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理事長 草場先生の部屋

プライマリ・ケアにおけるAI利用

最近、ChatGPTに代表されるように、本格的な生成系AIの社会での活用が急速に進んでいます。ChatGPTを開発したOpenAIは実はテスラやスペースXの創業者であるイーロン・マスクがその設立を後押ししたことを最近知って驚くとともに、まさに彼が関わる電気自動車・民間宇宙ロケット・AIがこれからの人類の将来に大きな影響を与える三種の神器になるのだろうなと想像しています。テスラユーザーの私としてはちょっとワクワクするものもあります。
さて、我々プライマリ・ケアに携わる医師にとって、最も影響するのがAIであるのは皆さんも感じておられることと思います。私も実際にChatGPTを使用して「日本における家庭医療の発展に必要なことは?」と質問したときにAIが提示した解決策はなかなか妥当なもので驚いた記憶があります。今後、臨床診断や画像診断といった帰納法的に大量のデータから一定のルールを見出しやすい分野については、AIは我々の日々の業務にとって大きな助けになることが容易に予想されますし、逆に言うと受験勉強型の暗記して知識を放出するタイプの能力はもはやAIに叶わない時代がやって来ることも必然でしょう。
つまり、AI利用はプライマリ・ケアが持つ包括的な診療にとっては心強い知的パートナーとなり、我々が重視する継続的で関係性を重視した患者ケアに関しては、患者の健康観や人生を踏まえた個別的アプローチに人間としての自分を最大限活用する基盤になるのではと考えています。AIを恐れず、むしろその発展に対して積極的に関わることがプライマリ・ケアにとって重要でしょう。

プライマリ・ケアにおけるAI利用ガイドライン(仮称)

とは言え、発展途上の段階ではWHOが警鐘するように、透明性、説明責任、公平性などの面で不適切なAIの利用も起こりえます。学会では近日中に<プライマリ・ケアにおけるAI利用ガイドライン(仮称)>を発出する予定です。
学会員の皆さんは是非ご覧になって、AI利用を考えていくヒントとして頂ければと思います。

JPCAはこの分野でも時代を切り開いていくつもりです。ご期待下さい。

  草場鉄周

2023年12月13日 「プライマリ・ケアにおけるAI利用ガイドライン」 公開

日本プライマリ・ケア連合学会として「プライマリ・ケアにおけるAI利用ガイドライン」を公開しました。
詳細については、以下よりご覧ください。

「プライマリ・ケアにおけるAI利用ガイドライン」公開
https://www.primarycare-japan.com/news-detail.php?nid=625

最終更新:2023年12月14日 15時33分

「プライマリ・ケア公式WEB」 編集担当

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「プライマリ・ケア公式WEB」 編集担当

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