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【プライマリ・ケアに活かすメンタルヘルスReport ! 】

プライマリ・ケアにおいて、メンタルヘルスは避けて通れない領域です。しかし、多くの医師が自己流、あるいは暗中模索の中で対応を迫られているのが現状ではないでしょうか。

「身体診察は得意だが、心理的背景への踏み込み方に迷う」 

「メンタルヘルスを体系的に学び直したいが、適切な研修先が見当たらない」

こうした課題を解決すべく、メンタルヘルス委員会では【全国の総合診療医・家庭医×メンタルヘルスに関するグッドプラクティスリポート】を企画しました。

本プロジェクトでは、以下の3つの柱を軸に、プライマリ・ケア医がメンタルヘルス領域にも自信をもって対応できるようになるためヒントのを提示します。

研修の「見える化」:学びの場をリストアップし、アクセスを容易に。
学びの「実態調査」:現場の医師が実際に辿った学習プロセスを分析。
実践の「知恵袋」:今後の研修体制構築のモデルとなる良質な事例を紹介。
もう一歩踏み込んだケアを目指す全ての医師へ。現場の知恵が詰まったリポートの全容を、ぜひご覧ください。

【家庭医療と心身医学の架け橋として】(聖路加国際病院心療内科)

栄えある?メンタルヘルスReport! 第1弾は、専攻医の教育に長年携わってこられた聖路加国際病院心療内科の取り組みについて、管理医長の山田宇以先生にお話を伺いました。
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【リポート前編】不定愁訴にどう向き合うか―見立てと関わり方を学ぶ4週間

1.「原因がはっきりしない症状」を心理社会的側面からも捉える

心療内科を受診する患者さんの中には、すでに複数の診療科を受診してきた方も少なくありません。検査では大きな異常が見つからない一方で、症状は持続している状況で紹介されてくるケースも多くみられます。

聖路加国際病院では、こうした症例を身体面と心理社会的側面の両方から捉えていきます。研修では、患者さんの語る情報をどのように整理し、病態仮説として組み立てていくかを中心に学びます。

たとえば、「ストレスがありますか」と直接尋ねるのではなく、生活歴や家族関係、症状が出てきたタイミングなどを丁寧にたどりながら、「なぜ今この症状が出ているのか」を考えていきます。

あわせて、精神科との役割の違いについても確認します。心療内科は「心理療法を行う内科」であることが強調されます。同院の精神科が統合失調症、重症うつ病、物質依存、あるいは医療保護入院などの医療と保護を要するような急性期精神症状のある患者さんを主に診るのに対し、心療内科では、ストレスによる身体症状が前面に出ている患者さんを主に診ます。具体的には、機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群などの心身症、極度の低体重で身体合併症を抱える摂食障害、他科で「異常なし」とされた身体症状、あるいはがんなどの身体疾患に伴う心理的苦痛など、多種多様な訴えを持つ患者を受け入れています。これは、地域の診療所で総合診療医/家庭医が遭遇する「検査では説明のつかない不調」と極めて近い領域です。
2.段階的に学べる研修プログラム

当科では、1ヶ月単位での研修を受けれており、多くは院内の初期研修医や内科をはじめとした専攻医がローテーションで学習をします。その他、亀田ファミリークリニック館山をはじめとした総合診療医も数ヶ月単位で研修をしています。研修プログラムでは「初診の見立てと評価」に重点が置かれています。同科では初診に約1時間を費やし、身体的評価と心理社会的アセスメントを同時に進めます。研修はおおよそ4週間で構成され、段階的に役割が変わっていきます。

導入期(1〜3週):
まずは指導医の外来診療に陪席します。問診の組み立て方や患者さんとの距離の取り方、そして「どのタイミングでとのような質問を投げかけるか」を観察します。診察の合間には、その場面で何を考えていたのかが共有され、理解を補います。

実践期(4週目以降):

専攻医が自ら初診を担当します。睡眠障害や典型的なうつ状態など、比較的構造化しやすい症例からスタートし、徐々に複雑な症例へと移行します。


1ヶ月のローテーションの一例
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3.診察前の「作戦会議」が診療を変える

診察の前には、紹介状や事前情報をもとに、「どこを優先して聞くか」「どこまでを今回の目標とするか」を指導医と一緒に整理します。

たとえば、ある発言の背景にどのような事情がありそうか、あるいは感情的な反応が出た場合にどう対応するか、といった点をあらかじめ考えておきます。また、認知行動療法のケースフォーミュレーションに準じて、「ストレス・環境変化」「サポート」「認知・性格」「気分」「行動・ストレス解消法」「身体症状」の側面から分析するようにしています。 

こうした前準備があることで、診察の場ではやり取りに集中しやすくなります。診察後には振り返りを行い、自分の見立てと指導医の視点の違いを確認していきます。また、2回目以降のフォローを指導医が引き継ぐ体制をとることで、専攻医は「評価」という最も難易度の高い部分に集中して学習を進めることができます。

(実際に聖路加国際病院心療内科で研修を受けていた宮本先生、を見守る山田先生の図)
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4.見通しを持って関われるようになる

実際の研修を受けた医師からは、「これまで『困った患者さん』と感じていた背景に、どのような心理的なメカニズムがあるのかをロジックで理解できるようになった」という声が多く聞かれます。どう関わればよいかの見通しが持てるようになるためです。

心療内科の研修で身につくのは、特定の疾患への対応にとどまりません。患者さんとのラポールの築き方や、多職種との連携をスムーズにするコミュニケーション力、自分自身の感情への気づきなど、日常診療に広く関わる要素が含まれていました。

おわりに

聖路加国際病院心療内科での研修を通じて、不定愁訴に対して「手がかりがつかめない状態」から「ある程度見通しを持って関われる状態」へと変化していきます。

心身医学の視点を知ることで、これまで漠然としていた不定愁訴への向き合い方が、少し整理されてくる経験と言えそうです。

※本記事は、インタビュー内容の再構成の補助として生成AIを利用して作成し、掲載内容は委員会メンバーにて確認・編集を行っています。 

最終更新:2026年07月03日 20時08分

メンタルヘルス委員会

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