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看護師対象 研修会・セミナー

【開催報告】プライマリ・ケア看護学 ワークショップ <選択領域編> in 熊本

2025年1月11日にプライマリ・ケア看護学ワークショップ<選択領域編>を熊本で開催しました。
看護師の他、医師、薬剤師も参加し、多職種が一緒に「発達障害」と「遺伝医療」について学びました。

発達障害児の困難の可視化と心理社会的支援

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    画像:大河内講師の講義の様子
熊本大学の大河内彩子講師より、「発達障害児への支援」というテーマで講義をしていただきました。

全国の市町村が実施主体となって乳幼児健診が行われていますが、市町村による要フォロー率に大きな差があり、発達障害は見落とされる可能性があります。
見落とされたまま成人した場合は、職場で不適応を起こしたり、ひきこもったりする例もあります。
大河内講師からは、気になる段階(早期)からの支援が重要であること、そのためにも病院や地域で日常的に出会う機会が多い医師や看護職等の気づきや連携が求められていることを学びました。

また、支援は対象の子どものみならず、親も含める必要があり、包括的な視点が必要であると感じました。
デンタルネグレクト(親や保護者が子どもの健全な成長に必要な歯科受診を意図的あるいは怠惰により行わないこと)や感覚過敏があることなどの話も興味深く、児の気になる行動ばかりに気を取られるのではなく、なぜそのような行動に至るかというところを理解した上で対応することが大切という内容はとても印象的でした。

グループワークでは、参加者各自が勤務先で提供できる支援や委ねるべき支援について、参加者がそれぞれの勤務先での経験を基に活発な意見交換をおこなうことができました。

神経難病において遺伝的課題を抱える人々への看護

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    画像:柊中講師の講義の様子
続いて、熊本大学の柊中智恵子講師より、遺伝についての基礎知識、疾患の説明から遺伝子やゲノム解読により期待される分野について講義をしていただきました。
告知や結婚や妊娠・出産の際の問題など、実際の相談について具体的な事例を交えながら説明がありました。
また、グループワークでは、患者や家族への寄り添い方について深く学ぶことができました。

遺伝医療にかかわる専門家は、全国的にとても少ないため、医療機関、保健所、難病相談支援センター、学校、地域等で相談に関わる人々が、遺伝性疾患の患者、家族の困りごとを、つなぐ・つなげる役割を果たすことが課題だと感じました。
少しでも目の前の対象者をつなぐ・つなげることができるようになるためにも、更に勉強を積み重ねていきたいと思いました。
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    グループワークの様子

看護学ワークショップ 熊本での初開催!

今回の看護学ワークショップは、日本プライマリ・ケア連合学会、九州ブロック支部、および熊本県支部の共催で開催しました。
参加者からは、
「とても内容が良く、他の看護師にも教えたい」
「新たに会員となって学会認定プライマリ・ケア看護師の資格取得を目指したい!」
などの声をいただき、今後九州ブロック、熊本県支部で、プライマリ・ケアを多職種で学び、発展させていく第一歩となりました。
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    参加者との記念撮影

日本プライマリ・ケア連合学会 九州ブロック支部より

この度、九州ブロック支部に多職種協働委員会を設立したことを一つの契機として、他地域に先駆け看護学ワークショップを九州ブロック支部総会の分科会として熊本で開催できたことは、とても喜ばしいことであり、また、誇りにも思っています。
開催にあたって多大なるご尽力をいただいた、当ブロックの多職種協働委員会、熊本県支部、さらにはプライマリ・ケア看護師認定委員会の皆様に、九州ブロック支部を代表して、深く深く感謝いたします。

今後、このワークショップの経験を基に、九州ブロック支部のみでなく、全国的にも、プライマリ・ケアに従事する多くの職種の方々との間に、プライマリ・ケアコミュニティの輪を広げ、ひいてはプライマリ・ケア連合学会の活動に参加していただき、その活動を更に活発化していければ(いきたい)と切望しております。

九州ブロック支部長
瀬戸信二

日本プライマリ・ケア連合学会 熊本県支部より

今回、熊本での看護学ワークショップを企画から携わり、そして無事に開催させていただきました。
もともと熊本は看護師の学会員が少ない地域であったため、プライマリ・ケア看護師認定委員会のご支援がなければ、講師の選定や広報においても難しかったと感じています。
また、九州ブロック支部からも、開催にあたって助成金や広報の面を含めてご支援をいただきました。
改めて、委員会の皆様、九州ブロック支部、講師の先生方、ならびに開催に助力いただいたすべての関係者の方々に厚く御礼申し上げます。

熊本で開催をすることで新たにプライマリ・ケアを志向する県内の看護師と出会うことができました。
おそらくこのワークショップがなければつながりを持つことはなかったと思います。
今後も今回の開催の経験を糧として、熊本県におけるプライマリ・ケアを志向する多職種のコミュニティをさらに発展できるように活動を継続していきたいと思います。

熊本県支部 副支部長
髙栁宏史

看護学ワークショップのご案内

看護学ワークショップは対面での研修の他に、WEBでの研修も実施しています。
多くの皆様の参加をお待ちしております!


看護師部会 教育研修運営部門

最終更新:2025年04月23日 14時54分

看護師部会 広報活動支援部門

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