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【開催報告】誰も聞けない災害時のお金の話:事業継続の必須知識

第17回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会において、2026年5月30日(土)に災害医療システム委員会の企画として、「誰も聞けない災害時のお金の話:事業継続の必須知識」を開催しました。
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医療機関が災害発生後も地域で医療を続けるためには、職員と患者の安全確保に加え、現金収支、給与、保険請求、施設・設備の復旧、制度申請、外部支援の受け入れを同時に扱うことが重要となります。特にプライマリ・ケア施設では、外来診療、在宅医療、遠隔医療も含めた診療継続の選択肢を平時から整理しておくことが重要となります。

経営の視点としては、医療機関における平時の資金の流れ、災害時の変化を整理しました。日々の窓口収入やクレジットカード入金、口座振替、保険請求分の入金にはそれぞれ時期があり、診療機能が止まると直ちに窓口収入が減少し、数か月後には保険請求分の入金にも影響が及びます。一方で、給与、家賃、仕入れ、社会保険料、税金、借入返済などの支払いは継続します。平時から現預金、固定費、職員給与、入金時期、支払時期を把握し、どの支払いを維持し、どの支払いについて猶予や相談を行うかを決めておくことが重要となります。また、診療報酬の概算払い、一部負担金の免除、税金や社会保険料の猶予、公的融資、補助金、保険、義援金、クラウドファンディングなど、災害時に活用し得る制度や資金確保の手段についても紹介を行いました。

実践・支援の視点としては、能登半島地震および奥能登豪雨の影響を受けた地域で、診療継続と地域全体の医療調整をどのように両立するかについて共有しました。災害発生後、地域の医療機関は、自院の診療を続けながら、保健医療福祉調整本部などで、平時の地域医療に戻っていくための調整役も担うことになります。本学会の災害支援プロジェクトでは、遠隔医療も活用しながら、診療支援や子どもの居場所支援等を行いました。また、奥能登豪雨後には、清掃、情報通信環境の再構築、事務機能の回復、診療体制の再開に向けた伴走支援も行いました。

総合討論では、受援力を高めるための平時の備えについて意見交換を行いました。災害発生後に支援を受け入れるためには、日頃から物品や書類の所在、役割分担、連絡先、資金の流れ、診療継続の代替手段を整理しておくことが重要となります。遠隔医療、オンライン診療、外部支援者との情報共有、事務作業の代行、制度申請支援などを、BCPの中に具体的な項目として位置づけておくことが、プライマリ・ケア施設のレジリエンスを高めるうえで重要となります。

本シンポジウムを通じて、災害時の事業継続は「医療をどう続けるか」だけではなく、「医療を続けられる組織をどう守るか」という課題であることを改めて確認しました。

今後、本学会における災害/減災にかかわる人材育成について考える貴重な機会となりました。ご登壇いただいた先生方、座長の先生方、運営にご協力いただいた関係者の皆様、そして会場にご参加いただいた皆様に心より御礼申し上げます。
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なお、今年度のPCAT隊員養成導入研修は、9月12日(土)・13日(日)、12月12日(土)・13日(日)に開催予定です。それぞれ開催の2か月から3か月前頃より募集が行われる予定ですので、ご関心のある皆様はぜひご参加をご検討ください。どうぞよろしくお願いいたします。

関連資料

能登半島地震および奥能登豪雨における支援プロジェクトのミッションや支援活動の詳細については、学会ウェブサイトの報告ページをご参照ください。
https://www.primarycare-japan.com/news-detail.php?nid=1197

最終更新:2026年06月01日 23時14分

災害医療システム委員会

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災害医療システム委員会

災害時のプライマリ・ケアの維持とプライマリ・ヘルスの維持と向上を目指して、学会としてできる取り組みを見出し、形にすることを目的とした委員会です。

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