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理事長 草場先生の部屋

コロナ禍での高齢者診療のあり方

初夏の気持ち良い季節、皆さんも元気にお過ごしでしょうか? 
私も3年ぶりにGWは北海道内の支笏湖、ニセコの小旅行を家族と楽しみました。
2年以上の我慢を経ているためか、北海道の自然の素晴らしさを心から実感できました!
さて、報道などでご存じかもしれませんが、政府のコロナアドバイザリーボード(尾身会長)から要請を受け、コロナ禍での高齢者診療の在り方に関する提言を学会として表明いたしました。

 オミクロン株の流行により、デルタ株と比較して、比較的軽症で治癒する患者が増えてきていることは皆さんも実感されていると思います。そうした中、感染した高齢者の死亡原因の中にはコロナ以外の原疾患の増悪によるものが増えてきていることも明らかになってきました。また、軽症で入院した高齢患者が入院中に廃用が進み、寛解しても元の自宅や施設に戻ることができない事態も多く発生しています。

 そろそろ、通常医療では当たり前にしてきた高齢者診療の原則、つまり比較的身体状態が良ければ、住み慣れた自宅や施設での治療を優先すること、また入院になっても早期にリハビリを導入して、スムーズな退院につながる支援を行うことをコロナ患者にも積極的に導入すべきと考えています。また、感染前の健康状態がかなり落ちている場合は、コロナ感染によって死亡に至るリスクは非常に高くなるわけですが、そうした場合には本人や家族のACPを踏まえて、あえて入院を選択せず住み慣れた環境で最後を迎えるという選択もあり得るわけです。我々がプライマリ・ケアで日常的に実践してきた老年医学の原則を世にアピールすることができたと思っています。
幸いマスコミの反応も良く、様々な事例を紹介しながら国民の理解を促す報道も増えてきましたし、提言を受けて政府も高齢者施設での療養を選択する場合に往診などで支援可能な医療機関を増やすような取り組みを強化しています。そして、理事長としてはこの学会に直接声をかけて頂いたことも誇りに思っております。
これからも社会に貢献できる学会であり続けたいと思っています。
草場鉄周

最終更新:2022年05月14日 14時11分

「もっとプライマリ・ケア」 編集担当

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「もっとプライマリ・ケア」 編集担当

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