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災害医療
令和 6 年能登半島地震・奥能登豪雨災害における日本プライマリ・ケア連合学会災害支援プロジェクトの活動について
はじめに
令和 6 年能登半島地震と奥能登豪雨で亡くなられた方への哀悼の意と、影響を受けた全ての方に心からのお見舞いを申し上げます。日本プライマリ・ケア連合学会では、2024年1月1日に発生した能登半島地震および2024年9月に発生した奥能登豪雨災害において、災害支援プロジェクトを発足し、地域医療支援活動を展開してまいりました。
本プロジェクトは、「地域医療資源を傷つけない支援」をミッションとして行われました。災害発生後の医療支援において重要なのは、単に一時的な医療サービスを提供するだけでなく、地域の医療体制の維持と早期復興を支援することであると考えています。今回の支援では、地元のステークホルダーがその調整機能を維持できるよう配慮し、「傷つけない支援(Do No Harm)」の原則に基づいた活動を展開しました。
輪島市のごちゃまるクリニックは、同地域における在宅医療の重要な拠点であるとともに、院長の小浦友行医師は能登北部医師会の災害担当として地域医療の復旧・復興において中核的な役割を担っていました。同クリニックへの支援を行った理由は以下の点にあります。
1. 地域医療調整機能の維持支援:小浦院長は自らも災害の影響を受けながら、災害医療保健福祉調整本部での会議や医師会の会議など、地域医療の調整に多くの時間を割かなければならない状況でした。当学会は診療支援を通じて、この調整機能が維持できるよう支援いたしました。
2. 地域医療の継続性確保:クリニックの再建と日常診療の両立は大きな課題でした。外来診療、訪問診療、在宅医療支援を代行することで、地域住民への医療提供体制の継続を支えました。
3. 持続可能な支援体制の構築:特に奥能登豪雨後は、早期の事務的機能の早期回復支援や、週末の24時間体制の往診および訪問看護業務を支援することで、クリニックスタッフの休息を確保し、中長期的な地域医療体制の維持を支援しました。
また、クリニックに併設されている特定非営利活動法人じっくらあとが行う地域の子どもたちへの支援活動もサポートしました。震災や豪雨により一時中断していた以下の活動の再開を支援しました。
- 学校訪問型事業
- 保健室カフェ
- 出張保健室
- 子どもたちの居場所づくり
これらの活動は、地域住民のメンタルヘルスを含めた心理社会的支援として重要な役割を果たしていると考えています。
現在、日本プライマリ・ケア連合学会災害医療システム委員会では、プライマリ・ケアの視点から、地域住民の健康と生活を包括的に支えるための災害医療支援体制の構築を進めております。「いつでも、どんなことでも、ずっと身近に」というプライマリ・ケアの理念のもと、今後も地域に根ざした支援活動を継続してまいります。
今回の詳細につきましては、下記の報告書をご参照ください。末筆ながら、日本プライマリ・ケア連合学会の災害支援支援を受け入れてくださいました石川県および輪島市の関係者の皆様のご理解とお力添えに、心から感謝申し上げます。
本プロジェクトは、「地域医療資源を傷つけない支援」をミッションとして行われました。災害発生後の医療支援において重要なのは、単に一時的な医療サービスを提供するだけでなく、地域の医療体制の維持と早期復興を支援することであると考えています。今回の支援では、地元のステークホルダーがその調整機能を維持できるよう配慮し、「傷つけない支援(Do No Harm)」の原則に基づいた活動を展開しました。
輪島市のごちゃまるクリニックは、同地域における在宅医療の重要な拠点であるとともに、院長の小浦友行医師は能登北部医師会の災害担当として地域医療の復旧・復興において中核的な役割を担っていました。同クリニックへの支援を行った理由は以下の点にあります。
1. 地域医療調整機能の維持支援:小浦院長は自らも災害の影響を受けながら、災害医療保健福祉調整本部での会議や医師会の会議など、地域医療の調整に多くの時間を割かなければならない状況でした。当学会は診療支援を通じて、この調整機能が維持できるよう支援いたしました。
2. 地域医療の継続性確保:クリニックの再建と日常診療の両立は大きな課題でした。外来診療、訪問診療、在宅医療支援を代行することで、地域住民への医療提供体制の継続を支えました。
3. 持続可能な支援体制の構築:特に奥能登豪雨後は、早期の事務的機能の早期回復支援や、週末の24時間体制の往診および訪問看護業務を支援することで、クリニックスタッフの休息を確保し、中長期的な地域医療体制の維持を支援しました。
また、クリニックに併設されている特定非営利活動法人じっくらあとが行う地域の子どもたちへの支援活動もサポートしました。震災や豪雨により一時中断していた以下の活動の再開を支援しました。
- 学校訪問型事業
- 保健室カフェ
- 出張保健室
- 子どもたちの居場所づくり
これらの活動は、地域住民のメンタルヘルスを含めた心理社会的支援として重要な役割を果たしていると考えています。
現在、日本プライマリ・ケア連合学会災害医療システム委員会では、プライマリ・ケアの視点から、地域住民の健康と生活を包括的に支えるための災害医療支援体制の構築を進めております。「いつでも、どんなことでも、ずっと身近に」というプライマリ・ケアの理念のもと、今後も地域に根ざした支援活動を継続してまいります。
今回の詳細につきましては、下記の報告書をご参照ください。末筆ながら、日本プライマリ・ケア連合学会の災害支援支援を受け入れてくださいました石川県および輪島市の関係者の皆様のご理解とお力添えに、心から感謝申し上げます。
- 令和6年能登半島地震における活動報告書(316.13KB)
- 令和6年9月奥能登豪雨における活動報告書(737.98KB)
最終更新:2025年02月27日 12時41分
記事の投稿者
災害医療システム委員会
災害時のプライマリ・ケアの維持とプライマリ・ヘルスの維持と向上を目指して、学会としてできる取り組みを見出し、形にすることを目的とした委員会です。
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