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プライマリ・ケア現場で役立つ耳鼻咽喉科/耳疾患(基礎編)

要旨

耳は外耳、中耳、内耳に分類される。中耳の換気、排泄等に耳管は重要な役割を果たす。耳小骨はツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨の三つであり、耳小骨連鎖を形成している。鼓膜を観察する際は、外耳道をまっすぐにするために、耳介を牽引するのを忘れない。鼓膜は4象限に分けられ、前下象限は損傷したとしても比較的安全、後上象限は一番の危険部位である。難聴は主に伝音難聴と感音難聴に大別され、一般的には標準純音聴力検査にて検査するが、簡易的な聴力検査として音叉を使用したWeber検査やRinne検査がある。聴力検査には、語音明瞭度検査という聞き取り能力を調べる検査があり、老人性難聴では語音明瞭度の低下を認める。ティンパノメトリーは、中耳の伝音機能を知るうえで有用な他覚的検査であり、滲出性中耳炎の診療の際に役立つ。

はじめに

今回日本プライマリ・ケア連合学会の学術会誌で、耳鼻咽喉科分野を担当することになりました。筆者は耳鼻咽喉科で 5年研修を行ったあと、総合医へ転身し、現在は一般内科医として勤務しています。現在耳鼻咽喉科診療からは離れているのですが、一般内科医の視点からの耳鼻咽喉科診療ということで、学会では耳鼻咽喉科の友人と一緒に「生涯教育 Hans-onセミナー」を担当しています。今回の連載の目的は「プライマリ・ケアにかかわる医療者が、耳鼻咽喉科の知識をすこしずつ高める」&「耳鼻咽喉科医にとって気持ちのよい紹介・連携につなげる」です。この連載によって、耳鼻咽喉科以外の医師と耳鼻咽喉科医の連携が円滑に進むようになればたいへんうれしいです。
今後1年間で取り扱うテーマは耳疾患とし、今後の予定としては、
第1回耳疾患(基礎編)
第2回耳疾患(中耳炎を中心に)
第3回耳疾患のエマージェンシー
第4回耳垢・異物の取り方、その他の耳疾患等
としております。
今回は、第1回であり、耳疾患の基礎編として、耳の解剖と聴力、耳鼻咽喉科以外の医師でも可能な検査法を解説していきます。

耳の解剖

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最終更新:2024年02月20日 00時00分

実践誌編集委員会

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