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緩和ケアとの付き合い方
宮崎県延岡市で訪問診療を行っている竹井(縁・在宅クリニック)です。
第31回日本緩和医療学会学術集会が開催されたばかりで、6月は緩和ケアの分野が盛り上がる時期でもあります。
プライマリケアはもちろん、どの分野でも緩和ケアの視点は必須ではありますが、生と死に向き合っていく支援者がバーンアウトせずに関わり続けていくことは、決して容易なことではありません。
今回は、宮崎県立延岡病院で開催された緩和ケア講演会で取り上げた内容の一部を紹介します。「支える人のための緩和ケア」と題して、支援者が緩和ケアと長く付き合っていく方法についてお話しさせていただきました。
第31回日本緩和医療学会学術集会が開催されたばかりで、6月は緩和ケアの分野が盛り上がる時期でもあります。
プライマリケアはもちろん、どの分野でも緩和ケアの視点は必須ではありますが、生と死に向き合っていく支援者がバーンアウトせずに関わり続けていくことは、決して容易なことではありません。
今回は、宮崎県立延岡病院で開催された緩和ケア講演会で取り上げた内容の一部を紹介します。「支える人のための緩和ケア」と題して、支援者が緩和ケアと長く付き合っていく方法についてお話しさせていただきました。
支える人の苦悩とは
まず、支える人の苦悩にどのようなものがあるのか、以下の4つを挙げました。
自分がどのような苦悩と闘っているのかを具体的にすることが、苦悩解決への一歩です。
① 力量不足の不安:「知識や経験が足りない」「どう応えていいか分からない」といった無力感
② 困難な関係性:病状の受け入れができない、威圧的な態度であるなど、チャレンジ度の高い患者・家族への対応
③ 倫理的葛藤:困難なケースに出会ったときに「このままでいいのか」とは感じるも解決策が見いだせない状況
④ 喪失悲嘆:いずれ訪れる別れの悲しさ・後悔、悲しむ間もなく訪れる次の出会い
自分がどのような苦悩と闘っているのかを具体的にすることが、苦悩解決への一歩です。
① 力量不足の不安:「知識や経験が足りない」「どう応えていいか分からない」といった無力感
② 困難な関係性:病状の受け入れができない、威圧的な態度であるなど、チャレンジ度の高い患者・家族への対応
③ 倫理的葛藤:困難なケースに出会ったときに「このままでいいのか」とは感じるも解決策が見いだせない状況
④ 喪失悲嘆:いずれ訪れる別れの悲しさ・後悔、悲しむ間もなく訪れる次の出会い
支えるための準備
今回は①力量不足の不安について、誰かを支えるための準備として、私が考える具体的な関わり方の一部をご紹介します。
・理解する≠理解者になる
私がまだ医学生の頃、辛さを抱える患者さんを目の前にした時に「知識も経験もない自分には上手な声かけができない。かける言葉がみつからない。」と身がすくんだのを覚えています。
そこで出会ったのが、めぐみ在宅クリニックの小澤竹俊先生より学んだ「理解する≠理解者になる」という考え方です。他者である相手の苦痛を完全に理解することは不可能であり、私が相手を理解するのではなく、相手が私を理解者だと思えればよいというものです。知識や経験がなくとも「ここにいてもいいのだ」とふっと心が軽くなったのを覚えています。
相手のもとへ足を運び、じっくりと話を聞くことなど、理解者になりたいという姿勢が大事なのだと、一歩を踏み出すことができたのです。
・強オピオイドを扱うとき
強オピオイドを導入するとき、少なからず患者さんの抵抗感を感じる場面ってありますよね。「それって強い薬ですか?」と聞かれると、「そうですね…(強オピオイドです)。」と言ってしまいそうです。
「強い」という言葉を薬にかけると、ますます患者さんの抵抗感が強まる印象があります。
「強い」を薬ではなく痛みにかけて「強い痛みに対する薬」と言い換えてみてはどうでしょうか。
