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プライマリ・ケア診療各論(漢方)/漢方薬が効きません…④ —BPSD に抑肝散—

はじめに

定番の漢方薬が効かない場合に漢方治療をあきらめてしまうのはもったいないことで、漢方治療の次のステップを学び,漢方の腕前が上達するチャンスである。
今回は、「認知症の行動・心理症状(behavioral and psychologicalsymptoms of dementia :BPSD)に抑肝散が効かない......」場合を解説する。

抑肝散(No.54)を知る

○抑肝散イコール BPSD の薬 ??

超高齢社会のなかで、BPSD といえば抑肝散といわれるほど、抑肝散は頻用されている。そのきっかけは、1984 年に認知症を含む高齢者の情動障害(とくにイライラ、易興奮性、怒り)に対して抑肝散を主体とした漢方治療が約 90%の症例で有効であった報告 1)である。
続いて認知症の陽性症状に抑肝散が奏効した 2症例が報告され 2)、以後、ランダム化比較試験での BPSD の幻覚、興奮、易怒性などに対する抑肝散の効果 3、4)や、またアルツハイマー型認知症以外の BPSD に対する有用性も示された 5-7)。
さらに、過鎮静や錐体外路症状などの副作用の心配がないこともあり、現代の診療に欠かせない薬になった。
しかし元来、抑肝散は1500 年代に中国で書かれた小児の医学書に記載がある、癇癪を起こしやすい子どもの易怒性や夜泣きに対して用いられていた薬である。「肝」のたかぶりを抑えることで、イライラや怒りを鎮める作用があることが、抑肝散の名前の由来になっている。

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最終更新:2026年06月22日 13時36分

実践誌編集委員会

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