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プライマリ・ケア診療各論(老衰)/老衰死の現状と問題点とは?
なぜ今、老衰について考える必要があるのか?
1年間を通じて、「老衰の診方」として連載をさせていただきます。「なぜ、老衰?」と疑問に思う方もいらっしゃるかと思いますので、まずは、なぜ今、老衰について考える必要があるのかを説明しようと思います。
最初に、老衰死の統計をみていきたいと思います。図 1 は人口 10 万対の老衰死亡率と年齢調整死亡率(人口構成を調整した死亡率)を示したものです。グラフからわかるように、戦後以降、減少傾向であった人口対老衰死亡率は 2000 年以降上昇傾向にあり、近年著増していることがわかります。一方、年齢調整死亡率は、こちらも戦後以降減少傾向にありますが、2000 年以降もそれほど増加は認めていません。ただしここ最近で微増しています。これらの変化は何を表しているのでしょうか。
以前は、老衰死の多寡は医学水準の指標とされており 1)、老衰死という病名は、医師が何らかの疾病を診断できていないことによりついていると考えられていました。前述のとおり、1950 年代以降、老衰死亡率は著明に減少してきています。鈴木は、高齢者死因の病理学的・臨床的検索が一段と向上し、安易な老衰死の臨床診断が低下したことによると指摘しており 2)、また、植村も診断技術の進歩が引き起こしたものである 3)と指摘しています。このように近年の診断技術の進歩に伴い、老衰死亡率は著明に減少してきたと考えられます。それでは、近年の老衰死亡率の増加傾向は何を意味しているのでしょうか。これは、年齢調整死亡率がさほど増加していないことから考えても、超高齢者の死亡者数増加に伴い、相対的に老衰死亡者数が増加していることが主な理由であると考えられます。しかし、年齢調整死亡率も近年微増していることから、日本人の死生観等の変化も関連している可能性があるかもしれません。つまり、現在・未来における老衰死は、以前のように“診断がつかなかったためにつけられていた老衰死"という側面は弱まり、超高齢者の死亡者数増加に伴う“超高齢社会・多死社会における老衰死"であるといえるでしょう。実際に、現在老衰は死因の第 3 位となっています 4)。
しかも、超高齢の死亡数増加に伴い、今後も老衰死は増加することが予測されています 5)。また、図 2 の老衰死亡者の死亡場所が示すように、さまざまな臨床の場で老衰に遭遇する機会があるといえます。老衰の看取りをどのように行っていくのかはこれからの医療・介護の現場において非常に重要な問題であるといえるのではないでしょうか。
最初に、老衰死の統計をみていきたいと思います。図 1 は人口 10 万対の老衰死亡率と年齢調整死亡率(人口構成を調整した死亡率)を示したものです。グラフからわかるように、戦後以降、減少傾向であった人口対老衰死亡率は 2000 年以降上昇傾向にあり、近年著増していることがわかります。一方、年齢調整死亡率は、こちらも戦後以降減少傾向にありますが、2000 年以降もそれほど増加は認めていません。ただしここ最近で微増しています。これらの変化は何を表しているのでしょうか。
以前は、老衰死の多寡は医学水準の指標とされており 1)、老衰死という病名は、医師が何らかの疾病を診断できていないことによりついていると考えられていました。前述のとおり、1950 年代以降、老衰死亡率は著明に減少してきています。鈴木は、高齢者死因の病理学的・臨床的検索が一段と向上し、安易な老衰死の臨床診断が低下したことによると指摘しており 2)、また、植村も診断技術の進歩が引き起こしたものである 3)と指摘しています。このように近年の診断技術の進歩に伴い、老衰死亡率は著明に減少してきたと考えられます。それでは、近年の老衰死亡率の増加傾向は何を意味しているのでしょうか。これは、年齢調整死亡率がさほど増加していないことから考えても、超高齢者の死亡者数増加に伴い、相対的に老衰死亡者数が増加していることが主な理由であると考えられます。しかし、年齢調整死亡率も近年微増していることから、日本人の死生観等の変化も関連している可能性があるかもしれません。つまり、現在・未来における老衰死は、以前のように“診断がつかなかったためにつけられていた老衰死"という側面は弱まり、超高齢者の死亡者数増加に伴う“超高齢社会・多死社会における老衰死"であるといえるでしょう。実際に、現在老衰は死因の第 3 位となっています 4)。
しかも、超高齢の死亡数増加に伴い、今後も老衰死は増加することが予測されています 5)。また、図 2 の老衰死亡者の死亡場所が示すように、さまざまな臨床の場で老衰に遭遇する機会があるといえます。老衰の看取りをどのように行っていくのかはこれからの医療・介護の現場において非常に重要な問題であるといえるのではないでしょうか。
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最終更新:2026年07月17日 00時00分








