ホームニュースCurrent topics - プライマリ・ケア実践誌プライマリ・ケア診療各論(漢方)/漢方薬が効きません…⑤ ー全身倦怠感に補中益気湯ー
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プライマリ・ケア診療各論(漢方)/漢方薬が効きません…⑤ ー全身倦怠感に補中益気湯ー
はじめに
定番の漢方薬が効かない場合に漢方治療をあきらめてしまうのはもったいないことで、漢方治療の次のステップを学び、漢方の腕前が上達するチャンスである。
今回は、「全身倦怠感に補中益気湯が効かない・・・」場合を解説する。
今回は、「全身倦怠感に補中益気湯が効かない・・・」場合を解説する。
プライマリ・ケアにおける全身倦怠感
2016(平成28)年の国民生活基礎調査では日本人女性がもつ自覚症状において、「肩こり」、「腰痛」、「手足の関節の痛み」に次いで4番目に「体がだるい」があげられていて、全身倦怠感は非常に多い症状である。
また、外来診療でも全身倦怠感を訴えて受診する患者も多く、プライマリ・ケアを受診する患者の21〜33%が全身倦怠感を訴えるとされる1)。
ただし、プライマリ・ケアの現場では、身体的な器質的疾患による慢性の全身倦怠感は7〜22%にとどまるという報告2、3)もあるように、明らかな原因が不明なものや精神心理的要因による全身倦怠感が多いことは読者の方々も実感することかと思う。
また、悪性腫瘍、慢性心不全、慢性閉塞性肺疾患、慢性腎臓病、認知症などの疾患が進行すると全身倦怠感が出現する割合は高くなるという報告があ4)るように、悪性腫瘍に限らず、あらゆる慢性疾患が進行すると全身倦怠感が出現することがわかる。
また、外来診療でも全身倦怠感を訴えて受診する患者も多く、プライマリ・ケアを受診する患者の21〜33%が全身倦怠感を訴えるとされる1)。
ただし、プライマリ・ケアの現場では、身体的な器質的疾患による慢性の全身倦怠感は7〜22%にとどまるという報告2、3)もあるように、明らかな原因が不明なものや精神心理的要因による全身倦怠感が多いことは読者の方々も実感することかと思う。
また、悪性腫瘍、慢性心不全、慢性閉塞性肺疾患、慢性腎臓病、認知症などの疾患が進行すると全身倦怠感が出現する割合は高くなるという報告があ4)るように、悪性腫瘍に限らず、あらゆる慢性疾患が進行すると全身倦怠感が出現することがわかる。
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最終更新:2025年11月16日 00時00分








