ホームニュース理事長 草場先生の部屋WONCAシンガポール
ニュース
理事長 草場先生の部屋
WONCAシンガポール
北海道は9月に入り、朝晩が大分過ごしやすくなって参りました。皆さんの地域はまだ暑い日が多いかと思いますが、いかがお過ごしでしょうか。
さて、今回は8/22~24に開催されたWONCA(世界家庭医機構)のAPR(アジア太平洋地域)学術大会inシンガポールについてご報告したいと思います。本大会はシンガポール家庭医療学会の設立50周年のタイミングであり、お祭りムードが漂っていました。開会式には厚生省の大臣が来賓として招かれ、簡単なスピーチと思いきや、シンガポールでのプライマリ・ケアの推進の実情と将来の展望についてじっくり語り、家庭医に対する強い期待とエールを送っていました。それに続く、基調講演では「Relationship as Tools for Change」と題して、プライマリ・ケアのコア概念となる関係性を文化的側面、機能的側面、技術的側面からどのように強化すべきか、特に組織の中では「なぜ?」という問いかけから分析するべきではないかという提言もあり、参加者に振り返りを促す素晴らしい内容でした。それ以外にも、プライマリ・ケアの文脈の中でAIをどう考えるべきかなど、この時代に即したテーマも多く、知的刺激を受けっぱなしの贅沢な3日間でした。
また、私はWONCA APRの財務担当役員を担っているため、8/20に各国の代表が一堂に集う役員会を主催する立場でして、この準備が大変でした。独自の事務局を持たないため、役員自ら細かな作業を全て担う必要があり、財務諸表の作成や謝金の支払いなど、普段事務方に任せている作業に忙殺される日々でした。国際活動は日本の常識が通じませんので疲れますが、良い勉強になるなと感じています。
さて、2025年は4/24~27の会期でWONCA APR学術大会は韓国・釜山で開催されます。(https://www.woncaap2025.org)お隣の国でアクセスも良いと思いますから、ぜひ日本からも多くの学会員の皆さんにご参加頂きたいと思います。今後もJPCAは国際活動を一層支援して参りますので、どうかご期待下さいませ。
草場鉄周
草場鉄周
最終更新:2024年09月03日 17時22分