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プライマリ・ケア Field LIVE!

日本プライマリ・ケア連合学会 北海道ブロック支部長インタビュー

日本プライマリ・ケア連合学会の北海道から九州まで、8つの地域で活動するブロック支部。
今回、『プライマリ・ケアFieldLive!』の特別編として、各ブロック支部の取り組みや活動についてご紹介する本企画。今回はブロック支部で唯一の1ブロック1都道府県で組織される<北海道ブロック>の支部長、木佐健悟先生にお話を伺いました。
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    北海道ブロック支部長 木佐健悟 先生

地域に根ざした多職種連携を通して、広大な大地を一つの「和」でつなぎます。

「1ブロック1都道府県」という独自性。広大な北海道ゆえの課題と小回りの利く組織運営の両立。

― まず、現在の北海道ブロック支部の組織体制と特徴について教えてください。

北海道ブロックの最大の特徴は、全国のブロックの中で唯一「1ブロック1都道府県」で構成されている点にあります。現在(2026年5月)、会員数は639名に達していますが、他のブロックのように複数の県をまたがないため、組織としての意思決定が非常にスムーズなのが強みですね。15名の幹事による幹事会で支部の方向性をスピーディーに決めることができます。また、北海道ブロックから必ず1名理事が選出される仕組みになっており、私自身が理事として学会本部とのパイプ役を務めながら、県支部の役割とブロック支部の役割を併せ持った活動を展開しています。

― 広大な北海道ならではの難しさや、地域的な課題についてはどのようにお考えでしょうか?

やはり「距離」の問題は常に意識しています。北海道は極めて広大で、交通の要所である札幌に人が集まりやすい一方で、札幌から車で3〜4時間かかる地域も珍しくありません。そのためどうしても企画が札幌中心になりがちなのですが、地方の会員や非会員の方が置き去りにならないよう、いかに裾野を広げるかが課題です。実際、地方の現場では、2次医療機関まで2時間、あるいはそれ以上かけて搬送するのが当たり前という過酷な環境もあります。しかし、だからこそブロック内でバックグラウンドを共有している強みが生きます。「あそこなら2時間かかるよね」という共通認識があるからこそ、例えば、具体的な搬送の工夫や地域連携について、全国規模の学会よりも一歩踏み込んだ、血の通ったディスカッションが可能になります。

― 組織運営においては、どのような点に心を砕いていますか?

『情報のアーカイブ化』と、『誰もが参加しやすい雰囲気作り』です。支部の活動記録が埋もれないよう、ニュースレターの発行には特に力を入れており、舞台裏の紹介や各行事の報告を詳細に残すようにしています。また、現在はコロナ禍での運営効率化によって蓄えた資金を還元し、地方会への参加費を無料にしています。これにより、会員だけでなく「プライマリ・ケアに興味はあるけれど、まだ一歩踏み出せない」という非会員の方も気軽に誘える環境を整えています。物理的な距離はあっても、心理的な距離はどこよりも近い支部でありたいと考えています。

薬剤師・看護師が主役となる「多職種連携」。北海道だからこそ当たり前にある、職種の枠を超えた信頼関係。

― 活動を拝見すると、多職種連携が非常に活発であるという印象を強く受けます。

私自身はそれが「当たり前のこと」だと考えていますが、多職種の方々に積極的に運営に携わっていただいているのは、北海道の大きな特徴かもしれません。現在、支部には医師だけでなく薬剤師が66名、看護師(保健師含む)が63名登録されており、それぞれ全体の約1割を占める重要な戦力となっています。私たちは早い段階から支部に「薬剤師部会」と「看護師部会」を設置し、単なる交流に留まらない実務レベルでの連携を模索してきました。例えば、看護師部会では「看護師がつなぐ地域・多職種・未来」を掲げ、所属を越えて支え合うネットワークを構築していますし、薬剤師部会も2ヶ月に一度のオンライン定例会を自主的に開催しています。

― 【看護師部会】

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― 【薬剤師部会】

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― 直近の第12回北海道地方会では、薬剤師の方が実行委員長を務められたと伺いました。

はい、今回の地方会では初めて薬剤師の田村英俊さんに実行委員長をお願いしました。これは「幹事が持ち回りで実行委員長を担う」という当支部の申合せに基づくものですが、薬剤師の視点が入ることで、プログラムにも新鮮な色が加わりました。今回のテーマは「多職種で取り組む患者協働 ~Patient Engagement~」でしたが、医師、看護師、薬剤師、リハビリ職、ソーシャルワーカーなどの多職種はもちろん、患者とともに一丸となって北海道のプライマリ・ケアを考える場になりました。
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    北海道地方会ではじめて薬剤師として実行委員長を務めた田村英俊さん
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    多職種な実行委員のみなさん

― 医師以外の職種がこれほど自律的に活動できる背景には、何があるのでしょうか?

