ホームニュースCurrent topics - プライマリ・ケア実践誌風邪に対する漢方薬の考え方、使い方⑥ —「熱」タイプの下痢は、あっつアツ !?—

ニュース

Current topics - プライマリ・ケア実践誌

風邪に対する漢方薬の考え方、使い方⑥ —「熱」タイプの下痢は、あっつアツ !?—

はじめに

前回は、ウイルス性腸炎においても「冷え」に着目して、「冷え」タイプの下痢の特徴と温めて治す漢方薬(真武湯、人参湯、大建中湯)を紹介した。今回は「熱」タイプの下痢に対する漢方治療を紹介する。「熱」タイプの下痢は、嘔吐や下痢が頻回で発熱を伴い、激しい症状のため患者の苦痛も大きい。救急外来などでは、補液や対症療法でなかなか症状が改善せず、帰宅までに長時間を要してしまう場合もある。激しい症状にこそ、即効性の期待できる漢方治療で早期の改善をめざしてほしい。

「熱」タイプの下痢の特徴

前回、下痢の性状や全身状態によって「熱」タイプの下痢と「冷え」タイプの下痢に分けられることを解説した(表1)。「冷え」タイプの下痢は、便臭が軽度で、肛門の灼熱感を伴わない。38°C以上の発熱はまれであり、倦怠感を伴うことが多い。一方、「熱」タイプの下痢では、下痢に伴って、しぶり腹、肛門の灼熱感がある。また、便臭が強いのが特徴である。「熱」タイプの下痢は、「冷え」タイプと比べ、生体とウイルスによる闘病反応が強い状態である。よって、発症後まもない時期に「数時間前から嘔吐と下痢が続いて、高熱もあります」、「下痢と嘔吐がひどいです」と外来に駆け込んで受診する症例が多い。
  • https://www.primarycare-japan.com/pics/news/news-643-1.jpg

ここから先は
日本プライマリ・ケア連合学会の
会員記事です

ログインして続きを読む

入会のご案内

最終更新:2024年02月27日 00時00分

実践誌編集委員会

記事の投稿者

実践誌編集委員会

タイトルとURLをコピーする