ホームニュース離島・へき地医療の現場vol.4/02「山間へき地の医療の現場」/ 岩国市立本郷診療所 【看護師】森川真粧美さん(訪問リポート編/前編)
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離島・へき地医療の現場
vol.4/02「山間へき地の医療の現場」/ 岩国市立本郷診療所 【看護師】森川真粧美さん(訪問リポート編/前編)
へき地の診療所について。
へき地の診療所と聞いて、皆さんはどのような景色を思い浮かべるでしょうか?日本プライマリ・ケア連合学会 島嶼およびへき地医療委員会ではこれまで、隠岐の島、利尻島など海で囲まれた離島、冬の山形県山間部で活躍する医師を紹介してきました。今回は海から離れた山あいのへき地にある診療所で活躍する看護師を訪問してまいりました。
へき地の診療所と聞いて、皆さんはどのような景色を思い浮かべるでしょうか?日本プライマリ・ケア連合学会 島嶼およびへき地医療委員会ではこれまで、隠岐の島、利尻島など海で囲まれた離島、冬の山形県山間部で活躍する医師を紹介してきました。今回は海から離れた山あいのへき地にある診療所で活躍する看護師を訪問してまいりました。
岩国市本郷村の地域の医療を守る、看護師/森川真粧美さんにお会いしてきました!(1日目)
- まずは、岩国市本郷村のご紹介
11月初旬、山口県岩国市の市街地から山に向かって車を走らせると、紅葉で色づき始めた谷間の景色が広がってきます。初秋から冬に掛けては、早朝は雲海に覆われる盆地に、岩国市本郷町が位置しています。地理的に県の西側に位置していますが、歴史的には遠く離れていますが、萩藩の直轄地で代官所が設置されで「三白(さんぱく)政策」と呼ばれる、米・塩・和紙で藩を支えた地域です。今でも山村留学生が漉いた和紙が小中学校の修業証書に使われているそうです。地区の周囲は険しい山に囲まれており、現在はトンネル結ばれていますが、かつては曲がりくねった険しい道をたどりながら峠を越えていたそうです。現在(R7年)の人口は約630人、高齢化率は65%を越え、高齢者の単独世帯も多い山間のへき地ですが、山村留学を受け入れるなどして小中学校が元気に残っています。地区から最寄りの入院施設まで約20分、岩国市内の医療機関まで約1時間です。本郷診療所は平成11(1999)年に開設されて、平成18(2006)年に本郷村と岩国市が合併後は、岩国市立の診療所として地域の医療を守っています。
今回密着したのは、診療所長の西村謙祐医師ともに地域医療を支えている、森川真粧美看護師です。
今回密着したのは、診療所長の西村謙祐医師ともに地域医療を支えている、森川真粧美看護師です。
- 休診日に地域の健康教室に参加
水曜日の朝に診療所に到着し、森川看護師の歓待をうけて診療所内にご案内いただいたのですが、受付窓口は閑散としていました。程なくして理由がわかりました。水曜日は休診日だったのです。診療日は、月曜日と火曜日の午後と木曜日と金曜日は午前と午後の診療を行っています。水曜日は休診日ですが森川看護師は出勤されていました。休診日の水曜日にもかかわらず訪問したのは地域に出て行く活動とへき地を繋ぐ活動を拝見するためでした。
挨拶の後、一通り診療所内をご案内いただいた後は外へと移動していきます。毎週水曜の午前中に地域の公民館で開催されている健康教室に参加するためです。プログラム自体の運営は地域の方が行われており、床にマットを敷いての体操や、音楽の演奏やゲームなどが開催されます。会場は賑やかな話し声や笑い声が絶えませんが、参加されている方々に積極的に声を掛けられている森川さんの姿が印象的でした。皆さんにお聞きすると、看護師の森川さんが居ることで安心感があるそうです。
山口県内のへき地診療所を繋ぐ「茶話会(さわかい)」へ
健康教室が終わって診療所に戻り、施設内見学を終えるとお昼の時間ですが、お茶の準備とネット会議の準備が始まりました。「茶話会(さわかい)」なので飲み物か欠かせないそうで、その日本郷診療所ではコーヒーが準備されました。12時15分になると、森川さんの明るい挨拶で、山口県内のへき地診療所を繋いでのネットミーティング「茶話会」が始まりました。
