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プライマリ・ケア Field LIVE!
日本プライマリ・ケア連合学会九州ブロック支部長インタビュー
日本プライマリ・ケア連合学会の北海道から九州まで、8つの地域で活動するブロック支部。
今回、『プライマリ・ケアFieldLive!』の特別編として、各ブロック支部の取り組みや活動についてご紹介する本企画。今回は九州7県と沖縄で組織される<九州ブロック>の支部長、瀬戸信二先生にお話を伺いました。
今回、『プライマリ・ケアFieldLive!』の特別編として、各ブロック支部の取り組みや活動についてご紹介する本企画。今回は九州7県と沖縄で組織される<九州ブロック>の支部長、瀬戸信二先生にお話を伺いました。
「九州はひとつ」の伝統を礎に、3つの理念で強固なネットワークを築いています。
歴史ある「九州はひとつ」の精神を継承。組織の連帯感を支える3つの柱。
― 九州ブロックの概要や特徴についてお聞かせください。
私たち九州ブロックは、九州7県に沖縄県を加えた8県という、日本でも有数の広大なエリアを担当しています。2026年2月時点での会員数は1603名にのぼり、その構成は医師が大多数を占めますが、歯科医師、薬剤師、看護師、さらには保健師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士、事務職、そして学生会員まで非常にバラエティに富んだ多職種が集まっているのが最大の特徴です。組織の根底には、2013年の連合学会九州ブロック支部設立以前から「九州プライマリ・ケア学会」として独自に積み上げてきた非常に活発な活動の歴史があります。この「九州はひとつ」という熱い伝統を受け継ぎ、2014年に福岡で開催された第1回総会から現在に至るまで、各県持ち回りでの支部総会を一度も欠かすことなく継続しており、地域に根ざした強固な土壌が形成されています。
― 組織としての一体感を維持するために大切にされていることは何でしょうか?
私は3年前に支部長に就任して以来
「コンティニュイティ(継続性)」
「ラポール(信頼関係)」
「ダイバーシティ(多様性)」
という3つの理念を活動の柱に据えています。まず「コンティニュイティ」に関しては、先人たちが築き上げた「九州はひとつ」という伝統を継承することを最優先としています。その象徴的な取り組みとして、九州のプライマリ・ケアの発展に尽力された方を表彰する「九州プライマリ・ケア功労賞」という制度を設け、毎年支部総会の場で立派な盾を贈呈してその功績を称えています。また、支部の発展に多大な貢献をされた秦喜八郎前支部長をはじめとする諸先生方を「名誉会員」としてお迎えする制度も2022年に新設しました。こうした歴史への敬意が、組織の根底にある連帯感を支えているのだと感じています。
「コンティニュイティ(継続性)」
「ラポール(信頼関係)」
「ダイバーシティ(多様性)」
という3つの理念を活動の柱に据えています。まず「コンティニュイティ」に関しては、先人たちが築き上げた「九州はひとつ」という伝統を継承することを最優先としています。その象徴的な取り組みとして、九州のプライマリ・ケアの発展に尽力された方を表彰する「九州プライマリ・ケア功労賞」という制度を設け、毎年支部総会の場で立派な盾を贈呈してその功績を称えています。また、支部の発展に多大な貢献をされた秦喜八郎前支部長をはじめとする諸先生方を「名誉会員」としてお迎えする制度も2022年に新設しました。こうした歴史への敬意が、組織の根底にある連帯感を支えているのだと感じています。
― 各県支部との連携、つまり「ラポール」の構築についてはどのような工夫をされていますか?
九州の各県支部はそれぞれが非常に自律しており、独自に活発な活動を展開していますが、それらを横に繋ぐ情報共有と緊密な関係構築に力を入れています。具体的には、各県支部長との役員会や懇談会を年に2〜3回は開催し、顔の見える関係性を維持しています。また、組織運営の円滑化と本部との連携強化を目的にブロック副支部長を複数制とし、県支部長から1名、九州支部所属の理事から1名を選出することで現場の意見を吸い上げやすい体制を整えました。各県がそれぞれの課題に向き合いながらも、重要な局面では九州全体としてまとまる。この「個の確立と全体の融合」こそが私たちが目指すラポールの形です。一人のリーダーに負担を集中させず、多人数で支える組織運営が、結果として盤石な体制に繋がっています。
多様性が生む新たな活力。若手育成と多職種連携が切り拓く未来。
― 「ダイバーシティ」について、特に若手支援の面でどのような取り組みを進めておられますか?
