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健康と社会を考える/なぜ、地域プライマリヘルスケアを焦点にオーストラリアで医学教育を学んだのか 学生時代〜初期研修医時代

はじめに

今、日本の医学教育の在り方がさまざまな面から見直されています。僕がなぜ、医学教育の道に進んだのか?そして、医学教育のなかでもなぜ、プライマリヘルスケアや地域医療に関係する分野を選んだのか?そして、どうしてオーストラリアにいくことに決めたのか? このように至った道のりを振り返ってみて、プライマリヘルスケアや総合診療、医学教育に興味がある若い人たちの参考になればと思っています。

意識低い系(?)が医師をめざす

そもそも僕は意識高い系の人間ではない…今でも自分ではそう思っている。意識高い系って(笑)?最近、医学生と話す機会が多く、彼らがいうに学生時代からいろいろな活動をしている学生を意識高い系とよぶらしい。そして、あのころ、大学で教鞭を取ることからは一番縁遠い人間であった…はず。海外の大学院にいったことにしても、渡豪する3年前にいきたいと思いたち、英語の勉強を一からはじめたくらいで、当時の英会話教室でのレベルは9段階の下から2段目であったことは、紛れもなく僕が英語ができなかった証拠の一つである。

なぜ、医者になりたいと思ったのだろう? 実は今でもその答えは見出せていない。ただ、小学校の卒業アルバムに注射器の絵とともに、医者かコックになりたいと書いてあったことを最近見つけた。当時、なぜだか医者になりたかった僕は、理由もないのにその思いだけをどんどん強くしていった。医者になるためには医学部にいかなくてはいけない、医学部にいくには進学校に入らなくてはいけない、進学校に入るためには今、勉強しなくてはいけない。きわめて普通なそんな単純な発想で僕は勉強し、まあまあ成績もよかった。ちょっと成績を鼻にかけ、周囲から嫌われ気味であっただろう(苦笑)僕は、中学校3年生の冬に見事に進学校に不合格になる。おそらく中学の同級生にはざまぁみろと思った同級生もいただろう。そして、そう思っている奴がいると思うとますます、受験の失敗を恥ずかしい気がして、高校時代は少なくとも表面上は意識低い系になった。そして、まったく本命ではないその高校(今となっては
出身高校をいうことで聴衆を惹きつけられるので、誇りであるのだが)に通い、当時の進路指導の先生に、うちの高校から国立医学部は10年に一人…さらにお前の成績ではそれは希望ではなくまったくの無謀だ(汗)といわれながらも、あきらめきれない僕は医学部入試にチャレンジ。高校3年生の3月、その日にやってきたのは春ではなく、誰の予想を裏切るわけでもない不合格の手紙であり、これらの挫折が今でもいまひとつ、自分に自信がもてない原因、なんだか、自分を卑下してしまう原因であろうと思う。
  • https://www.primarycare-japan.com/pics/news/news-560-1.jpg
    研修医時代の僕

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最終更新:2023年10月23日 17時07分

実践誌編集委員会

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