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プライマリ・ケア Field LIVE!
日本プライマリ・ケア連合学会 関東甲信越ブロック支部長インタビュー
日本プライマリ・ケア連合学会の北海道から九州まで、8つの地域で活動するブロック支部。
今回、『プライマリ・ケアFieldLive!』の特別編として、各ブロック支部の取り組みや活動についてご紹介する本企画。今回は会員数約4000人で組織される 関東甲信越ブロック支部長、大西弘高先生にお話を伺いました。
今回、『プライマリ・ケアFieldLive!』の特別編として、各ブロック支部の取り組みや活動についてご紹介する本企画。今回は会員数約4000人で組織される 関東甲信越ブロック支部長、大西弘高先生にお話を伺いました。
「より良いプライマリ・ケアとは何か」という議論が自然と生まれる環境の形成が重要です
地域をつなぐ、見えない土台作り
― まず、関東甲信越ブロック支部の規模や特徴を教えていただけますか?
1都9県からなるブロックで、会員数は約4000人です。これは小さな学会に匹敵するほどのスケールで、実は日本プライマリ・ケア連合学会のブロック支部の中でも最大規模になります。これだけの人数を抱えているからこそ、一枚岩で動くのはなかなか難しい。学会本体の活動と各都県の支部活動との間をどう埋めていくかがブロック支部に課せられた大きなテーマだと言えます。
また、関東甲信越には全国に通用するコンテンツを持つ先生方が多いので、地方会を開いてもオンラインで全国から参加者が集まってくることが少なくありません。地方会なのにほぼ全国規模の集まりになる、というのは他のブロックではなかなかない現象ではないでしょうか。その分、ブロック支部ならではの存在意義をどこに見出すかを常に問い続けています。
また、関東甲信越には全国に通用するコンテンツを持つ先生方が多いので、地方会を開いてもオンラインで全国から参加者が集まってくることが少なくありません。地方会なのにほぼ全国規模の集まりになる、というのは他のブロックではなかなかない現象ではないでしょうか。その分、ブロック支部ならではの存在意義をどこに見出すかを常に問い続けています。
― 先生が支部長に就任されたのはいつ頃で、当初はどのような状況でしたか?
就任は2018年からです。通常は2年1期で交代するのですが、複数の期間にわたって務める人間はそれまでいなかったので、まずは組織としての基盤整備を最優先にしました。就任後しばらくは各都県との関係を丁寧に整理し、ブロック支部として安定して機能できる土台を作ることに注力しました。その後、内容ある活動に本格的に入ろうとしたちょうどその時期にコロナ禍が来て、対面での活動が制限される時期もありました。それでもできる範囲で着実に積み上げてきたつもりです。
特に力を入れたのが、東京都支部の立て直しです。東京都支部は6〜7年ほど休止状態にあり、会員数が1400人ほどいながらほとんど機能していませんでした。原因をたどると、学会から各都道府県に分配される運営資金が東京のような大きな支部では事務局を維持するのに十分ではなかったことがわかりました。そこで、その構造的な問題を解きほぐすことから始めました。こうした取り組みは、外から見ても全く見えてこない地道な土台作りの部分です。
特に力を入れたのが、東京都支部の立て直しです。東京都支部は6〜7年ほど休止状態にあり、会員数が1400人ほどいながらほとんど機能していませんでした。原因をたどると、学会から各都道府県に分配される運営資金が東京のような大きな支部では事務局を維持するのに十分ではなかったことがわかりました。そこで、その構造的な問題を解きほぐすことから始めました。こうした取り組みは、外から見ても全く見えてこない地道な土台作りの部分です。
― 年間の主な活動の柱を教えてください。
大きくは、地方会の開催、専攻医・若手医師への支援、そして直接補助活動の三つです。直接補助活動というのは、都県を横断したメンバーによる活動や地域のプライマリ・ケアの発展に寄与する多職種活動に対して資金的な補助をする制度です。始めた当初はなかなか応募が集まらず、私から各方面にお声がけするところから始めました。昨年(2025年)は5件の応募があり、2件を選定しました。少しずつですが、制度として根付いてきている手応えがあります。
若手への支援については、専攻医向けのオリエンテーションやセミナーを定期的に開催しています。以前は年4回のペースで開いており、毎回30人ほどが参加していました。今年度も3回を実施しています。多職種の連携という観点では薬剤師部会と協力しながら取り組みを進めているほか、看護師部会の動きも少しずつ活発になってきています。
若手への支援については、専攻医向けのオリエンテーションやセミナーを定期的に開催しています。以前は年4回のペースで開いており、毎回30人ほどが参加していました。今年度も3回を実施しています。多職種の連携という観点では薬剤師部会と協力しながら取り組みを進めているほか、看護師部会の動きも少しずつ活発になってきています。
活動を支える 「仕組み」と「こだわり」
― 運営を安定させるうえで特に力を入れてきたことはありますか?
