ホームスキルアップ学会認定プライマリ・ケア看護師の会【開催報告】3月の雑談会

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学会認定プライマリ・ケア看護師の会

【開催報告】3月の雑談会

日本プライマリ・ケア連合学会認定プライマリ・ケア看護師支援部門では 、偶数月に 「雑談会」を開催し、様々な現場で活動している仲間と交流を図っています。
今回は「診療報酬システムについての情報共有」をテーマに、9人が参加して話し合いました。​ 
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​​診療報酬システムについて

【生活習慣病管理(Ⅱ)】​​の「療養計画書」はどのようにしていますか?​​

​​診療報酬にある「生活習慣病管理Ⅱ」の算定*について、実際には、どのように看護師が関わっているかについて、意見交換をおこないました。
 
​​*「生活習慣病管理Ⅱ」は、脂質異常症、高血圧、糖尿病などの生活習慣病を主病とする​​患者ごとに「療養計画書」が作成され、​​総合的な治療管理を目的とする管理料です。
2024年6月1日の診療報酬改定により、特定疾患療養管理料の対象疾患から生活習慣病を除外したことを受けて新設されました(2025年診療点数早見表より、一部抜粋) 。

​​・Aクリニック:医師の指示で、計画書に看護師や事務など漏れがないのか確認をして算定をしている。
・​​B病院:医師が診察室内で説明や計画書の作成をおこなっている。署名漏れ等があれば、看護師が補足説明をして患者さんに署名をもらうようにしている。システムでは、前日に事務が算定対象者のカルテにコメントを入れる等、事務で内容を確認している。​ 
・​​Cクリニック:医師が計画書の作成をおこない説明している。事務が算定するが、時々患者さんから何のための計画書か質問があったときには、看護師が丁寧に説明をするようにしている。​

​​医療材料の提供について​

病院から在宅への移行の場合、医療材料や算定はどのようにしていますか?​

​​クリニックで訪問同行している参加者から、病院から紹介された患者さんで、病院とクリニックの両方で診療をおこなう場合には、病院と同一の医療材料を​​提供する​​ことが算定上難しいことが共有されました。
このような場合に、どのように算定して提供しているかについて、それぞれの立場から意見交換をしました。

​​・クリニック看護師の意見:
患者さんが自宅に戻っても安全に治療を継続でき、安心して自宅で暮らせるように、「在宅で使用できる医療材料」や「物品の数」などをあらかじめルールを決めておく。
そのうえで、病院の退院支援看護師や訪問看護師と連携を図りながら、退院の準備を進めていくとよいのではないか​ 。

​​・訪問看護師の意見:
物品や衛生材料の使い方が大事だと感じている。
​どのように物品が提供されているのかを知ることで、より連携が図りやすくなり、過不足のない数の衛生材料を提供することができるのではないか。​

まとめ

​​診療報酬における「療養計画書」は、医師の医学的な判断の基で、私たち看護師が医師の業務をサポートする形で作成に関わることもあります。
多職種がそれぞれの専門性を活かして、生活習慣病をもつ患者さんのサポートをしていくことで、患者さんのより良い生活が維持できると考えています。​ 

​​診療報酬における「医療材料」の扱いは、在宅療養指導管理指導料に包括されたり、特定保険医療材料として別途算定できるなど、そのルールは複雑です。​ 
​​そのため、患者さんの状況や医療機関の体制によって​​算定要件が異なり、病院から在宅へ移行する際に、必ずしも同じ条件で物品を提供できるとは限りません。​ 
​​ 
​今回の意見交換を通して、様々な視点で助言や対応策を共有することができ、それぞれの医療機関でできることを実践していきたいと思いました。​ 
雑談会では、このような日々の実践を語り合い、新たに得た情報や知見を持ち帰って、自分の仲間との業務に活用できる機会にしていきたいと思います!


看護師部会 認定者の会支援部門  
公立森町病院 
三倉祐美子

最終更新:2025年04月23日 14時39分

看護師部会 広報活動支援部門

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