ホームニュースプライマリ・ケア Field LIVE!vol.54/ 「これからも、ずっと総合診療の道を進んでいく」 【専攻医】 藪本昂平(やぶもと こうへい)先生
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vol.54/ 「これからも、ずっと総合診療の道を進んでいく」 【専攻医】 藪本昂平(やぶもと こうへい)先生
今回インタビューに応じていただいた藪本先生は幼少の頃からサッカーを続けてきたスポーツマン。
その関係からプライマリ・ケア・スポーツ医学に興味を持ち、総合医療の道を選んだ方です。
その藪本先生に医師を目指した動機や研修医時代の思い出、将来についてなど様々にお話をうかがいました。
その関係からプライマリ・ケア・スポーツ医学に興味を持ち、総合医療の道を選んだ方です。
その藪本先生に医師を目指した動機や研修医時代の思い出、将来についてなど様々にお話をうかがいました。
医学部に入る前から知っていた「総合診療」
― 先生が医師になりたいと思ったきっかけから教えていただけますか?
私が小学生の時にインドネシアで「スマトラ島沖地震」が起きました(2004年12月)。
自分では記憶がなく、これは親から聞いたことですが、そのニュースを家族で見ている時に被災した人たちを助けている医師の姿に感銘を受けて「僕も医者になりたい」と言ったらしいです。
自分では覚えてないにしても、最初のきっかけとしては、そのスマトラ島沖地震があったと言えます。
あと、私は中学受験をしたのですが、進学したその学校に医師を目指す同級生がたくさんいて、自然に将来は医学部に行くと思うようになったこともひとつのきっかけとしてあげられます。
明確に医師になろうと決めたのは、大学受験の時でした。父親が学校の先生であり、その影響で学校の先生になりたいとの思いもあったので、教師か医師かで真剣に悩みました。考えた結果、人を直接助けるという点に魅力を感じて医師になることにしました。
自分では記憶がなく、これは親から聞いたことですが、そのニュースを家族で見ている時に被災した人たちを助けている医師の姿に感銘を受けて「僕も医者になりたい」と言ったらしいです。
自分では覚えてないにしても、最初のきっかけとしては、そのスマトラ島沖地震があったと言えます。
あと、私は中学受験をしたのですが、進学したその学校に医師を目指す同級生がたくさんいて、自然に将来は医学部に行くと思うようになったこともひとつのきっかけとしてあげられます。
明確に医師になろうと決めたのは、大学受験の時でした。父親が学校の先生であり、その影響で学校の先生になりたいとの思いもあったので、教師か医師かで真剣に悩みました。考えた結果、人を直接助けるという点に魅力を感じて医師になることにしました。
― 「こんな医師になりたい」というイメージはおありでしたか?
私は大学には推薦枠で入ったのですが、このとき志望理由書というものを提出する必要がありました。
そこには将来進みたい診療科目を記入する欄があって、私が書いたのが「総合診療科」です。
その理由としては「へき地医療」に関わりたかったことと「プライマリ・ケア・スポーツ医学」に関心があったことがあげられます。私は幼稚園から小中高までサッカーに明け暮れていたということもあり、将来はスポーツに関わる医療に取り組みたいと漠然と考えていました。
そのタイミングでプライマリ・ケアスポーツ医学という分野があることを知り、自分が進む道はこれだと思いました。
当初は整形外科も選択肢の一つでしたが、へき地医療を視野に入れたとき、総合診療科しかないと思いました。総合診療科だったらへき地医療とスポーツを両立させることができるということです。
そこには将来進みたい診療科目を記入する欄があって、私が書いたのが「総合診療科」です。
その理由としては「へき地医療」に関わりたかったことと「プライマリ・ケア・スポーツ医学」に関心があったことがあげられます。私は幼稚園から小中高までサッカーに明け暮れていたということもあり、将来はスポーツに関わる医療に取り組みたいと漠然と考えていました。
そのタイミングでプライマリ・ケアスポーツ医学という分野があることを知り、自分が進む道はこれだと思いました。
当初は整形外科も選択肢の一つでしたが、へき地医療を視野に入れたとき、総合診療科しかないと思いました。総合診療科だったらへき地医療とスポーツを両立させることができるということです。
― 医学部に入る前から総合診療のことをご存知だったんですね。
そうなんです。どうやら、それが珍しいケースだということは医学部に入ってから知りました(笑)。
私の場合、家族や親戚に医療関係者がいなかったので、総合診療というものが近年認知されつつあるという、そもそもの知識もありませんでした。だから先入観なしにすんなりと受け入れることができて「この道に進もう」と思えたと言えます。
大学に入ってからも他の診療科目に目移りすることはありませんでした。大学でもサッカー部に入って部活が忙しかったことと目の前のテストを乗り切っていくことに精一杯だったからかもしれません。
とにかく自分の中では常に「総合診療」が第一の選択肢でした。
私の場合、家族や親戚に医療関係者がいなかったので、総合診療というものが近年認知されつつあるという、そもそもの知識もありませんでした。だから先入観なしにすんなりと受け入れることができて「この道に進もう」と思えたと言えます。
大学に入ってからも他の診療科目に目移りすることはありませんでした。大学でもサッカー部に入って部活が忙しかったことと目の前のテストを乗り切っていくことに精一杯だったからかもしれません。
とにかく自分の中では常に「総合診療」が第一の選択肢でした。
しっかりと温かく見守られる環境の中で成長
― 卒業後の初期研修先は南奈良総合医療センターです。ここを選ばれた理由は?
