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理事長 草場先生の部屋

タスクシェア一考

タスクシエアの本質

3月にたまたま機会があって、政府の規制改革推進会議の医療・会議・感染症対策WGにて医療職のタスクシェアに関する見解を述べるように依頼があり発言した。当初依頼されたのは「訪問看護ステーションへの輸液、基本薬剤などの配備」、そして「薬剤師による患者宅での輸液の交換」というかなり具体的な事項に関するもので、適切な連携体制を看護と薬剤師、あるいは医師の間で事前に構築することで、特に問題なく実施できるのではないかと思えた。ただ、こうした個別的なテーマで妥協や容認があっても、他の職種からの恩恵的な許可にとどまり、タスクシェアの本質にはつながらないのではという感が強かった。

多職種によるプライマリ・ケアチームの具体的なあり方をもっと議論していきたい

日本プライマリ・ケア連合学会はその成り立ちからプライマリ・ケアの多職種連携の場であり、医師が主導はしているものの、プライマリ・ケア認定薬剤師、プライマリ・ケア認定看護師の育成、そして、看護師部会・薬剤支部会など医師以外の職種のネットワーク構築、更には、理事選挙におけるクオータ制度の導入で男女だけで無く、医師以外の職種の10%以上の理事選任を義務づけることとしているのはご存じの通りである。つまり、対等な連携によるタスクシェアは大前提という立場だ。とは言え、まだ多職種によるプライマリ・ケアチームの具体的なあり方を学会として提示するに至っていないのは事実であり、こうした国の会議でも打ち出すべきモデル構築が必要だと痛感している。
名古屋大会も含め、会員の皆さんとこうしたテーマでもっと議論していきたい。

最終更新:2023年04月03日 15時56分

「プライマリ・ケア公式WEB」 編集担当

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「プライマリ・ケア公式WEB」 編集担当

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