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メンタルヘルス委員会活動報告

第7回 公開スーパービジョンを開催しました ― メンタルヘルス委員会Presents

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12月7日、メンタルヘルス委員会にて公開スーパービジョンを開催しました。
休日にもかかわらず、約40名の方にご参加いただき、誠にありがとうございました。

今回は、さんむ医療センターの長谷部理佐先生より、繰り返す嘔気・腹痛をきたし不登校となった思春期の女性に関する事例をご提示いただき、その後、参加者を交えたディスカッションを行いました。

心身症や不登校支援は苦手意識を持つ先生も少なくなく、事前アンケートでは、参加者の先生方の 68%が心身症の診療に、87%が不登校の診療に「自信がない」「あまり自信がない」 と回答されていました。

話題になった主な内容

① 診断・見立てについて

・心身症や不安障害などの診断名に急いで収束せず、「何が起きているか」を捉えることが重要。診断は理解を助ける道具であり、説明を単純化しすぎるためのものではない。

・思春期は感情の言語化が未成熟で、「無理をしている感じ」が身体症状として表れやすい発達段階。「わからない」は防衛や未熟さであり、抵抗を意味しない。

・トラウマは深掘りして確認するのではなく、「あるかもしれない前提」で安全性を損なわない関わり(トラウマインフォームドケア)を行う。原因探しよりも、これ以上傷つかない診療を優先する。

② 言語化が難しい思春期への関わり

・無理に語らせず、医療者が言語化を補い、非言語的反応(表情・頷き・沈黙)を手がかりにする。

・セルフモニタリングは言語にこだわらず、絵文字・色・点数など可能な方法から始める。

・宿題を課す前に、診察室内で一緒に練習し、「この子にできそうか」を確認することが大切。

③ 不登校支援・連携について

・不登校を病理化せず、「環境とのミスマッチ」として中立的に捉える。「合わない靴に足を合わせるより、合う靴を探す」という視点。

・学校以外の居場所(市の学級、フリースクール、地域・オンライン資源)を柔軟に活用する。

・家庭医・総合診療医は、すべてを抱え込むのではなく、地域資源をつなぐコーディネーターとして伴走する役割を担う。

参加者の声より

参加者の声を一部紹介させていただきます。

・無理に病名やラベルをつけず、「何が起きているか」を客観的に捉えながら、本人に合う環境やリソースを一緒に探していく姿勢が重要であることを学びました。

・言語化が難しい子どもが言語化を目標にしすぎず、医療者側が言語化を補ったり、絵文字や非言語ツールを使ったりしながら、診察室の中で一緒に練習する関わりがいいのだと学びました。

・心理士・精神科医との連携や、検査・薬物療法(抗うつ薬など)を「何のために行うのか」整理して説明することの大切さを学びました。

メンタルヘルス症例の公開スーパービジョンについて

スーパービジョンと事例検討は、同じ意味で使われることもありますが、本来は異なります。

スーパービジョンでは、学習者(スーパーバイジー)の思考や感情、学びのプロセスを理解し、それを深めることが重視されます。

メンタルヘルス領域では、個別性が強く、アプローチが複数あることも多いため、スーパービジョンのスタイルがより適しています。

支援者として、そして一人の人間として成長できる場として、この会がその役割を果たせればと願っています。

次回のご案内

次回の公開スーパービジョンは、2026年春頃の開催を予定しています(詳細は後日ご案内いたします)。

また、ディスカッションした内容は実践誌『プライマリ・ケア』にて、『スーパービジョンから学ぶメンタルヘルスケア』として連載しております。ご関心のある方は、ぜひご覧ください。

皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
事例のご提供も随時募集しておりますので、どうぞお気軽にお声掛けください。

最終更新:2025年12月26日 10時30分

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