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【第22回秋季生涯教育セミナー】  WEB 開催報告 ―前 編―  WS36.治療・療養生活と仕事の両立支援 ~プライマリ・ケアと産業保健の協働でできること~

【両立支援をめぐる背景】

労働者の高年齢化は更に進み、事業場において疾病を抱えた労働者の治療と仕事の両立への対応が必要となる場面が増えることが予想されます。

近年の診断技術や治療方法の進歩により労働者が病気になったからといってすぐに離職しなければならないという状況が必ずしも当てはまらなくなってきています。そのような中、復職支援方法や産業保健スタッフ・医療機関との連携について悩む事業場の担当者も少なくありません。

【復職支援のメリット】

円滑な復職を支援することで従業員および事業所双方でメリットがあります。

・従業員のメリット

再発・再休職のリスク低減

労働者の自己理解の深化

心身の段階的な準備

職場へのスムーズな適応

経済的安定と安心感


・事業所のメリット

労働力の確保と定着

生産性の向上

職場環境の改善

労務リスクの低減

従業員満足度の向上

【復職支援の流れ】

  • https://www.primarycare-japan.com/pics/news/news-1537-1.jpg
    出典:厚生労働省 こころの健康問題により休業した労働者の職場復帰支援のてびき
<第1ステップ>

①    主治医の診断書の記載を本人が依頼し事業場に提出することにより休業 

②    早い時点で休業していることを人事労務担当者が産業医療職等に連絡

③    状況に応じて事業場の保健師等が本人に面談を実施

<第2ステップ>

①    治療が落ち着き(治癒・寛解等)主治医が復職できると判断し、かつ本人が復職を希望したら、本人が復職希望の意思を事業所に示す

<第3ステップ>

①    事業所が勤務情報提供書を作成し主治医に情報提供を行う

②    同時に事業所が本人に復職に向けての準備の様式等を渡し、記録を求める

③    本人は事業所から渡された職場復帰の可否等に向けた主治医意見書の記載を主治医に求める

④    本人は産業医面談の前までに様式を事業所に提出する

⑤    事業所は産業医面談の調整を行う

⑥    産業医面談の実施および復職の可否を判断

⑦    産業医意見書の発行

<第4ステップ>

①    事業所は産業医療職の判断を受けて復職の可否を判断

②    復職可能となった場合、産業医、保健師、事業所と調整を行いながら復職プ

ログラムを作成

③復職

<第5ステップ>

①    保健師等におけるフォロー面談

②    就業制限解除に向けた産業医面談等の実施

③    産業医面談

④    通常勤務

 

*様式についてはオンデマンド配信で詳しく説明しています

【事業所専任の産業医や産業医療職がいない場合は】

独立行政法人労働者健康安全機構では、産業医、産業看護職、衛生管理者等の産業保健関係者を支援するとともに、事業主等に対し職場の健康管理への啓発を行うことを目的として、全国47の都道府県に産業保健総合支援センター(さんぽセンター)を設置しています。

後編は近々公開の予定です。
後編では、事例紹介、プライマリ・ケア医や看護職等の重要な役割、参加者の感想を掲載予定です。

【オンデマンド配信のお知らせ】

現在オンデマンド配信中~2026年1月13日(火)
https://www.primarycare-japan.com/assoc/seminar/20251102c-event/


文責:JPCA予防医療・健康増進・産業保健委員会 産業保健チーム 
アクトグレースサポート株式会社 保健師 田中千恵美

最終更新:2025年12月08日 00時00分

予防医療・健康増進・産業保健委員会 産業保健チーム

記事の投稿者

予防医療・健康増進・産業保健委員会 産業保健チーム

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