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プライマリ・ケアでの救急/急に右手が動かない! 脳出血の臨床

ケース

●主訴:「右手が動かない」、「首が痛い」
●現病歴:患者は会社の事務職をしているADL自立している62歳男性。健診で高血圧を指摘されていたが数年間未治療のままだった。来院当日朝、起床し歯磨きをしているときに、突然右手の動かしづらさを自覚した。
その後、朝ご飯を食べているときに話しづらさを認め、妻に連れられ当院内科へ受診した。
●既往歴:高血圧症(未治療)
●内服薬:なし
●社会歴:喫煙歴なし。飲酒なし。仕事は事務職。
●身体所見:意識清明。バイタルサイン:血圧184/78mmHg、脈拍92回/分、呼吸数16回/分、体温36.2℃、酸素飽和度98%(室内気)。
全身状態は良好。一般身体診察:頭頸部・甲状腺部特記所見なし。胸部・腹部は特記所見なし。
神経所見:意識清明、高次脳機能は失語・失行・失認はスクリーニングレベルでは異常を指摘できない。 
脳神経:軽度の右中枢性顔面神経麻痺を認める。
運動系:いわゆる上肢のBarré徴候*では右上下肢は軽度回内下垂、右手指の巧緻性低下を認める。下肢についてはMingazzini徴候を認める。構音障害を認める。
感覚系:痛覚・触覚は正常内、母指探し試験は正常内。
●胸部X線:特記所見なし。
●心電図:正常範囲内。
●血液検査:WBC  8.0×103/μL、Hb12.0 g/dL、Plt 23.8万/μL、総蛋白7.2 g/dL、アルブミン3.5 g/dL、総ビリルビン0.9 mg/dL、AST(GOT)13 IU/L、ALT(GPT)16 IU/L、LDH142 IU/L、CK108 IU/L、BUN 12mg/dL、Cre0.77mg/dL、Na137mEq/L、K4.3mEq/L、Cl102mEq/L、Ca9.6mg/dL、CRP0.20 mg/dL、アンモニア15mg/dL
  • https://www.primarycare-japan.com/pics/news/news-566-1-1.jpg

はじめに

中枢神経障害をきたす疾患は多岐にわたる。とくに遭遇する頻度の高い、脳出血・脳梗塞については瞬時に判断し治療介入することで、機能予後の改善をめざすことが可能である。本稿では脳出血について、最近の知見を交えながら急性期のマネージメントについて記載していく。

経過1

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最終更新:2023年11月06日 19時26分

実践誌編集委員会

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