患者さんの支援につながっていくことを祈っています。
他県の状況は分かりませんが、このマニュアルを知っていただき、一人でも多くのがん患者さんの支援につながっていくことを祈っています。
参考文献
厚生労働省.がんの痛みの治療における医療用麻薬の自己管理マニュアル~医療従事者の役割~.東京:厚生労働省医薬局 監視指導・麻薬対策課;2024.[not revised;cited 20 June 2025]. Availablefrom:https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001245822.pdf
最終更新:2025年01月27日 00時00分
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