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【地域で活躍する看護師紹介②】むさしの丘ファミリークリニック 矢尾知恵子さん 編

プライマリ・ケア領域で活躍する看護師を知っていますか?
シリーズでお伝えする【地域で活躍する看護師紹介】。

今回は、東京都三鷹市にある「むさしの丘ファミリークリニック」で勤務している 矢尾知恵子さん の活動を紹介します。
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私の実践の場

私は、3年前まで、東京都23区内の医療法人立の医療機関で臨床での実践や看護管理などを行ってきました。
私が所属していたのは複数の家庭医と看護師、理学療法士などが在籍する規模の大きい部門だったので、患者さんも多く、病院併設のためか在宅に移行する医療処置や検査も少なくありませんでした。
状態が十分に安定しているとはいえない患者さんが自宅での療養生活を安定できるように、また、病院で使用している医療機器や方法を在宅でも行いやすい方法にできるように、工夫や調整、関係者間で連携を図ることが求められます。
そのために、多職種連携や他職種との協働について日々実践しており、活発に勉強会も行って、多様な視点を学び考える経験を積み重ねてきました。

現在は、その学びを活かし、より身近に人(住民)と生活に関わる医療を目指し、クリニックで家庭医とともに外来診療と在宅診療に関わっています。

在宅支援診療所である当クリニックでは、初診患者さんの診察前問診や生活習慣病の患者さんの診察、処方内容の見直しや患者さんやご家族からの相談支援・指導、医療デバイスの管理や指導、紹介状・意見書の作成支援など、診療補助から医行為・療養指導などといった多岐にわたる看護実践を行っています。

クリニックにおける看護の魅力

専門分化する医療の進歩・進展は目ざましいものがあります。
私も若いころはそのすごさに興味をもち、実践したいと考えた時期もありました。
しかし、プライマリ・ケア領域で実践していく中で、やりがいやおもしろさに気づき、幅広く看て・考え・工夫して生活を支える医療の根幹であり、実践の場であるプライマリ・ケアの奥深さに魅力を感じるようになりました。

私が考える「クリニックにおける看護の魅力」をご紹介します。

生活から治療を考えることができる

病院とは違い、クリニックでは患者さんとの距離はとても身近です。
例えば、血液検査の結果をみながら、患者さんが生活の中で努力されていることや困難に感じていることなどを聴き、一人一人の生活 や社会活動を把握して、治療内容の見直しや指導、工夫の提案を行うことができます。

その人の生活を知ることは「生活‐習慣‐病を看ること」であり、アセスメントをして治療計画を立案・見直しすることが、疾病管理(治療・ケア)だと考えています。
患者さんと一緒に生活の様子や背景を把握していく過程で、患者さんご自身が自分の治療に参画していく変化がみられます。
ここにプライマリ・ケアにおける看護の醍醐味を感じます。
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予防から終末期、子どもから超高齢者に関わることができる

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患者さんは、年齢層も多様であり、健康な人から最期を迎える人までと幅広く関わります。

健診で早期に見つかった病気の中には専門医につなぐケースもありますが、
専門医の治療を受けてクリニックに戻ってこられる方も多いので、
日常生活を不安なく過ごせる継続的なかかわりを丁寧に行い、
患者さんと関係性が築けることはやりがいにつながります。

一方、併存疾患をもつ高齢者の場合では、
通院から在宅医療に移行するケースも少なくなく、
長く関わることでその人の健康への価値や思いを知り、
療養や治療・ケアにつなげていくという継続医療・看護ができることも魅力です。

他(多)との連携や協働がかかせない

外来では、医療機関の地域連携窓口の医療相談員さんや看護師さん、地域包括支援センターそして地域の訪問看護ステーション、ケアマネジャーさんとの連携の機会が豊富です。
在宅では、患者さんを取り巻く家族や地域住民、訪問介護や通所介護施設とさらにつながりが広がります。

人が生活し療養していく上で多くの人がかかわりますが、それぞれに役割と機能、想いがあります。
理解しながら患者さんの意向に沿う療養を支援できるように、各々が活動(協働)し、やりとり(連携)していくことがプライマリ・ケアだと思います。
ひとつとして同じケアがなく、病院の看護業務では経験できない創意工夫とつながりが魅力のひとつです。

ジェネラルな思考と能力を磨くプライマリ・ケア看護をもっと広げよう!

看護とは、あらゆる場であらゆる年代の個人および家族、集団、コミュニティを対象に、対象がどのような健康状態であっても、独自にまたは他と協働して行われるケアの総体(*1)と定義されています。
この要素がクリニックや診療所の看護実践に満ちていると私は思います。

多くの看護師は女性であり、発達段階に応じて勤務形態を変えながら仕事を続けています。
子育てとの両立や家庭の事情に合わせて診療所やクリニックで勤務している方もいると思います。
クリニックや診療の日々の実践で、無意識にジェネラルな思考を養い、力をつけて実践しているはずです。

その実践を体系化してより深めて実践していくために、本学会に参加され、プライマリ・ケア看護をいっしょに語り、伝え、広げていきませんか。


*1:引用文献
ICN看護の定義:公益社団法人 日本看護協会
https://www.nurse.or.jp/nursing/international/icn/document/definition/index.html
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編集後記

プライマリ・ケア領域でいきいきと働く看護師って素敵ですね。
そんな素敵な看護師の活動を引き続き紹介していきたいと思います!

矢尾さんのお誘いにもありますように、
あなたもぜひプライマリ・ケア領域の看護師の仲間になりませんか?
お待ちしています!

最終更新:2023年03月29日 14時05分

看護師部会 広報活動支援部門

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