多様性を推進する上でまず着手したのが、次世代を担う若手医師や学生の育成支援です。2022年度には「教育研修支援委員会」を新設し、本村和久先生に委員長をお願いして、若手向けの研修やイベントへの補助金制度を整えました。特に九州は医学生や看護学生の活動が伝統的に非常に活発で、彼らが自主的に開催する集会に対しても支部として積極的に財政的支援を行っています。大学の総合診療科との連携も深く、各県の支部長の約半数を大学の先生方が務めてくださっていることも、学生のうちからプライマリ・ケアに触れるタッチポイントを増やす大きな要因となっています。研修後に専門医へ流れてしまうという課題は依然としてありますが、選んだ若手を地域全体でバックアップし、見守り育てる風土を醸成していきたいと考えています。
― 多職種連携、特に医師以外の職種の参入状況や部会設立についてはいかがでしょうか?
医師以外の職種が主役になれる環境作りは、まさに今、私たちが最も力を入れている挑戦です。2025年には髙栁宏史先生を委員長とする「多職種協同委員会」を設立し、JPCA本部と共催で「プライマリ・ケア看護ワークショップ@熊本」を継続開催するなど、看護師への働きかけを強めています。さらに特筆すべきは、今年、支部内に「薬剤師部会」が正式に発足したことです。これは薬剤師の方々から「自分たちの部会を作ってほしい」という熱意ある要望書が出されたことで実現したもので、まさにボトムアップの形で多様性が具現化しました。今後はリハビリ専門職や管理栄養士など、他の職種でも同様の部会が立ち上がることを期待しており、それぞれの専門性が輝く場を広げていきたいと願っています。
― 多職種が参加することによる現場や組織へのメリットをどのように感じておられますか?
現場のニーズはすでに医師一人の手に負えるものではなく、多様な職種の視点が加わることでケアの質は劇的に向上します。支部においても、薬剤師や看護師の方々が主体となって活動し始めることで、組織全体に新しい活気が生まれています。例えば各県支部の総会では、非会員の方であっても演題発表を可能にしていますが、これが入り口となって入会し、多職種のネットワークに加わってくれるケースも非常に多いんです。医師だけの集まりではなく、現場で共に働く仲間たちが対等に学び、情報を共有できる場所であること。それが結果として会員一人ひとりのモチベーションを高め、九州全体の医療水準の底上げに寄与していると確信しています。
離島・地域課題への挑戦と市民に届く「プライマリ・ケア」を目指して
― 九州は離島も多く、地域医療の現場では特有の課題も多いかと思います。
おっしゃる通り、長崎や沖縄をはじめ、九州には多くの離島を抱える地域があり、そこでの医療提供体制の維持は極めて切実な課題です。私自身、長崎県支部長を務めていた際、離島の先生方に委員として参加していただき、現地の問題を直接話し合う場を設けてきました。現在も各県支部が中心となって離島医療のサポートを続けており、例えば沖縄県支部では、行政(県や市町村)と緊密に連携して地域課題を解決しようとする、非常に興味深い取り組みが行われています。広大な九州において、オンラインツールを活用した日々の情報共有と年に一度の対面での支部総会を組み合わせ、孤独になりがちな地域医療の現場を「信頼のネットワーク」で支えること。それが私たちの大きな役割です。
― 今後の展望として新たにチャレンジしたいことはありますか?
今後の大きな課題の一つは、一般市民の皆様への「プライマリ・ケア」や「総合診療」の認知度向上です。私自身、専門医の出身ということもあり、一般の方々にとってこれらの言葉がまだ身近な存在になっていないことを痛感しています。先日の学会総会でも議論された「19番目の専門医」としての立ち位置を確立するためにも、今後は一般向けの啓発イベントや、より門戸を開いた支部総会のあり方を模索していく必要があります。各県支部ではすでに離島での普及活動など独自の工夫がなされていますが、ブロック全体としても「何か困った時に、まず相談できるプロフェッショナルがいる」という安心感を地域住民に届けるための努力を強化していかなければなりません。
― 最後に、九州で活動する会員の皆様、これから加わろうとしている方々へメッセージをお願いします。
九州ブロックの最大の魅力は、歴史に裏打ちされた温かみのあるコミュニティと、そこから得られる実利的なネットワークです。私自身、支部長を務める中で九州中に信頼できる仲間が増え、患者さんの紹介や日常の相談がスムーズに行えるようになったことが大きな財産となっています。九州はひとつという精神のもと、若手も多職種も、そして行政や地域住民の皆様も巻き込みながら、より開かれた組織へと進化させていきたいと考えています。一人で抱え込まず、この強固なネットワークに加わることで自分自身の成長と地域への貢献を共に実感しましょう。皆様の積極的な参画が、九州の未来の医療を形作っていきます。
― 九州ブロック支部 ホームページもご覧ください
最終更新:2026年06月26日 19時40分


















