ホームニュースCurrent topics - プライマリ・ケア実践誌医療の質と安全/DXによる医療安全・質改善/DX基礎編
ニュース
Current topics - プライマリ・ケア実践誌
医療の質と安全/DXによる医療安全・質改善/DX基礎編
前回の原稿では標準化の話から医療における Digital Transformation(DX)について触れたが、このコロナ禍にて医療におけるデジタル技術導入や現場業務への組み込みが大きく進んでいる。
診療自体にもオンライン診療が出現し、行政との接点は G-MIS や HER-SYS(手作業的な負担が重く、デジタルとはいいがたいかもしれないが)になり、マイナンバーカード導入、画像検査には AI 診断アプリケーション、患者モニタリング等で非接触的診療ツールやバイタルセンサーなどさまざまな技術導入が図られた。診療現場のみならず、地域医療機関との連携会議や、研究会・学会などの活動においても、オンライン会議が浸透したため、我々医療者の体験自体も大きく変化した。
これまでデジタル技術は業務効率化の観点で語られてきたが、今後は明らかに医療安全・質改善、患者満足度に影響していくものであり、改めて医療 DX について考えてみたい。
診療自体にもオンライン診療が出現し、行政との接点は G-MIS や HER-SYS(手作業的な負担が重く、デジタルとはいいがたいかもしれないが)になり、マイナンバーカード導入、画像検査には AI 診断アプリケーション、患者モニタリング等で非接触的診療ツールやバイタルセンサーなどさまざまな技術導入が図られた。診療現場のみならず、地域医療機関との連携会議や、研究会・学会などの活動においても、オンライン会議が浸透したため、我々医療者の体験自体も大きく変化した。
これまでデジタル技術は業務効率化の観点で語られてきたが、今後は明らかに医療安全・質改善、患者満足度に影響していくものであり、改めて医療 DX について考えてみたい。
Digital Transformation とは
本稿で初めて DX に触れたのは 2021 年 1 月である。その際に 2018 年に策定された経済産業省の DX レポートを引用したが、実は現在、DX レポート 2.2 という 4 回目のバージョンアップがされており、未だ日本国内における DX の定義は確立されていない。2018年のレポートタイトルは「DX レポート IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開」とされており、主に既存の IT システムやデジタル推進を継続していると 2025 年に大きな問題が発生するので、それまでにIT 投資を刷新して新しいシステムや業務に変えていきましょう、という危機感を煽るレポートであった 1)。多くの企業は IT 投資の文脈を、「既存のシステムが悪い」ということは「既存の業務や働き方がシステムに依存するので IT システムを変えなくてはならない」、「DX とは IT・デジタルを導入して古い業務体制を変えること」、と誤った解釈をしてしまったと捉えられている。そこでレポート 2 では表 1 に示した DX の定義となっており、「社会変化にデジタルで対応する」、「IT システムだけではなく企業文化を変えること」に強く主眼をおいている 2)。企業の行動が変化すると、その先にいる顧客や一般市民の行動も変化していく。彼らの行動が変化するには、サービスから受ける印象、利便性、購買意欲も伴うので、顧客体験の変化と評される。
皆さんも具体的に体験の変化を感じませんか? Netflix によって TSUTAYA でレンタルビデオを借りる機会がなくなった。医学論文を雑誌からコピーしてファイルに保管せずに、iPad で完結するようになった。医学書を書店で買わずにすべて Amazon で購入することになった。これらも新しいデジタル技術や IT によって生まれたサービスであり、既存の文化では生まれてこなかったアイデアかもしれない。
皆さんも具体的に体験の変化を感じませんか? Netflix によって TSUTAYA でレンタルビデオを借りる機会がなくなった。医学論文を雑誌からコピーしてファイルに保管せずに、iPad で完結するようになった。医学書を書店で買わずにすべて Amazon で購入することになった。これらも新しいデジタル技術や IT によって生まれたサービスであり、既存の文化では生まれてこなかったアイデアかもしれない。
ここから先は
日本プライマリ・ケア連合学会の
会員記事です
最終更新:2026年08月05日 00時00分








