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理事長 草場先生の部屋

コロナ第6波を迎えて

2022年が明け、コロナ禍も3年目に突入しましたが、オミクロン株の第6波の流行は想定以上の大規模かつ広範囲の感染となっています。学会員の皆様も発熱患者への診療と検査、そして、自宅療養者への電話・オンライン診療と往診、そして、3回目のワクチン接種と極めて多忙な日々を送っておられると拝察します。皆様の奮闘に心から敬意を表します。
私の医療法人でも第5波までは札幌市や千歳市など比較的若年者が多い都市部での感染がメインでした。ただ、今回は室蘭、寿都、上川など地方都市や郡部でも感染者が続発しており、今までとは全く異なる局面に至ったと感じております。あらゆる業種で同じ問題が起きていますが、職員の感染による事業継続の困難が最大の脅威であり、いわゆるBCPを各診療所で策定しどのような状況になっても外来診療、訪問診療の機能を維持できるようにシミュレーションを繰り返しております。
プライマリ・ケアの特徴であるcontinuity of care、つまり診療の継続性が今まさに試されていると思います。かかりつけ医と思って受診しても診察してもらえなかった、あるいはワクチンを打ってもらえなかったという話が、このコロナ禍では全国的に大きな話題となりました。いわゆるaccessibilityの問題がクローズアップされたわけです。日本ではアクセスは「フリーアクセス」という一言でまとめられますが、これはあくまでも患者はどの医療機関でも自由自在に<選べる>という意味であって、確実に<受診できる>ことを保証してはいません。応召義務と言われますが、今回のコロナ禍でその義務を放棄する医療機関も存在しますし、それを法的に規制することもできないことがわかりました。第4波、第5波において自宅で療養しつつ医療の支援無く孤独に亡くなった方がいましたが、これはその最悪の結果と言えます。
つまり、日本のプライマリ・ケアのアクセスについては欠陥があることが明確になったわけです。学会としてはこうしたテーマについても今後どのようなシステムを考えるべきか、更に議論を深めることが必要だと感じております。簡単なテーマではありませんが、これからの日本のプライマリ・ケアのためには目を背けることはできません。学会員の皆様からの様々なご意見をお待ちしております。

草場鉄周

最終更新:2022年03月02日 13時36分

「もっとプライマリ・ケア」 編集担当

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「もっとプライマリ・ケア」 編集担当

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