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プラネタリーヘルス

まずはここから!浜松宣言

2024年、日本プライマリ・ケア連合学会は
プライマリ・ケアにおける気候非常事態宣言(通称:浜松宣言)
を表明し、気候変動対策に取り組むことを宣言しました。


<浜松宣言の4つの柱>

1)プラネタリーヘルスの理解を深め、医療者および市民へ周知します

2)日本のカーボンニュートラル実現に貢献するため、温室効果ガス排出削減に取り組みます

3)気候変動の影響に適応したプライマリ・ヘルス・ケアの整備に取り組みます

4)プラネタリーヘルスに関する医学教育および研究、関係組織との連携を推進します
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その一方で、「実際、どんなことをすればいいの?」「個人の力で地球に良い影響を与えるのは難しいのでは」と思っている方もおられるのではないでしょうか。

そこで今回は、気軽にはじめやすいとりくみをいくつか紹介します。

1.疾病予防

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人口増加や高齢化、気候変動などにより、医療へのニーズは世界的に見ても今後増加すると予想されます。一方で、医療資源の限界、医療由来のから温室効果ガス低減の必要性などから、相対的に医療サービスが不足する可能性があります。医療のしくみそのものの見直しと共に、疾病予防(ワクチン、健診、ライフステージに合った個別性の高い予防策など)の重要性が増すと考えられます。

2.吸入薬はドライパウダー式(DPI)を選択

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定量噴霧式吸入器(MDI)はドライパウダー式吸入器(DPI)の約40倍の温室効果ガスを排出します。

3.勉強会や環境活動に参加する

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プラネタリーヘルスに関する多くの勉強会やイベントが企画されています。ご自身の職場の中で勉強会を開催することもぜひ検討してみてください。

その際には、私たちの委員会が協力できることがあるかも知れません。ご相談もお待ちしています!

4.暑さ指数(WBGT)熱中症アラートを利用し、熱中症予防法の啓発を行う

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熱中症は気候変動による健康への影響のなかでも身近なものです。予防策に力を入れましょう。

5.ポリファーマシー対策に取り組む

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医療由来の温室効果ガス排出のなかで医薬品が占める割合は最も多く、処方薬の整理は重要です。


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いかがでしたでしょうか?

既に日常業務でやっていることも、含まれているのではないでしょうか?
プライマリケア機能を充実させること自体が、有効な気候変動対策でもあるのです。

今回ご紹介したのは、私たちができることのごく一部です。このほかにもできることや、実際の事例はたくさんあります。ぜひ以下のリンクをご一読ください。
▶プライマリ・ケア従事者のための気候変動アクションリスト
▶プライマリ・ケアにおける気候変動対策 事例集


~今月の執筆者~

岩上 真理子
(JA帯広厚生病院 健康管理科)

北海道十勝地方で働く家庭医です。仕事の傍らワンヘルス修士課程(オンライン)に進んだことがご縁となり、プラネタリーヘルス委員会メンバーとして活動しています。プライマリ・ケアがプラネタリーヘルスで果たす役割は大きく、いつもの仕事をしっかりこなすだけでも、地球に大きな貢献をしていることになります。同時に、環境や他の生物種との関わりのなかで人間の健康を守る為には、学際的な取り組みが欠かせません。プラネタリーヘルス委員会では、学会内外に向け、こうした発信・企画を増やしていく予定です。ご興味のある方は、ぜひご連絡ください。

最終更新:2025年01月29日 15時16分

プラネタリーヘルス委員会

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