痛みの具合を理解してもらえているという気持ちに加え、強いのは薬ではなく痛みであると認識が前に出ることで、医療者・患者さんともに抵抗感が和らぐことがあるかもしれません。
・悪い情報を伝えるとき
病名の告知や積極的治療が難しくなったときなど、悪い情報を伝えるのは伝える側にとっても辛い場面です。
SPIKESなど悪い情報を伝える際のコミュニケーションスキルは様々知られており有用ですが、それなりの練習と実践が必要です。いざその場面になると、スキルを発揮する余裕がなくなってしまうこともあると思います。
余裕をもったコミュニケーションの入り口として、何かひとつを保証するというのを軸に話をしてみるのはどうでしょうか。
例えば、積極的治療をすることはできない(悪い知らせ)、しかし辛い症状を和らげながら体力を保ちつつ過ごせる方法を一緒に考えましょう(保証)、というように。
何を保証にするのかは、相手や関係性により様々です。
もちろん、保証の言葉が響かない場面も多々ありますが、伝える側の心苦しさを和らげる手法ではある気がします。
今回ご紹介したのは講演内容のごくごく一部ですが、緩和ケアに関わる人の心が少しでも軽くなるきっかけとなれば幸いです。
・理解する≠理解者になる
私がまだ医学生の頃、辛さを抱える患者さんを目の前にした時に「知識も経験もない自分には上手な声かけができない。かける言葉がみつからない。」と身がすくんだのを覚えています。
そこで出会ったのが、めぐみ在宅クリニックの小澤竹俊先生より学んだ「理解する≠理解者になる」という考え方です。他者である相手の苦痛を完全に理解することは不可能であり、私が相手を理解するのではなく、相手が私を理解者だと思えればよいというものです。知識や経験がなくとも「ここにいてもいいのだ」とふっと心が軽くなったのを覚えています。
相手のもとへ足を運び、じっくりと話を聞くことなど、理解者になりたいという姿勢が大事なのだと、一歩を踏み出すことができたのです。
・強オピオイドを扱うとき
強オピオイドを導入するとき、少なからず患者さんの抵抗感を感じる場面ってありますよね。「それって強い薬ですか?」と聞かれると、「そうですね…(強オピオイドです)。」と言ってしまいそうです。
「強い」という言葉を薬にかけると、ますます患者さんの抵抗感が強まる印象があります。
「強い」を薬ではなく痛みにかけて「強い痛みに対する薬」と言い換えてみてはどうでしょうか。
痛みの具合を理解してもらえているという気持ちに加え、強いのは薬ではなく痛みであると認識が前に出ることで、医療者・患者さんともに抵抗感が和らぐことがあるかもしれません。
・悪い情報を伝えるとき
病名の告知や積極的治療が難しくなったときなど、悪い情報を伝えるのは伝える側にとっても辛い場面です。
SPIKESなど悪い情報を伝える際のコミュニケーションスキルは様々知られており有用ですが、それなりの練習と実践が必要です。いざその場面になると、スキルを発揮する余裕がなくなってしまうこともあると思います。
余裕をもったコミュニケーションの入り口として、何かひとつを保証するというのを軸に話をしてみるのはどうでしょうか。
例えば、積極的治療をすることはできない(悪い知らせ)、しかし辛い症状を和らげながら体力を保ちつつ過ごせる方法を一緒に考えましょう(保証)、というように。
何を保証にするのかは、相手や関係性により様々です。
もちろん、保証の言葉が響かない場面も多々ありますが、伝える側の心苦しさを和らげる手法ではある気がします。
今回ご紹介したのは講演内容のごくごく一部ですが、緩和ケアに関わる人の心が少しでも軽くなるきっかけとなれば幸いです。
参考文献
・栗原幸江:緩和ケアの現場とバーンアウト, 緩和ケア 31(5):342-345, 2021
・小澤竹俊:13歳からの「いのちの授業」, 大和出版:2006
・小澤竹俊:13歳からの「いのちの授業」, 大和出版:2006
最終更新:2026年06月29日 16時18分
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