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理事長 草場先生の部屋

日韓台3カ国の交流から

新緑の気持ちの良い季節となってきました。猛暑が常態化しつつある日本列島では、暑くなる前のこの時期は本当に貴重だなと感じます。そしていよいよ今月は北海道で学術大会が開催されます。私も地元札幌の開催ということで、全国から多くの皆様をお迎えできることを心から楽しみにしております。

中華民國診所協會全國聯合會(Taiwan Medical Clinics Association)の方々が来日されました

さて、去る4月12日、台湾から東京へお客様をお迎えする機会がありました。台湾診療所協会という団体でして、診療所に関する医師会連合のような位置づけの組織でした。来日の目的は毎年実施している海外視察の一環で、日本の診療所医療をめぐる課題を共有して、良いところを学びたいということでした。台湾の在宅医療学会で懇意にしている先生からのお声かけでしたので、我々でよろしければと快諾した経緯があります。
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当日は半日の間、日本と台湾双方から医療制度の現状と課題、診療上運営での課題、在宅医療や災害に関する対応などを幅広くプレゼンし、自由に意見交換をするというスタイルでした。台湾の家庭医療制度は20年の歴史があり、包括的な健康管理や予防医療も含む診療がケアプランとして確立しており、台湾の住民の25%をカバーしている現状はうらやましさを感じました。ただ、医療費については政府による総額管理が徹底しており、一定の地域単位で医療費総額が増加するとその地域の点数あたりの診療報酬が減額されるという仕組みがあり、高額医療が提供されやすい都市部では経営が厳しいようです。医療費増大は日本でも大きなテーマとしていつも議論になりますが、こうした隣国の実践なども参考にして日本なりの解決策を議論することが必要だと思います。

JPCA2025 学術大会(札幌)で、日韓台3カ国シンポジウムを開催

前回報告した韓国でのWONCA大会開催も含めて、最も身近な韓国・台湾という国々とは医療環境も近く、互いに学び会うことが多い事を実感することができました。札幌での学術大会でも日韓台3カ国シンポジウムが開催されます。ぜひ、ご参加頂き、両国の魅力的な発表から刺激を受けてみて下さい。


草場鉄周

最終更新:2025年06月02日 17時06分

「プライマリ・ケア公式WEB」 編集担当

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「プライマリ・ケア公式WEB」 編集担当

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