教育体制がしっかりしていることが第一の理由として挙げられます。
月に1回レジデントデイという業務から離れて勉強に集中できる日や、1〜2週間ごとに指導医と振り返りを行う機会が設けられています。また、プログラムも研修医が学びやすいように順番を考えていただき、個々の研修医に合わせたスケジュールを組んでいただける点もありがたいと思いました。
あとは見学に行った時の雰囲気の良さが決め手になったと思います。
月に1回レジデントデイという業務から離れて勉強に集中できる日や、1〜2週間ごとに指導医と振り返りを行う機会が設けられています。また、プログラムも研修医が学びやすいように順番を考えていただき、個々の研修医に合わせたスケジュールを組んでいただける点もありがたいと思いました。
あとは見学に行った時の雰囲気の良さが決め手になったと思います。
― 実際に研修を受けられてみていかがでしたか?
これは良い意味で使う言葉なのですが、「過保護」ではないかと思うくらいに手厚くフォローしていただけたという印象です。臨床研修は2年間やり遂げることが一番大切だと思っています。そこをきちんと乗り切るようにとしっかり見守っていただけたという思いが強いですね。
特に心のケアに対して対応してもらえた点が大きかったと思っています。研修医なら誰もが経験することでしょうが、研修期間中は楽しいことばかりだけではなく、辛いことも多々あります。そういう時に相談しやすい環境が整えられていたり、こちらから言い出す前に面談の機会を作っていただけたりした点は素晴らしかったと思っています。専攻医になった今でも何かあったらすぐに相談できるようにしてくれています。
特に心のケアに対して対応してもらえた点が大きかったと思っています。研修医なら誰もが経験することでしょうが、研修期間中は楽しいことばかりだけではなく、辛いことも多々あります。そういう時に相談しやすい環境が整えられていたり、こちらから言い出す前に面談の機会を作っていただけたりした点は素晴らしかったと思っています。専攻医になった今でも何かあったらすぐに相談できるようにしてくれています。
― その専攻医としての専門研修先も同じ南奈良総合医療センターを選ばれました。
実は初期研修先を決める段階で、南奈良総合医療センターで3年目以降の専門研修も受けたいと考えていたんです。
最初の2年間奈良県内の他の病院で研修を受けることも選択肢としてありましたが、進みたい道を実際に見ながら研修したいと思い初期研修からお世話になることにしました。
ちょうど専攻医になったタイミングで日本プライマリ・ケア連合学会に入りました。プライマリ・ケア・スポーツ医学に関しては日常の中で学ぶ機会は限られており学会でしか学べないことがあったり同じ志を持つ方々と出会えたりするので、学会に入会して良かったと思っています。
最初の2年間奈良県内の他の病院で研修を受けることも選択肢としてありましたが、進みたい道を実際に見ながら研修したいと思い初期研修からお世話になることにしました。
ちょうど専攻医になったタイミングで日本プライマリ・ケア連合学会に入りました。プライマリ・ケア・スポーツ医学に関しては日常の中で学ぶ機会は限られており学会でしか学べないことがあったり同じ志を持つ方々と出会えたりするので、学会に入会して良かったと思っています。
自身のサッカー経験も活かした医師へ
― 「プライマリ・ケア・スポーツ医学」とはどのようなものなのでしょうか?
