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よりよいがん診療、プライマリケアの構築のために

みなさんこんにちは。兵庫県立丹波医療センター内科の小林崇人です。

前回は瀬尾先生からプライマリケアとがん診療の親和性についてお話をいただきましたが、今月はその点をもう少し深掘ってみたいと思います。

まず背景として、がんサバイバーの数は近年大幅に増加していますが、サバイバーは自身のCancer journey において必ずしも質の高い患者中心のケアを受けられているとは限りません。その原因としては、

(1)エビデンスの欠如
(2)適切な訓練を受けたサバイバーシップケア従事者の欠如
(3)サバイバーシップケアサービスに対する償還構造/保険適用の欠如
(4)断片化したケアを解消する医療システムの欠如

といった4つの要因が指摘されています1)。これらの中でも特に(2)や(4)に対して、プライマリケア医が一定の役割を果たすことが期待されます。

また、従来のがん専門医が一貫してケアを提供するケアモデルではなく、プライマリケア医とがん専門医が共同でケアを提供する共同ケアモデルが提唱されています。


一方、このようなニーズがあることを承知しながらも、プライマリケア医ががん診療に対して心理的ハードルを感じることが多いのも事実です。適切な知識や研修の欠如などがその要因として指摘されていますが、さらなる研究の余地があると考えられています。

そこで我々ワーキンググループでは、プライマリケア医ががん診療に対して感じる障壁にどのようなものがあるかについての学術的調査を行っています。日本のがん診療、プライマリケアの発展のためにも引き続き頑張っていきたいと思っておりますので、引き続き皆様のご協力をよろしくお願いします!

1) Earle CC, Ganz PA. Cancer survivorship care: don’t let the perfect be the enemy of the good. J Clin Oncol. 2012;30:3764-3768.

最終更新:2024年10月20日 18時56分

がん診療に関するプライマリ・ケアWG

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