薬剤師のお仕事

第１回は、薬剤師の仕事内容について記事にしました。実は、薬剤師はかなり多くの仕事を行っております。医療者の皆さん、一般の方々にぜひ知っていただきたいです！
この記事を読んでいただき、薬剤師の仕事にご理解頂ければ幸いです。

薬剤師の任務・社会的役割について、薬剤師法第1条に「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。」と定められています。
この規定により薬剤師は調剤だけでなく、医療用医薬品や一般用医薬品の管理や供給、食品衛生・環境衛生や薬物乱用防止など行っています。薬剤師の仕事は、薬局や病院での仕事以外に学校での環境衛生管理、製薬会社で医薬品の研究開発・製造に関与や医療従事者への情報提供、保健所や自衛隊など行政機関における薬事関係など多岐にわたります。
今回、薬剤師が従事している数多い職種の中から、薬局薬剤師と病院薬剤師の仕事をご紹介します。

薬局では調剤のみならず、一般用医薬品や介護用品に健康食品、様々な薬事に関する品を販売しています。
調剤は、医師又は歯科医師が交付した処方箋の内容に基づいて薬を調製することです。処方箋を患者から受け取ったら、まず処方箋の内容について監査します。処方箋の内容に疑問があったら、処方箋を交付した処方医に問い合わせを行います。疑問点が解消されない場合、調剤してはいけないことになっています（薬剤師法第24条）。調剤する際患者の状態に応じて、服用する時点が同じ薬や何種類も1度に服用する場合に一袋に薬をまとめたり（一包化）、錠剤を潰して粉にしたり（粉砕）カプセルを外したり（脱カプセル）など行います。調剤後の薬も監査して、問題なければ患者に交付します。交付する際は、薬の作用や服用法及び管理、服用による体調変化の有無や服用に際しての注意点、残薬の有無などの服用状況について確認します（服薬指導）。服薬指導や疑義照会した内容について、薬歴に記載し保存することになっています。
また薬局では、一般用医薬品（OTC）を販売しています。一般用医薬品は、処方箋が無くても薬局で購入することが出来る医薬品のことです。リスクに応じて、5段階に分類されています。リスクが高い要指導医薬品や第1類医薬品を販売できるのは薬剤師のみとなっています。要指導医薬品や第1類医薬品を販売する際も、他の医薬品の使用状況や副作用歴・症状などを確認し、使用上の注意事項や効能効果、用法用量等の説明を行い販売記録に記載して保存します。

病院薬剤師の仕事には、調剤業務と病棟業務及び医薬品情報業務等があります
調剤業務は、外来の患者に対する調剤と入院患者に対する調剤があります。市販されている医薬品の剤型とは異なる剤型等を製造（製剤業務）したり、アンプルやバイアルに入っている注射薬を点滴に混ぜて使用できるようにする（注射薬混合調製）等、専門知識や無菌による調製のスキルが要求される仕事も行っています。
病棟業務では、医師や看護師等他の医療職種と連携し情報共有を行い、共同して入院患者の治療に関与します。入院されている患者や患者家族に対して、薬の作用や服用法、服用に際しての注意点を説明します。また、服用による体調変化の有無や副作用の有無、体格や体質に応じた投与量の提案なども行っています。入院された際には、患者の持参された薬や普段使用されている医薬品の確認、副作用歴やアレルギー歴などの確認も行っています。
医薬品情報業務（DI 業務）も重要な仕事です。膨大でかつ日々更新される医薬品情報を収集し伝達するだけではなく、収集した情報に専門的評価を行い整理・管理しています。また重要な情報及び各部署から求められた情報が、迅速かつ正確に伝達・周知されるようにしています。

以上、薬局薬剤師と病院薬剤師の仕事内容を紹介しましたが、記載した内容以外にも多くの仕事を行っています。薬局薬剤師では在宅や学校薬剤師、健康相談なども行っています。病院薬剤師は救命救急業務や治験業務も行っています。薬剤師の仕事は多岐にわたっていますので、もし何か医薬品や薬事衛生でお困りのことがありましたら薬剤師にお声がけください！