プライマリ・ケア・スポーツ医学が対象とするのは、ジャンルを問わずスポーツをしているあらゆる年代の方々です。
プロの選手やアスリートもそうですが、一般の方々もケアの対象となります。
スポーツをしているといろんなアクシデントに見舞われます。例えば怪我をしたときの整形外科的な問題もあれば、メンタルヘルス的なこと、ドーピング、女性であれば月経関連のトラブルといったものもあげられます。
こうした様々な問題に対して適切なケアを提供していくのがプライマリ・ケア・スポーツ医学です。他にも運動療法によって生活習慣病にアプローチしていく運動処方というものもあります。
プロの選手やアスリートもそうですが、一般の方々もケアの対象となります。
スポーツをしているといろんなアクシデントに見舞われます。例えば怪我をしたときの整形外科的な問題もあれば、メンタルヘルス的なこと、ドーピング、女性であれば月経関連のトラブルといったものもあげられます。
こうした様々な問題に対して適切なケアを提供していくのがプライマリ・ケア・スポーツ医学です。他にも運動療法によって生活習慣病にアプローチしていく運動処方というものもあります。
― サッカーを続けてきた経験も活かせそうでしょうか?
私は今、普段の診療とは別にサッカーのJFLのチーム「飛鳥FC」の試合に帯同させてもらったり、J3のチーム「奈良クラブ」の会場ドクターをさせていただいたりしています。
プライマリ・ケア・スポーツ医学の中でも、特に私はアスリートと関わる仕事がしたいと思っているので、今は大変恵まれた状況にあると言えます。
今後も活動は続けていきたいですし、その中で自分が続けてきたサッカーの経験も何らかの形では活かせるのではないかと思っています。
もちろんチームの皆さんのサッカーと私のそれとではレベルが全然違うのですが(笑)。
プライマリ・ケア・スポーツ医学の中でも、特に私はアスリートと関わる仕事がしたいと思っているので、今は大変恵まれた状況にあると言えます。
今後も活動は続けていきたいですし、その中で自分が続けてきたサッカーの経験も何らかの形では活かせるのではないかと思っています。
もちろんチームの皆さんのサッカーと私のそれとではレベルが全然違うのですが(笑)。
― 今後の目標を教えていただけますか?
正直、やりたいことが多すぎてまとまっていないという感じです。
まずは今の病院で診療をさせていただいている救急・病棟・外来・在宅医療といった様々な現場で、ある程度のことができる技術と知識を身に付けたいと思っています。
また、総合診療専門医としての経験も積んでいきたいと考えています。
そうした普段の仕事の延長線上にへき地医療があると私はとらえているので、基礎をしっかりと固めた上で地域に立てる医師になりたいですね。
もちろん先ほど申しあげたスポーツ分野でも活動を続けたいと思っています。
今は専攻医として目の前のことに一つひとつ取り組みながら研鑽していきたいといったところです。
まずは今の病院で診療をさせていただいている救急・病棟・外来・在宅医療といった様々な現場で、ある程度のことができる技術と知識を身に付けたいと思っています。
また、総合診療専門医としての経験も積んでいきたいと考えています。
そうした普段の仕事の延長線上にへき地医療があると私はとらえているので、基礎をしっかりと固めた上で地域に立てる医師になりたいですね。
もちろん先ほど申しあげたスポーツ分野でも活動を続けたいと思っています。
今は専攻医として目の前のことに一つひとつ取り組みながら研鑽していきたいといったところです。
プロフィール
所属学会:
日本プライマリ・ケア連合学会、臨床スポーツ医学会、日本病院総合診療医学会、日本内科学会
経歴:
2022年3月 奈良県立医科大学医学部医学科卒業
2022年4月 南奈良総合医療センター入職
初期研修開始
2024年3月 初期研修終了
2024年4月 南奈良総合医療センター
総合診療専門研修開始
日本プライマリ・ケア連合学会、臨床スポーツ医学会、日本病院総合診療医学会、日本内科学会
経歴:
2022年3月 奈良県立医科大学医学部医学科卒業
2022年4月 南奈良総合医療センター入職
初期研修開始
2024年3月 初期研修終了
2024年4月 南奈良総合医療センター
総合診療専門研修開始
取材後記
先生はサッカーではずっとフォワードというポジションを任されていたとのことです。
フォワードの役割は試合において得点を奪うこと。チームメイトにとっては「頼りになる存在」ともいえます。
へき地医療の医師にはそのフォワードに通じるものがあると考えています。「(地域・チームから)信頼され、安心して任せられると思ってもらえることが大切という点で同じだと思うんです。そういう存在に私もなりたいですね」と藪本先生。
これまで脇目も振らずに総合診療の道を進んできた先生の今後の活躍に大いに期待したいところです!
フォワードの役割は試合において得点を奪うこと。チームメイトにとっては「頼りになる存在」ともいえます。
へき地医療の医師にはそのフォワードに通じるものがあると考えています。「(地域・チームから)信頼され、安心して任せられると思ってもらえることが大切という点で同じだと思うんです。そういう存在に私もなりたいですね」と藪本先生。
これまで脇目も振らずに総合診療の道を進んできた先生の今後の活躍に大いに期待したいところです!
最終更新:2025年09月03日 20時01分