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【開催報告】ワークショップ「取り残されがちな人々に関わる医療者の基本的態度:反抑圧的実践」【秋季セミナー】

2024年9月16日、第21回秋季生涯教育セミナーでワークショップ「取り残されがちな人々に関わる医療者の基本的態度:反抑圧的実践」を開催いたしました。

2024年のJPCA学術総会において、反抑圧的実践(Anti-Oppressive Practice: AOP)に関するシンポジウムを行いましたが、今回のセミナーでは、より実践面での議論を深めることを目的にワークショップを行いました。40人の方にご参加いただきました。

まず、AOPの基本的な知識について、佐野康太さんから説明がありました。抑圧とは何か、そして抑圧の構造について、自身の経験を踏まえつつ提示していただきました。医療者の特権性を意識し、変容的学習を行うことの必要性がよくわかりました。この説明を受け、サークルトークで参加者と、抑圧や陰性感情についての経験を共有しました。

次いで、安藤高志さんから横浜市寿町での診療で経験した事例を、弓野綾さんより在留外国人への診療についての事例を共有していただきました。医療者側からあれこれなされる提案をすべて拒否していた患者さんが、日々の生活について話を聞くようにしたことで、施しを与える医療者と施しを受ける患者という構造から脱することができたのではないか、という振り返りや、特権性と当事者性の二面性を有していることを自覚したうえで、アライとして活動していくことの確信を得たことなどが共有されました。

その後のサークルトークでは、目に見えない当事者性に気づくこと、スティグマを再生産しないように留意すべきといった意見がありました。

本ワークショップでは、参加者の心理的安全性を保ちつつ、このレクチャー自体が抑圧の構造を再生産しないように注意して運営を行いました。今後も、委員会の中でさらにAOPについての理解を深めて、皆様に共有する場を設けていきたいと思います。
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最終更新:2024年09月24日 22時18分

健康の社会的決定要因検討委員会

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