学会本部だと規模が大きすぎて気後れしてしまうかもしれませんが、ブロック支部という「手頃な距離感」であれば、互いの顔が見える中で自分の役割を見出しやすいのだと思います。私たちは、医師特有の企画だけでなく、多職種が共に学び、ディスカッションする過程を大切にしています。実行委員会で「今、現場で何を学びたいか」を職種の壁なく議論し、そこで出たニーズを翌年のプログラムに反映させていく。こうした地道な積み重ねが北海道特有の「特定の職種に偏らない、フラットな連携」を育んできたのだと自負しています。

次世代を担う若手医師・学生への手厚い支援。2027年帯広開催へ向けた、新たな地域展開への挑戦。

― 将来のプライマリ・ケアを担う若手医師や学生への支援についても取り組まれていますね。

若手の育成は、地域の医療を守り続けるために最も重要なミッションです。北海道ブロックでは、道庁からの強力なバックサポートをいただき、総合診療医の育成を目的とした補助金を活用しています。この予算を使い、道内3つの医科大学(北大、札幌医大、旭川医大)の学生さんたちに総合診療・家庭医療を知ってもらうための学習会を開催したり、遠隔地への実習に伴う旅費の補助を行ったりしています。
また、「若手医師学生支援委員会」には興味のある学生さん自身にも入ってもらい、彼らが本当に求めている情報は何かを直接吸い上げ、セミナー企画などに反映させています。
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    若手医師学生委員会 講演会
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    若手医師学生委員会 新専攻医オリエンテーション

― 研修プログラムのサポートや、学びの場の提供についてはどのような工夫をされていますか?

専門研修中の専攻医向けには、ポートフォリオ検討会や発表会を定期的に開催しています。北海道内には30以上の専門研修プログラムがありますが、指導医や同期が少ない、いわゆる「発展途上プログラム」で学ぶ専攻医もいます。そうした孤立しがちな環境にいる若手をブロック全体でアシストし、どこにいても質の高い学びが得られる体制を整えています。また、年に2回、中堅・ベテランも含む全世代を対象とした「地方会」と、若手をメインターゲットにした「プライマリ・ケアフォーラム」を使い分けることで幅広いニーズに応えるようにしています。

― 今後のビジョンや、新たにチャレンジしたいことについてお聞かせください。

今後は「札幌中心」からの脱却をさらに進めていきたいと考えています。実は、2027年の地方会を帯広で開催することが決定しました。かつて名寄などの地方でミニ地方会を開催したこともありましたが、コロナ禍で中断していました。今回の地方会を機に、札幌以外の地方での活動も再開します。地方で開催することで、その近隣の先生方が気軽に参加でき、そこから新たな仲間が増えていくことを期待しています。私たちの目標は、単に会員数を増やすことではなく、北海道で頑張る医療者が「このコミュニティに入って良かった」と実感できる場を提供し続けることです。

― 最後に、読者の皆様へメッセージをお願いします。

プライマリ・ケアは、地域の皆様に最も身近な医療であり、北海道のような広大な地域ではその重要性は増すばかりです。当ブロック支部は、決して敷居の高い組織ではありません。会員・非会員を問わず、また職種を問わず、北海道の医療を良くしたいという熱意を持つすべての人に開かれています。ニュースレターやホームページを通じて私たちの活動を知っていただき、ぜひ一度、私たちの温かいネットワークに触れてみてください。共に学び、支え合いながら、次の時代の北海道の医療を一緒につくっていきましょう。

― 北海道ブロック支部 ホームページもご覧ください

最終更新:2026年07月15日 12時46分

「プライマリ・ケア公式WEB」 

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