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【特別企画】★動画でお届け★草場鉄周理事長に聞いてみた!若手時代のエピソードからプライマリ・ケアの未来まで!

会員数1万2000名を誇る、「日本プライマリ・ケア連合学会」の理事長、草場鉄周先生。今回、特別企画として、医学生や若手医師の疑問や草場理事長の知られざる医学生時代のお話、そしてプライマリ・ケアが今後どこへ向かうのかなど、家庭医の田中いつみ先生が若手医師代表としてインタビュー。

JPCA on YouTube 【特別企画】医学生・若手医師の疑問、理事長に全部聞いてみた

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草場理事長 プロフィール

日本プライマリ・ケア連合学会理事長
草場鉄周

1999年 京都大学医学部卒業
2001年 日鋼記念病院初期臨床研修修了
2003年 北海道家庭医療学センター家庭医療学専門医コース修了
2006年 北海道家庭医療学センター所長、本輪西サテライトクリニック所長
2008年 医療法人北海道家庭医療センターを設立、理事長に就任
2012年 日本プライマリ・ケア連合学会 副理事長
2019年 日本プライマリ・ケア連合学会 理事長に就任
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草場理事長のこれまでの歩みについて教えてください

よく遊びよく学んだ学生時代 ~当時の医学生として見た日本の医療~

医学生時代、毎年必ず海外旅行に出かけていたという草場理事長。
アジアやヨーロッパを巡ったり、アメリカにも2カ月間ほど滞在されたこともあったのだとか。

学生時代から総合診療に興味があったという草場先生。当時は大学病院や関連病院に見学することが多く、専門生が重んじられる、専門がなければ人にあらずといった空気感があったそう。そんな中でも、草場先生は心理的な問題を抱えている患者さんに対応できるようになりたい、その人自身の生活や家族を全体的に診られるようなお医者さんがいいなといった、漠然とした感じで将来を考えていたのだとか。
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    中央が草場理事長
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    ※後列右から3番目

家庭医療に出会ったきっかけ

総合内科と心療内科に興味があった医学生時代。いつか両方やればいいのかなと思っていたころ、大学のポリクリの実習の時にロッカールームの入り口に、「北海道家庭医療学センターでエクスターンシップやってます」という貼り紙を見つけた。

「なに?家庭医療って?」

当時ポリクリの実習班で一緒だった一瀬直日先生と「これ面白そうだよね」となり、6年生になる前の春休みに一瀬先生が「じゃ、僕先に行くね」と一足先に実習へ。帰ってきた一瀬先生の「すごくよかった!」の声におされ、「じゃ行くか!」と6年生の夏休みに北海道へ。
ここでの実習から草場先生が求めていた「総合内科的なもの」と「心も含めて診る」という家庭医療、もうこれをやるしかないと進むべき道が決まっていったのだそう。

北海道に留まった理由

北海道家庭医療学センターでの経験を経て、いつかは地元の福岡に戻るのかなと考えていた草場先生。しかし、北海道家庭医療学センターに学びに来てくれる研修医の先生はいるものの、指導医や教えられる人がいない現状に心を痛めていたのだそう。そこで、多くを学ばせてもらった恩返しとして、教育に携わり若い先生方を育てることに決めた。しかし、偶然が重なり、当時の医療法人の理事長西村先生から「草場君、理事長やらないか?」と突然声を掛けられ、驚きとともに悩んだ末、2006年に北海道家庭医療学センターの所長に就任。
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仲間を増やした北海道時代

北海道に留まることを決めた草場先生だが、多くの苦労もあったようだ。思っていた以上に若い先生方が北海道に残ってくれないこと、また当時は働き方改革などがなかった時代、深夜遅くまでカルテのチェックをしたり、昼夜問わず働く日々が続きそれがやりがいでもあったと語る。
その甲斐あって現在北海道家庭医療学センターは医師が75名在籍する組織に。

*動画では草場先生の意外な(⁉)余暇の過ごし方も動画ではご紹介しています。

今後、プライマリ・ケアはどこへ向かう?

先人たちの汗と涙の結晶が家庭医療専門医

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「現在は総合診療専門医があって、2階建てという意味で家庭医医療専門医という位置づけにあるが、そもそも本来の総合診療専門医のあるべき姿が家庭医療専門医だと思っている」と話す草場先生。これまで20年30年積み立ててきた先人たちの汗と涙の結晶が、今日の家庭医療専門医であり、むしろ総合診療専門医が家庭医医療専門医に近づいて欲しいという本音も。

総合診療をベースにしたそれぞれの専門家との連携は?

日本プライマリ・ケア学会は日本病院総合診療医学会や日本地域医療学会との連携は現在も行われていて、それぞれが目指す方向は変わらないが、どこに力点を置きたいかが少しずす違うと話す草場先生。ただ、総合診療専門医について今は日本専門医機構(専門医を認定する組織)が専門医の養成まで行っているものの、将来的には日本専門医機構から独立した形の組織を作って、学術団体が責任をもって自分たちの後輩を育成する総合診療専門医に変えていくフェースがそんなに遠くない将来来るのではないかと草場先生は予測する。

家庭医の将来に対する不安について

~大学等からのネガキャン、どう対応すればいい?~

今後ますますニーズが高まる総合診療医

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総合診療や家庭医医療専門医を目指すにあたり、大学等からのネガティブキャンを受けることも珍しくない。そういった事態に草場先生は「そういうことをおっしゃる先生方は、実は日本だけじゃなくて、海外でも同じようなことがよく起きていると聞きます」と語る。同時に、それらは普遍的に起きる対立ではあるものの、実際の現場ではジェネラリストがいないとスペシャリストも活躍できないと断言する。実際に現場に出ると、小さな診療所や地方の病院など、総合診療医を求めるニーズは高く、むしろその要請に応えきれないほどたという。また、そのニーズの高まりは厚生労働省の旗振りのもと総合診療医の育成を国の政策にも掲げているほど。「もしネガキャンを受けたら、『あ、この先生総合診療のことよく知らないんだな』と一旦受け流して、見学などを通じてリアルな現場で世の中からの期待の大きさを実感してみてください」と草場先生。

~家庭医って田舎でしか活躍できない?~

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都会であるほど求められる総合診療医・家庭医

都会にはたくさんの病院や診療所があるものの、だからこそ実は病院を漂流する患者さんが多いのだそう。そして、疾病ごとに診てもらう病院が違うゆえに見落とされてしまう思わぬ病気がたくさんあるとも話す。「都市部だからこそ、全体を見てくれるドクターを見つけておいて、必要に応じて専門医に診てもらうというのは、ものすごくメリットが多いと私は思います」と草場先生。また、様ざまな理由から通院ができなくなり、在宅医療のニーズも高まっているのも特徴で、そういった場面でも何でも診られる総合診療というのはとても役立つと話す。

日本医療の土台・屋台骨を担う総合診療

医学生や若手医師へメッセージ

医学の中で総合診療はまだきちんと認識されていない領域ではあるものの、プライマリ・ケア、総合診療の将来は日本医療の土台・屋台骨になると話す草場理事長。

「義務や責任感ではなく地域での患者さんとのやり取りや、色んな病気に関して勉強していくことなど楽しいと感じられることがプライマリ・ケアの魅力です。プライマリ・ケア総合診療の中で、自分の興味をみつけて、ずっとその関心を持続して頂きたい。そのためにも私たち学会としては全面的に医学生若手医師支援委員会という形でずっと応援していますので、またいつでも学会に来てください」。
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最終更新:2024年09月06日 11時15分

広報委員会(動画班)

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