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理事長 草場先生の部屋

新年、地元室蘭の動きから考えること

新年あけましておめでとうございます。

令和8年、2026年も幕を開けましたが、いかがお過ごしでしょうか。
私は年末年始は自宅を隅々まで大掃除をしつつ、録りためたビデオや積んでいる本に光を当てる心地よい時間を過ごせました。

 さて、昨年末に個人的には驚きの出来事がありました。医学部卒業後に臨床研修を行った室蘭の日鋼記念病院が徳州会グループの傘下に入ったことです。徳州会グループ自体には学生の時に湘南鎌倉病院で学んだり、札幌では札幌東徳州会病院などと臨床面で連携させて頂いており何ら違和感はないのですが、グループ入りをするプロセスが意外でした。

 実はここ10年ぐらい、室蘭では3つの総合病院が競合しており、急速な人口減少の中で共倒れするリスクが高まりつつあることを肌で実感していました。おそらく日本の多くの地方都市で見受けられる現象でしょう。ここ数年でようやく高度急性期を一つの病院に集約し、残りの二つの病院が亜急性期・慢性期の診療に特化する方向で議論がまとまりつつあり、室蘭で診療所を営む者として「落ち着くべき所に落ち着くな」と胸をなで下ろしていたところでの今回の動きでした。統合の対象だった自治体病院の経営悪化が顕著で、日鋼記念病院としては統合後の将来が描けないという危機感が強く、より経営的な安定性のある方針を選んだようです。

 人口動態および医療の構造的な変化が医療機関の運営に大きな影響を与える中、こうした大胆な展開が日本中で起きることを感じさせる今回の出来事は、プライマリ・ケアを各地で強化する必要性を強く感じる機会となりました。専門医療の提供体制が様々な事情でどう変化しようと、コモンディジーズにしっかり対応できる医療機関が身近にあって揺るがないことが住民の健康維持に欠かせません。

 医療界が大きく揺れるこの時代にも学会は地域の医療を支える会員の皆様のお役に立てるよう、様々な事業を進めて参ります。本年もどうかよろしくお願いいたします。

草場鉄周

最終更新:2026年01月05日 12時08分

「プライマリ・ケア公式WEB」 

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