この日参加メンバーはへき地診療所の主に看護職の方々です。このミーティングは5年前の令和3(2021)年に始まり、へき地診療所の看護師が「孤立しない」「経験値・集合知を共有する」「キャリアパスの形成する」ことを目的に毎週開催されています。その原点はへき地で勤務する看護師のストレスやお悩み解消に少しでもお役に立ちたいとの思いからだそうです。へき地に勤務している看護師は外部に移動することも少なく、悩み事も病院勤務で感じることと異なるため、相談相手いない状態で、それならばいっそ同じ環境の者同士が繋がってみようと始めたそうです。今回は年に一回、参加者が実際に顔を合わせるリアル茶話会の開催の打ち合わせを行っていました。
へき地医療の真骨頂、多職種連携の現場に同席「ケア会議」
昼食後、午後は介護職員とのケア会議のために、診療所に隣接する支所内の会議室に向かいます。森川看護師が進行役でケアマネジャーや施設代表も交え、地元高齢者の家族関係や社会歴をよく把握しているからこそ、予防的な介入が必要なのか医療が必要なのか、いわゆる“突撃訪問"のような家庭訪問を通じて情報共有ができているのだと感じました。人口規模が小さいことを逆手に取った実践だと印象づけられました。
忙しく飛び回る森川真粧美さんにインタビュー
へき地の診療所で勤務する上で大事にしていることは何ですか?
チームワークを大事にしています。診療所はスタッフの人数が少ないから、少数精鋭で、みんながそれぞれ協力し合っていかなくちゃいけません。医者も看護師も事務も役割を超えた仕事をしなきゃいけないので、仲が悪かったり、まとめ役がぶれたらうまく回らないです。みんながそれぞれ主役になれるようにしています。
オンライン「茶話会」が始まったきっかけは何ですか?
県内のへき地医療に長く携わっておられる中嶋裕先生(山口県立総合医療センター へき地医療支援センター 部長)から、「へき地診療所の看護師さんをオンラインで繋いで茶話会してみない?」と誘われました。声をかけられて、ふと自分の事を振り返ると、へき地勤務していると悩み事を相談する場がない事に気づきました。病院と診療所の連携はありますが、体制や状況も異なることもあり、同じ患者さんの事でも相談できない事があると感じていました。そこで、ガチガチの勉強会にすると参加率が低くなってしまうので、フリートークの形式にしています。
茶話会を継続していくために工夫していることはありますか?
楽しくないと参加してもお通夜みたいになってしまうので、新しく参加する人は下の名前で呼んだり、おもわず微笑むようなニックネームで呼んだりして親しみやすくしています。楽しい雰囲気とみんなが発言できるように心がけています。
プロフィール
【略歴】
国立療養所広島病院付属看護学校卒業
国立がんセンター(国立がん研究センター)
国立療養所賀茂病院(賀茂精神医療センター)
本郷村保健センター(非常勤)
本郷村デイ・サービスセンター(本郷デイサービスセンター)
本郷村診療所(岩国市立本郷診療所)
【資格】
学会認定プライマリ・ケア看護師
国立療養所広島病院付属看護学校卒業
国立がんセンター(国立がん研究センター)
国立療養所賀茂病院(賀茂精神医療センター)
本郷村保健センター(非常勤)
本郷村デイ・サービスセンター(本郷デイサービスセンター)
本郷村診療所(岩国市立本郷診療所)
【資格】
学会認定プライマリ・ケア看護師
訪問者
訪問者:JPCA 島嶼およびへき地医療委員会
白石吉彦(隠岐島前病院)
中桶了太(平戸市民病院)
ご同行:日本ルーラルナーシング協会
理事長 大西美智恵
白石吉彦(隠岐島前病院)
中桶了太(平戸市民病院)
ご同行:日本ルーラルナーシング協会
理事長 大西美智恵
次回は2日目、診療日の看護師 森川さん。外来診療と在宅診療の様子をご紹介したいと思います!
最終更新:2026年01月26日 12時19分



























