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2023年度プライマリ・ケア看護学ワークショップ 春 広島研修 に講師として関わって

2023年4月8・9日に広島市で開催された「2023年度プライマリ・ケア看護学ワークショップ 春」に講師として関わらせていただきました。この研修は学会認定「プライマリ・ケア看護師」に認定申請するために必要な研修です。

必須領域編と選択領域編があり、私は選択領域編の中の「健診・ヘルスプロモーション 行動変容面接技法」を担当しました。選択領域編には8名の方が参加されました。

日本の社会保障制度において、ライフステージに応じてどのような健診や医療サービスが提供されるのか、関係する法律なども踏まえて説明し、ヘルスプロモーションの考え方についても講義しました。

そのうえで、行動変容面接技法では日ごろの実践の中で健康行動理論を用いた関りができるよう健康信念モデル、変化のステージモデル、自己効力理論を伝えました。グループ演習では、健康信念モデルを活用した保健指導の場面の事例検討とロールプレイを行いました。

事例では、職域において健診データが年々悪化しているにも関わらず、まったく医療機関の受診をしない職員に対して保健師が数年越しに関わっているケースを取り上げました。この方は数年後に、検査データが悪化し、労働安全衛生法における産業医の事後措置で就業制限の判断を要するレベルになり、ようやく重い腰を上げて診療所を受診されました。事例検討に入る前に、産業保健における健康診断の考え方、健診後の事後措置、就業制限等について説明を行いました。

医療機関で医療職者の目の前に現れる患者の中には、産業医や保健師から「治療を開始しないと働く内容や時間等に制限を要するかもしれない」と指摘され、仕方なく受診される方も少なからずおられます。産業医や保健師が数年にわたり介入をしてようやく医療機関に訪れた方が、診断を受け、必要とされる治療を受けて、受診を継続できるように、プライマリ・ケアの場においても健康行動理論に基づいて患者を支援いただくことで、疾患の進行や合併症予防につながって欲しいと産業医療職としての思いを現場の医療職者にお伝えしました。

 アンケートでは「プライマリ・ケアの場に現れる人々の健康を職業上の問題と関連して理解することはとても重要なので労働者の健康管理に触れたのは産業保健への関心を高める意味でもとても良かったと感じた。」という意見をいただきました。

 今後も定期的に看護学ワークショップは開催されます。学会認定プライマリ・ケア看護を目指してみませんか。自己研鑽のために学ぶ機会として参加される方もおられます。看護職会員のみなさまの参加をお待ちしております。

アクトグレースサポート株式会社 保健師 田中千恵美
 
学会認定プライマリ・ケア看護師
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プライマリ・ケア看護学ワークショップ
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  • https://www.primarycare-japan.com/pics/news/news-439-1.jpg

最終更新:2023年06月10日 20時18分

予防医療・健康増進・産業保健委員会 産業保健チーム

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予防医療・健康増進・産業保健委員会 産業保健チーム

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