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小児・思春期 医療
子どもの権利とプライマリ・ケア シンポジウム開催報告
2023年4月に開催された第14回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会にて、小児・思春期委員会企画シンポジウム「子どもの権利とプライマリ・ケア 〜未来を育むプライマリ・ケア 明日から変わる子どものみかた〜」を開催しました。学術大会公式サイトにてオンデマンド配信中です。是非御覧ください。また本記事では、今後に役立つ参考資料も紹介しています。
子どもの権利と私たちの臨床
・幼児の予防接種。「痛くないよ!」と言いながら針を刺す
・気道症状のある小学校低学年児童の診療。
親に話を聞いて、子どもには挨拶程度で診察して終了
プライマリ・ケアなら「患者中心 patient centered」というのは皆さんも実践されていると思いますが、なぜか患者が子どもになると、「患者中心 patient centered」がどこかに行ってしまい、本来中心にあるべき子どもが見えなくなってしまう。
2023年4月にはこども家庭庁が発足し、こどもまんなか社会の実現が掲げられる中、私達がプライマリ・ケアの現場でどのように「こどもまんなか」を実現していくのかをテーマに、第14回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会にて、本シンポジウムを開催しました。
子どもの権利 総論
・医療における子ども憲章(日本小児科学会 2022)
https://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=143
プレパレーション
プレパレーションの目的は、子どもの認知発達に合わせた表現と手段を用いて可能な限りの多くの情報を提供して、「インフォームド・アセント(了解)」をされるようにすることです。子どもが自分になされる行為について理解できるよう子どもに十分に説明される必要があります。
今回の発表では発達段階に合わせて行われているプレパレーションの内容や、実際の注射の場面でのディストラクションの様子をお伝えしました。厚労科研の報告書別冊「プレパレーションの実践に向けて―医療を受ける子どもへの関わり方」やその他「病気の子どもへのプレパレーション」(及川郁子ら、中央法規出版)、「医療を受ける子どもへの上手な関わり方 第2版」(原田香奈ら、日本看護協会出版会)などの書籍も参考になります。
・プレパレーションの実践に向けて 医療を受ける子どもへの関わり方(厚労科研「子どもと親へのプレパレーションの実践普及」研究班 平成14-15年)
https://www.okinawa-nurs.ac.jp/wp-content/uploads/2019/07/preparationshiryou.pdf
きょうだい児/ヤングケアラー
きょうだい児とヤングケアラーについて、定義、社会的背景、子どもの権利との関係等について概説しました。その中で、プライマリケア提供者が診察から何ができるのか提案を行いました。
厚労省が公開しているヤングケアラーの実態に関する調査研究、 多機関・多職種連携による ヤングケアラー支援マニュアルは是非一度目を通していただけると良いと思います。
・ヤングケアラーの実態に関する調査研究(厚労省資料 令和2年)
https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000767891.pdf
・多機関・多職種連携による ヤングケアラー支援マニュアル(厚労省 令和4年)
https://www.mhlw.go.jp/content/000932685.pdf
事例検討
最終更新:2023年10月22日 10時48分