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オンデマンド必見!JPCA2025 <がん代替医療をめぐるジレンマ:「正しさ」を超えた対話を模索する>開催報告

JPCA2025でシンポジウムを開催

がん診療に関するプライマリ・ケアワーキンググループです。
第16回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会で、シンポジウム22 <がん代替医療をめぐるジレンマ:「正しさ」を超えた対話を模索する> を開催しました。
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がん代替医療をめぐるもやもや

世の中にはがんに関する不確かな健康情報や高額な自由診療が蔓延しており、プライマリ・ケアの現場でも、がん患者から代替療法の相談を受けることがあります。正しい情報を提供し、医学的に適切な選択を促したい。一方で、患者の希望も大事にしたい。関係性の中で医療を行うプライマリ・ケア従事者だからこそこのようなジレンマに遭遇することがあるのではないでしょうか?

本企画では、がん専門医、プライマリ・ケア医、社会学者、当事者、様々な立場からの講演を通じてプライマリ・ケア従事者は患者とどう対話し、意思決定に関与していくかを考える機会としました。

各演者のご講演

がん薬物療法専門医+家庭医療専門医である瀬尾先生は、代替療法について概説した上で、プライマリ・ケアの現場でがん患者と向き合う中で感じるがん治療の現状や、プライマリ・ケア医ががん診療を学ぶ必要性について述べられました。

がん患者家族である轟様は、がん患者にとっての情報選択の難しさや、代替医療にすがってしまう心理についてご自身の経験を踏まえて述べられました。また社会的議論を巻き起こした高額療養費の引き上げを巡る国会での活動についてもお話しくださいました。

社会学・倫理学者である田代先生は、悪質な代替療法が蔓延る背景に、代替医療の科学化や医療者の加担があり、そこには患者の選択以前に社会の構造的な問題があることを指摘されました。

プライマリ・ケア医である尾藤先生は、がんだけでなく日常診療において私達がどのような規範にもとづいて善悪を判断しているのか、よくある事例を取り上げながら、内省することの重要性を伝えられました。
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白熱したディスカッション

講演後は、フロア、オンラインからの質問や演者同士の質問により活発な議論が行われました。1つの発言が次の発言を生みさらに議論が深まるとてもLIVE感のある刺激的な時間でした。

特に印象的だったのは、医療者や患者向けの教育に関する議論の中で轟様が述べられたがんになってもうろたえないよう患者教育するのではなく、「安心してうろたえさせてくれる世界」にしてほしい」という言葉でした。


内省や気付きを促してくれる深みのあるセッションになっていますので、当日参加されなかった方もオンデマンド配信で(ディスカッションも含めて)是非ご覧ください!
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最終更新:2025年07月27日 19時51分

がん診療に関するプライマリ・ケアWG

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