事務局体制の整備は、かなり大きなテーマでした。学会やブロック支部の活動は裏方の事務局がしっかりしていないと、どんなに良い企画を立てても動かせません。現在は、他の委員会でも日常的に連携している学術団体の事務局代行企業に委託しています。頻繁にやりとりをしている会社なので情報の共有がスムーズで、見落としも起きにくい。ニュースレターの取りまとめなど細かい業務も含めて対応してもらっていて、互いの事情を理解したうえでうまく回せています。お金の流れを含めた全体像を正確に把握し、透明性を確保することが安定した運営の前提です。そこが整ってから、ようやく内容に集中できるようになりました。
― 地方会の開催形式について、対面とオンラインをどのように考えていますか?
これはブロック支部長会議でも繰り返し議論になるテーマです。対面開催は会場確保や予算規模の面での難しさがある一方、オンライン開催はコロナ禍がひと段落してから、「オンライン疲れ」がみられる印象も出てきています。専攻医オリエンテーションも2020年以降オンラインを続けてきましたが、この1〜2年で参加者数が下がってきており、開催形式の影響も議論されています。
現在は、近畿ブロックが「1年おきに対面」という取り決めをされているのを参考に、同様の方針を採ろうかという話が出ています。近畿は地方会に600〜700人が集まることもある活発なブロックで、良い事例として参考にさせてもらっています。
多職種がテーマになる場合、看護師や薬剤師の方々には仲間と直接顔を合わせることで生まれる連帯感を求めていらっしゃる方も少なくありません。世代によっても職種によっても求めるものが違うので、時代の雰囲気を読みながら、その都度判断していくしかないと思っています。
現在は、近畿ブロックが「1年おきに対面」という取り決めをされているのを参考に、同様の方針を採ろうかという話が出ています。近畿は地方会に600〜700人が集まることもある活発なブロックで、良い事例として参考にさせてもらっています。
多職種がテーマになる場合、看護師や薬剤師の方々には仲間と直接顔を合わせることで生まれる連帯感を求めていらっしゃる方も少なくありません。世代によっても職種によっても求めるものが違うので、時代の雰囲気を読みながら、その都度判断していくしかないと思っています。
― 活動全体を通じて、特に大切にされていることはどんなことでしょう?
「若手重視」と「多職種を超えた繋がり」の二つを一貫して掲げています。その表れとして、副支部長とともに置いている幹事4名について、薬剤師部会1名・看護師部会1名・専攻医部会1名・専門研修支援委員1名という構成にしています。それぞれの立場からの声が自然に届く体制を意識した結果です。家庭医療専門医の方々は専門医を取得した後はそれぞれの地域での実践に力を注ぐようになるので、学会活動への関わりが薄くなることも理解できます。だからこそ、専門医になってすぐの若い方に積極的に関わっていただける形を作ることが大切だと思っています。今まさに、次の専門研修支援委員の若い先生に幹事として入っていただく話が進んでいるところです。
ブロック支部に関わることは、同じ志を持つ医師や多職種の仲間との人脈を広げる場でもあります。学会でキャリアを積んでいきたいという方にとっても地域での顔を広げる機会になる。参加する動機はそれぞれで構いません。さまざまな目的を持った人が集まることが、ブロック支部の活性化につながるのだと思っています。
ブロック支部に関わることは、同じ志を持つ医師や多職種の仲間との人脈を広げる場でもあります。学会でキャリアを積んでいきたいという方にとっても地域での顔を広げる機会になる。参加する動機はそれぞれで構いません。さまざまな目的を持った人が集まることが、ブロック支部の活性化につながるのだと思っています。
これからのブロック支部と次世代へのバトン
― 2〜3年後の近い将来に向けて、取り組みたいことや目標はありますか?
