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災害支援組織「PCAT」導入研修を開催しました(2025年度第2回)

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日本プライマリ・ケア連合学会 災害医療システム委員会は、2025年12月13日(土)・14日(日)の2日間にわたり、災害支援活動組織「PCAT(Primary Care Assistance Team)」の一般隊員を養成するための導入研修会を開催しました。2025年9月に続き、本研修は2025年度第2回目、正式研修としては第3回目の開催となります。

本研修では、災害時にPCATの一員として活動するために必要な基本知識と行動規範を学びます。PCAT活動の理念や指示命令系統、災害関連法規、災害薬事などの基礎に加え、DMAT・DPAT・DWATや日本赤十字社救護班との連携についても理解を深めました。また、国際的な人道支援の標準であるスフィア基準を用いた演習や、支援者自身の心身のケアについても学ぶ機会を設けました。

今回の研修には、公募による選考を経て、全国から多様な職種の医療・福祉関係者が参加しました。医師 15名、看護師 4名うち診療看護師(ナースプラクティショナー)2名、薬剤師 3名、リハビリ職 2名、鍼灸師 1名の合計25名です。

PCATは多職種で構成されるチームとして活動することを特徴としており、今回も医師に加えて看護師、薬剤師、リハビリ職、鍼灸師と多様な職種の方々にご参加いただきました。また、今回の研修には、日本在宅医療連合学会、ぐんまDWAT、災強の助っ人よりオブザーバーとしてご参加いただきました。災害支援に関わる他団体との連携強化に向けて、貴重な機会となりました。

本学会の過去の災害支援活動について

本学会では2011年の東日本大震災を契機に、これまで複数の大規模災害において支援活動を展開してきました。

東日本大震災(2011年)

東日本大震災では、延べ678名の学会員らを動員し、気仙沼・石巻で4年半にわたる活動を展開しました。詳細は日本プライマリ・ケア連合学会誌 第38巻 特別号にてご覧いただけます。

• 日本プライマリ・ケア連合学会誌 第38巻 特別号(J-STAGE):https://www.jstage.jst.go.jp/browse/generalist/38/Supplement/_contents/-char/ja

熊本地震(2016年)

2016年4月の熊本地震では、熊本県益城町からの派遣要請を受け、「PCAT2016」として災害支援チームを立ち上げました。延べ38名が4月から8月までの約4か月間にわたって活動を行いました。益城町の避難所対策チームに加わり、避難所での保健医療に関する助言や調整役を担いました。

令和6年能登半島地震・奥能登豪雨災害(2024年)

2024年1月の能登半島地震および同年9月の奥能登豪雨災害において、「地域医療資源を傷つけない支援」をミッションとして掲げ、支援活動を展開しました。

• 令和 6 年能登半島地震・奥能登豪雨災害における日本プライマリ・ケア連合学会災害支援プロジェクトの活動について:https://www.primarycare-japan.com/news-detail.php?nid=1197

今後の予定

来年度(2026年度)も2回の導入研修を予定しております。プライマリ・ケアの視点を活かした災害支援に関心のある方は、ぜひ次回の研修にご参加ください。

今回の研修にご参加いただいた25名の皆様、そしてオブザーバーとしてお越しいた皆様に心より御礼申し上げます。

また、日頃より本学会の活動をご支援いただいている学会員および関係者の皆様にも深く感謝申し上げます。PCATは「継続性を重視した底上げ型支援」「多職種による包括的支援」「将来の災害に向けた学術的支援」を3つの柱として、プライマリ・ケアの理念を災害医療に活かす取り組みを進めてまいります。

「いつでも、どんなことでも、ずっと身近に」というプライマリ・ケアの理念のもと、災害の影響を受けた人びとの生活再建を包括的に支える支援活動を目指し、引き続き体制整備を進めてまいります。今後とも皆様のご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

最終更新:2025年12月15日 09時16分

災害医療システム委員会

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災害医療システム委員会

災害時のプライマリ・ケアの維持とプライマリ・ヘルスの維持と向上を目指して、学会としてできる取り組みを見出し、形にすることを目的とした委員会です。

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