ホームスキルアップ総合医育成プログラム修了者インタビュー Vo.2 【医師】中塚尚子 先生

スキルアップ

総合医育成プログラム修了者インタビュー Vo.2 【医師】中塚尚子 先生

総合医育成プログラムにお申込みされた理由は何ですか?

(医学部卒業後)精神科医になりましたが、当時は臨床研修の制度もなく、すぐに精神科の医局に入局して精神科医一本でやってきて、40代からは文系の大学専任教員にもなりました。
50代後半になり、今後のことを考えるようになりました。大学を早期退職し、かねてから関心のあった、へき地医療をやってみたい、との思いはあったものの、コロナウィルス感染拡大の影響とともに、精神科しかやったことがないので、プライマリ・ケアの現場で自分自身役に立つのかと不安がとても大きかったのです。

そこで、母校(注)東京医科大学)の総合診療科に相談し、週一回、外来に出ながら、実際に患者さんを診て総合診療を勉強する機会を頂きました。でも、そこではじっくり学ぶ、というよりもプリセプターの先生に相談しながら目の前の患者さんになんとか対応するので精いっぱい。
(へき地医療に関する)テキストは豊富にありますが、一人でやるのは大変だし、やる気を維持するのも困難です。「もっとまとめて勉強したい」と思っている中、人づてではなく、インターネットで検索したところ、総合医育成プログラムを見つけました。

プログラムのキャッチコピーの「自信をもってプライマリ・ケアを実践できる医師になる」に惹かれましたね。わたしにぴったりとおもいました(笑)
わたしのようにプライマリ・ケアをやってみたいけど、やったことのない不安を抱えている人向けのプログラムだと思いました。
平日は大学教員としての勤務と精神科の臨床もあるため、勉強の時間を捻出するのは大変です。そのため土・日に受講できるこのプログラムは大変有意義に感じています。

実際に参加されての感想はいかがでしたか?

自分自身の専門分野以外はわからず、正直、単語一つわからないところから始めましたが、
いずれの講義においても講師の先生より初歩から教えていただきました。

先生の「プライマリ・ケアにおいて、適切に専門医につなげればよい」との言葉はとても有難かったです。
どの講義資料も素晴らしく、いまでも勤務先の穂別診療所でもファイルに保管して活用しています。

総合医育成プログラムでの学びは実際の現場でどのように期待されますか?

ノンテクニカルスキルコース*は受講した当初、実際に役立つかどうか正直、疑問でした。
ただ、大学の学科長を勤めていたとき、会議の進行、学科内のトラブルや仲裁に「コンフリクト・マネジメント」**が役立ちました。
問題解決するためにシステマティックに考えられており、とても新鮮でした。


*総合医育成プログラムでは、地域で活躍する総合医には、医学的知識・技術(テクニカルスキル) だけでなく、組織人としての技術(ノンテクニカルスキル)が求められます。
地域包括ケアシステムのリーダーを養成するという考え方に基づき、人と関わり、人を育て、組織をマネジメントするスキルを修得するコースとしてノンテクニカルスキルコースを設置しています。

**チーム医療における意見の葛藤や対立を「チャンス」ととらえ、双方が納得できるような合意形成を 導くための方法について学びます。

-ノンテクニカルコースで印象に残ったテーマはありましたか?

MBTI(性格タイプ別コミュニケーション)***はとても面白かったです。 
受講後、いろいろと考えることが多くなりました。MBTI認定ユーザー取得を考えたほどです(笑)。
自己分析のためでなく、他人の分析、とくに人生の後半期を迎えたシニア世代の心理を理解するのに役立つのではないのでしょうか。
まったく知らない領域でしたので、とても興味深かったです。

*** Myers-Briggs Type Indicatorの略称。ユングのタイプ論をもとにして開発された自己分析メソッドを活用した、 性格タイプ別コミュニケーションに関する研修。

受講をお考えの方へのメッセージをお願いします。

オンライン形式なので、講義は一方向だけのイメージがありました。
ですが、実際はグループ・ワークもあり、非常に有意義でした。

グループ・ワークをともにする受講生の方々は年齢や地域、そして専門といったバックグラウンドが毎回異なります。
このグループ・ワークはとてもサポーティブで、参加されている(その講義の)専門の先生が困っているほかの受講生に教えてくれるなどチーム内で助け合っています。
自分自身にとって未知のことを学習することはとかくハードルが高いと感じますが、とても温かい気持ちで学ぶことができました。ただ、レベルの高い学習内容なので、修了後も復習できる集いや場があると良いと思います。
普段自分にとって縁遠かった領域のお話を聞けるだけでも興味深いですが、それを「実際に使える」ことを主眼としているプログラムだと思います。
総合医育成プログラムの目標である「明日から、プライマリ・ケアの現場で一歩踏み出せるようになること」の通り、明日から使えるもの、得るものは多くあると思います。

プロフィール

中塚 尚子(なかつか なおこ) 先生
むかわ町国民健康保険穂別診療所

1960年札幌市生まれ。
東京医科大学卒業。精神科専門医。
立教大学現代心理学部教授を経て、2022年より北海道のむかわ町国民健康保険穂別診療所勤務。

総合医育成プログラム2021年度第3期申込、2023年5月に修了。


  • https://www.primarycare-japan.com/pics/news/news-478-1.jpg

総合医育成プログラムでは随時受講者を募集しています!

新型コロナウイルス感染拡大に伴い2021年からオンライン研修を中心とした形式で開催しております。
受講生は随時募集しております!

参加をご希望の方は、下記よりお申込みください。
​オンライン形式を中心とした研修に移行することで、全国どこからでも研修に参加できるようになりました。
是非、多くの皆様のご参加をお待ち申し上げます。

総合医育成プログラムの詳細や参加申込はこちらから!

【お問い合わせ先】
有限会社 あゆみコーポレーション内 日本プライマリ・ケア連合学会担当係
TEL:06-6449-7760/ FAX:06-6441-2055
E-mail:jpca@a-youme.jp

最終更新:2023年08月09日 13時11分

日本プライマリ・ケア連合学会 事務局

記事の投稿者

日本プライマリ・ケア連合学会 事務局

タイトルとURLをコピーする