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理事長 草場先生の部屋
理事会という場の健全さ
12月に入り、ようやく冬を感じられる日々となって参りました。私の住む北海道では今シーズンは雪は多く寒さも厳しいとの予報で、除雪の大変さが思いやられる反面、地球温暖化の影響はまだ少ないのかなとホッとする自分もいます。
さて、今回はなかなか会員の皆さんと共有しづらい理事会という場を扱ってみます。
皆さんのイメージで理事会というと年配の男性がしかめっ面で集まり、あまり議論もなく、淡々と議事が進行するイメージがあるかと思います。確かにまだ日本の多くの理事会はそういった場のままかもしれません。日本人は予定調和を好みますので、理事会に出た段階では根回しも済んでおり、議論する余地がないという展開も珍しくありません。
皆さんのイメージで理事会というと年配の男性がしかめっ面で集まり、あまり議論もなく、淡々と議事が進行するイメージがあるかと思います。確かにまだ日本の多くの理事会はそういった場のままかもしれません。日本人は予定調和を好みますので、理事会に出た段階では根回しも済んでおり、議論する余地がないという展開も珍しくありません。
その一方で、当学会の理事会はそうした日本の標準的な理事会とはかなり様子が異なります。粛々と処理する議題ももちろん多いのですが、理事一人一人の考えが議決に重要となる議題の場合は侃々諤々の議論が交わされます。ここ数年でそうした対象となったのは理事選挙でのクオータ制導入、そして家庭医療専門医研修の修了要件としてのポートフォリオの削減でした。特に後者は20のポートフォリオからどのテーマを削減すべきかについて、数回にわたる理事会での議論はヒートアップし、理事一人一人のプライマリ・ケアの専門性への思いが熱く語られました。
おそらく通常の組織であれば、こうした議論自体が会議運営の失敗とみなされることが多いのですが、当学会では大変好ましい展開だと私は感じて耳を傾けておりました。議論を通じて理事全員が専門性のあり方を再考する機会にもなりましたし、自身の診療や教育の在り方を振り返るきっかけにもなります。最終的にはいくつかの案を検討した上で、私の判断で選択肢を用意し、数回の議決を経て結論を出しました。そのプロセスに全理事が納得してくれたことにも、当学会の組織の健全さを感じ誇らしく思いました。
タブーなく健全な議論を展開するのが学術団体の理想のあり方です。今後も日本プライマリ・ケア連合学会はそうした組織であり続けるように力を尽くしていきたいと思っております。
草場鉄周
草場鉄周
最終更新:2024年12月09日 11時53分