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気候変動とプライマリ・ケア/「第1回」気候変動はプライマリ・ケアに身近な問題です

本連載では、日本プライマリ・ケア連合学会プラネタリーヘルスワーキンググループが、全3回にわたり「気候変動」をテーマとして取り上げます。近年、気候変動は危機的な状況を迎えつつあり、全世界的にその問題へ取り組む動きが加速しています。私たちがかかわる医療も実は気候変動と大きなかかわりがあります。この連載をきっかけに皆様に考えていただければうれしく思います。
Point
・地球温暖化による気候変動対策が全世界的に進められているが、温室効果ガスの主要な排出源の一つは医療である。
・温室効果ガス排出を減らすために、生活習慣の改善指導と質の高い医療の実施が重要である。
・気候変動による被害を減らすために、熱中症対策、要介護者等の入院予防、地域災害への支援などが求められる。

はじめに:気候変動と地球温暖化

気候変動とは、気温や気象パターンの長期的な変化を指し、近年では地球温暖化が世界的に深刻な環境問題となっています。化石燃料の使用による二酸化炭素(CO2)の増加が最も影響が大きいですが、そのほか、メタン、フロン、一酸化二窒素等も影響しています。2021年に発表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第六次評価報告書では、工業化前と比べ世界平均気温(2011〜2020年)は1.09°C上昇したと報告されています。そして、有効な対策をとらないと21世紀末の世界平均気温は約3.3〜5.7°C上昇する、21世紀半ばに実質CO2排出ゼロが実現する最善シナリオにおいても 2021〜2040年平均の気温上昇は1.5°Cに達する可能性がある、という試算が発表され、世界に衝撃を与えました。

世界と日本の気候変動対策

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最終更新:2024年01月27日 18時24分

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