今一番考えているのは、いかに次世代へ引き継ぐかということです。私が2018年から続けてきた中で見えてきたのは、組織というのは「誰が担うか」だけでなく「どういう構造で動いているか」が本当に重要だということです。いつまでも特定の人間が担い続けることは健全ではありませんし、私自身も引き継ぎを意識した動きに少しずつシフトしています。
後継者に求めるのは、特別なスキルや経歴よりも関わる人たちが「こういう形で続いていけばいいな」と思えるような雰囲気を作れる方であること。そして、学会全体の動きが見える立ち位置にいることが望ましいと思っています。関東甲信越においては、支部長は理事を兼ねる方が望ましいというのが私の考えです。学会全体の方針や動きを直接把握できていることがブロック支部を適切に導くうえで欠かせないからです。
後継者に求めるのは、特別なスキルや経歴よりも関わる人たちが「こういう形で続いていけばいいな」と思えるような雰囲気を作れる方であること。そして、学会全体の動きが見える立ち位置にいることが望ましいと思っています。関東甲信越においては、支部長は理事を兼ねる方が望ましいというのが私の考えです。学会全体の方針や動きを直接把握できていることがブロック支部を適切に導くうえで欠かせないからです。
― ブロック支部の組織としての将来像を、どのように描いていますか?
ブロック支部が何でも先導するのではなく、各都県の支部がそれぞれの地域で活性化していく姿が理想です。若手の育成にしても多職種連携にしても、同じ都道府県内であれば集まりやすく、地域の実情に即した活動が生まれやすい。関東甲信越は広大なエリアですから、ブロックが一括して動くより各都県が自律的に動ける方が実効性は高いと思っています。
「都県連絡委員会」
その考えのもとで取り組んでいるのが「都県連絡委員会」の活用です。これはおそらく関東甲信越ブロック支部に特有の構造で、ブロック支部の方向性を代議員総会で決定する前に各都県に事前に図る仕組みです。現在は藤沼(康樹)先生が委員長を引き受けてくださり、各都県の事情や悩みを気軽に話せる場として機能し始めています。それぞれの都県の力を引き出し、特色をより際立たせていく流れとして、とても良い方向に向かっていると感じています。
「都県連絡委員会」
その考えのもとで取り組んでいるのが「都県連絡委員会」の活用です。これはおそらく関東甲信越ブロック支部に特有の構造で、ブロック支部の方向性を代議員総会で決定する前に各都県に事前に図る仕組みです。現在は藤沼(康樹)先生が委員長を引き受けてくださり、各都県の事情や悩みを気軽に話せる場として機能し始めています。それぞれの都県の力を引き出し、特色をより際立たせていく流れとして、とても良い方向に向かっていると感じています。
― 最後に、関東甲信越ブロック支部の会員の皆さん、そして多職種の方々へメッセージをお願いします。
私が在籍している8年間で、関東甲信越ブロックは大きく変わりました。半数近くの都県で支部長が入れ替わり、世代が若返って「より良いプライマリ・ケアとは何か」という前向きな議論が自然と生まれる雰囲気になってきました。これまで以上に安心して活動できる土台が整ってきたという実感があります。活動の方針や内容は、私がいる限り大きくは変わりません。各都県がやりやすい環境を整え、それぞれの特色が生きる形で活動が広がっていくことを目指していきます。
多職種の方々に向けては「焦らずに、でも着実に」という思いをお伝えしたいですね。薬剤師部会はブロック支部との連携がかなり軌道に乗ってきており、看護師部会も少しずつ体制が整いつつあります。各地域でその職種ならではの活動が生まれ、職種を超えたつながりが育っていく。そういう流れが関東甲信越から広がっていくといいと思っています。いろんな方とつながることに魅力を感じてくださる方に、ぜひ積極的に関わっていただければと思います。
多職種の方々に向けては「焦らずに、でも着実に」という思いをお伝えしたいですね。薬剤師部会はブロック支部との連携がかなり軌道に乗ってきており、看護師部会も少しずつ体制が整いつつあります。各地域でその職種ならではの活動が生まれ、職種を超えたつながりが育っていく。そういう流れが関東甲信越から広がっていくといいと思っています。いろんな方とつながることに魅力を感じてくださる方に、ぜひ積極的に関わっていただければと思います。
― 関東甲信越ブロック支部 ホームページもご覧ください
最終更新:2026年06月10日 13時05分














