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プラネタリーヘルス
【プラネタリーヘルス・トピック】COP28のHealth dayが果たした役割
11月30日~12月13日の2週間に渡って、国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)が開催されました。このCOP28では初めて、健康に注目したHealth dayが開催されました。 このHealth dayがどのようなものだったかご紹介いたします。 ☆なぜHealth dayが出来たの? ☆宣言書「気候変動と健康に関する宣言」 ☆7つの行動目標 ☆この宣言をめぐる世界の医療界の動き |
☆なぜHealth dayが出来たの?
気候変動枠組み条約の第28回目の締結国会議COP28にて、初めて、健康に注目したHealth dayが開催されました。今までは、経済中心に重きを置いていましたが、健康との結びつきから政治的関心事を高めて、世界的な気候変動アジェンダにおける健康の主流化することが目的です。
次の5つのテーマについて、話し合いが行われました。
●気候変動と人間の健康との間のエビデンスベースと明確な影響経路を示す。
●気候変動対策のための健康に関する議論」と緩和による健康のコベネフィットを促進する。
●保健システムの気候変動に対するレジリエンスを強化するためのニーズ、障壁、ベストプラクティスを明らかにする。
●気候変動が人間の健康に及ぼす影響に対処するための適応策を特定し、拡大する(ワンヘルスを含む)。
●保健と救援、復興、平和の結びつきにおいて行動を起こす。
次の5つのテーマについて、話し合いが行われました。
●気候変動と人間の健康との間のエビデンスベースと明確な影響経路を示す。
●気候変動対策のための健康に関する議論」と緩和による健康のコベネフィットを促進する。
●保健システムの気候変動に対するレジリエンスを強化するためのニーズ、障壁、ベストプラクティスを明らかにする。
●気候変動が人間の健康に及ぼす影響に対処するための適応策を特定し、拡大する(ワンヘルスを含む)。
●保健と救援、復興、平和の結びつきにおいて行動を起こす。
☆宣言書「気候変動と健康に関する宣言」
12月3日Health dayにおいて、「気候変動と健康に関する宣言」を発表し、日本を含む123カ国が署名しました。
この宣言は、「温室効果ガスの排出量を深く、迅速かつ持続的に削減することで、より良い健康結果を得る」ためには、「気候変動に対する行動を起こすことが緊急」であると述べています。
緩和と適応の両プログラムに10億ドルを超える資金が提供されました。保健システムの変革、健康の環境決定要因への対応、地域社会や脆弱な人々の幸福の確保に重点が置かれた宣言です。
この宣言は、「温室効果ガスの排出量を深く、迅速かつ持続的に削減することで、より良い健康結果を得る」ためには、「気候変動に対する行動を起こすことが緊急」であると述べています。
緩和と適応の両プログラムに10億ドルを超える資金が提供されました。保健システムの変革、健康の環境決定要因への対応、地域社会や脆弱な人々の幸福の確保に重点が置かれた宣言です。
☆7つの行動目標
●気候変動の健康への影響に対して最も脆弱な人々との緊密なパートナーシップを通じて、緩和策と適応策から得られる健康上の利益を最大化し、気候変動による健康への影響の悪化を防止する政策の策定と実施を強化
●健康の環境決定要因への取り組み、パンデミック予防・準備・対応の効果的な手段として人獣共通感染症の波及を早期に発見するための取り組みの強化
●気候変動に対応できる保健医療人材の強化など、気候変動の影響を受けやすい疾病や健康リスクを予測し、それに対する適応策を実施する保健医療システムの能力を向上
●メンタルヘルスや心理社会的ウェルビーイング、気候変動による移住や移動など、気候変動が健康に及ぼす影響に対処するための包括的な対応を推進
●貧困と飢餓の削減、健康と生活の向上、社会保護制度の強化、食料安全保障と栄養改善、清潔なエネルギー源へのアクセス、安全な飲料水、万人のための衛生環境、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成に取り組む
●保健医療システムの温室効果ガス排出量を評価し、サプライチェーンを含む国の保健医療システムの調達基準を策定するなど、保健医療セクターにおける排出を抑制し、無駄を削減するための措置を推進
●気候変動と健康のネクサスにおける分野横断的・学際的研究、分野横断的協力、ベスト・プラクティスの共有、進捗状況のモニタリングを強化
●健康の環境決定要因への取り組み、パンデミック予防・準備・対応の効果的な手段として人獣共通感染症の波及を早期に発見するための取り組みの強化
●気候変動に対応できる保健医療人材の強化など、気候変動の影響を受けやすい疾病や健康リスクを予測し、それに対する適応策を実施する保健医療システムの能力を向上
●メンタルヘルスや心理社会的ウェルビーイング、気候変動による移住や移動など、気候変動が健康に及ぼす影響に対処するための包括的な対応を推進
●貧困と飢餓の削減、健康と生活の向上、社会保護制度の強化、食料安全保障と栄養改善、清潔なエネルギー源へのアクセス、安全な飲料水、万人のための衛生環境、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成に取り組む
●保健医療システムの温室効果ガス排出量を評価し、サプライチェーンを含む国の保健医療システムの調達基準を策定するなど、保健医療セクターにおける排出を抑制し、無駄を削減するための措置を推進
●気候変動と健康のネクサスにおける分野横断的・学際的研究、分野横断的協力、ベスト・プラクティスの共有、進捗状況のモニタリングを強化
☆この宣言をめぐる世界の医療界の動き
保健の専門家たちは、この宣言を公衆衛生のコミュニティとの生産的な関わりへの一歩として歓迎しましたが、一年に500万人ともいえる人命の早期死亡につながっている化石燃料使用について、化石燃料を段階的に削減することは、現代において最も有益で、最も賢明な公衆衛生への介入です。この宣言で言及されていないことについて、もっと野心的なものであってもよかったと多くの人が感じています。
その他、世界医師会・看護協会を含む4,000万人以上の医療専門家が、気候変動交渉において健康を優先させるため、早急かつ大胆な行動を求め、化石燃料の段階的廃止、クリーンエネルギーへの移行、脆弱なコミュニティへの支援をCOP28議長あてに要求しました。
この『気候変動と健康に関する宣言』原文へのアクセスはこちらから
その他、世界医師会・看護協会を含む4,000万人以上の医療専門家が、気候変動交渉において健康を優先させるため、早急かつ大胆な行動を求め、化石燃料の段階的廃止、クリーンエネルギーへの移行、脆弱なコミュニティへの支援をCOP28議長あてに要求しました。
この『気候変動と健康に関する宣言』原文へのアクセスはこちらから
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私たちと一緒にプラネタリーヘルスについて学ぶ機会は、以下のものがあります。
1)実践誌「プライマリ・ケア」2023年春号(27号)~冬号(29号)の連載記事 『気候変動×プライマリ・ケア』
2)当学会の全国学術大会やセミナーでの講演やワークショップ
3)Slackコミュニティでの情報交換やオンラインミーティング など
1)実践誌「プライマリ・ケア」2023年春号(27号)~冬号(29号)の連載記事 『気候変動×プライマリ・ケア』
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プラネタリーヘルスワーキンググループ みどりのドクターズ
greenpracticejp@gmail.com
医療者が取り組む気候変動対策活動の紹介とお誘い
最終更新:2024年06月27日 23時11分