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風邪に対する漢方薬の考え方,使い方② インフルエンザ診療を中心に/Vol.1 No.2(2)

はじめに

 まもなく風邪やインフルエンザが流行するシーズンがやってくる.多忙な冬季の外来診療で,インフルエンザ様症状で受診する患者の診断,治療,対応に苦慮されるプライマリ・ケア医の先生も多いはずだ.すべての患者に迅速検査を施行して,抗インフルエンザ薬を処方することは現実的でなく,最適な医療とはいいがたい.漢方薬をインフルエンザの治療の選択肢に加えることで,さまざまな患者のニーズへの対応が可能となり,抗インフルエンザ薬の乱用防止などのメリットもある.前回は,闘病反応が弱く,冷えが主体となる「悪寒→冷え」タイプを紹介した.今回は,悪寒のあと,発熱や咽頭痛などの熱を伴う症状が出現する「悪寒→発熱」タイプの風邪を解説する(図1).風邪のみでなく,インフルエンザの治療にも頻用する漢方薬なので,ぜひ活用してほしい.

インフルエンザ診療と漢方治療

インフルエンザ診療は迅速診断キットと抗インフルエンザ薬の普及により,劇的に変化した.以前は,周囲の流行状況,急性発症の発熱,多関節痛,咽頭痛などから症候的に診断して対症療法のみが行われていたが,現在は,検査で診断して,治療薬を提供するという診療形態が主体となっている.岸田はハイリスク患者以外では,「抗インフルエンザ薬を処方しない」という選択肢を常に考えることが重要であるが,実際の臨床では何も処方しないという選択肢はとりづらいため,漢方薬を賢く利用する1)ことを薦めている.また,岩田は,以前は「症候学的診断」(現象)であったインフルエンザが「検査診断」(実体)として認識されるようになった問題点として,迅速検査の感度の低さ,抗インフルエンザ薬のデメリット(副作用,耐性ウイルスの増加,医療コストの増加など)を指摘している.
さらに岩田は,漢方薬が「現象」たるインフルエンザ様症状に対して処方が可能であることに注目して,漢方薬を治療選択に加えたインフルエンザ診療における意思決定モデルを開発し,報告している2).筆者もこの論文を読んで,自身の診療に取り入れることで,インフルエンザ診療のモヤモヤ感を晴らすことができたので,ぜひプライマリ・ケア医の先生方にも読んでほしい(J-Stageから無料で閲覧可能).また,実績ある感染症専門医がインフルエンザ診療に漢方を前向きに組み込んでいることが,漢方医としてたいへんうれしい.
 前回の復習になるが,漢方医学では疾患を「生体内に侵入した病邪(ウイルスや細菌など)と生体との闘病反応」と解釈して漢方薬を選択する.普通の風邪と異なりインフルエンザでは,病邪が強力であり,闘病反応が大きいのが一般的である.具体的には強い悪寒に続き,38℃以上の発熱,咽頭痛,多関節痛などが出現して,前回解説した「悪寒→冷え」タイプでなく,発熱や局所の炎症が強い「悪寒→発熱」タイプの経過をたどることが多い.さらに,漢方医学の原典である『傷寒論(しょうかんろん)』に,「寒気や頭痛,発熱,腰痛,関節痛があって,汗が出ていない場合は麻黄湯を用いなさい」と記載され,麻黄湯の適応が典型的なインフルエンザの初期症状と合致していることから,今日ではインフルエンザの漢方治療に頻用されている.『傷寒論』の記述のとおり,典型的なインフルエンザの症状であれば麻黄湯が適応になることが多いが,実際の臨床ではさまざまな例があり,一律に「インフルエンザ=麻黄湯」として治療することには無理がある.
漢方医学的視点から,個々の患者の病態に合わせた漢方薬を投与することで臨床効果を高めることができる.ぜひ,本稿を読んで今シーズンの風邪・インフルエンザの診療に活かしてほしい.
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「悪寒→発熱」タイプの風邪の漢方治療(図2)

 風邪やインフルエンザのウイルスが生体内に侵入すると,生体は熱放散を低下させると同時に温熱産生を高め,体温を上昇させる.ウイルス感染後の発熱は,生体がウイルスの増殖を抑えるための合目的的反応である.「悪寒→発熱」タイプの治療は温熱産生を援助して,発汗により病邪を追い払い,治癒に向かわせる3)(図2 ①).一方,生体が温熱産生を高めようとするときに安易に解熱薬を使用することは,十分に体温が上昇せず,ウイルスを排除できない恐れがある3)(図2 ②).実際に,NSAIDs の使用により上気道炎の症状がプラセボと比べて遷延する傾向があった4)という報告がある.
さらに風邪患者にNSAIDs と漢方薬を投与した群を比較すると,漢方薬投与群のほうが有意に発熱と症状の持続時間が短かった5)とする報告もあり,生体反応を援助する漢方治療のほうがより早期の治癒が期待できることが推測される.
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「悪寒→発熱」タイプの鑑別のポイント

 悪寒,発汗,口渇の状態を確認することで漢方薬を選択する(漢方医は,同時に脈を診察して,脈がよく触れる深さや緊張度を重視している).

◯悪寒の有無と程度
 悪寒が存在する場合,病気の初期で身体の表面を中心に闘病反応が起こっていると考える.現代医学では,分厚い毛布を羽織っていても全身が震えるくらいの悪寒戦慄がある場合では,悪寒がない場合と比べて菌血症のリスクが約12 倍である6)という報告のように,程度の強い悪寒がより重要視されている.一方,漢方医学では,程度の軽い悪寒にも着目する必要がある.具体的には,風や冷房にあたるとちょっと嫌だなと感じたり,すこし寒気がして風邪気味かなと思うときのようなわずかな悪寒である.

◯発汗の有無
 十分に闘病反応がある場合,悪寒と同時に,生体は皮膚の血管や立毛筋を収縮させ(いわゆる鳥肌がたった状態),発汗は認めない.逆に,悪寒があるにもかかわらず,皮膚にしまりがなく,じわっと汗をかいている場合は,闘病反応が弱いと考える.また,「悪寒→発熱」タイプの経過中に発熱により自然に発汗している場合もある.発汗の有無を確認するために,「汗をかいていますか?」と問診するだけでなく,わずかな発汗も見逃さないように,患者の首筋から背中を触診して,皮膚の湿り気を確認することが大切である.

◯口渇の有無
 「今,喉が渇いて,冷たい飲み物が飲みたいですか?」,「冷たい飲み物が口当たりよく感じますか?」と問診する.「はい」の場合は,口渇があり,体内に熱がこもっている状態と考える.

風邪・インフルエンザに頻用する漢方方剤(表1)

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◯麻黄湯(まおうとう)No.27
 悪寒がして発熱,筋肉痛,関節痛などがあることに加えて,発汗がない場合に適応になる.ぞくぞくとした寒気がして,「早く治したいから」とか,「インフルエンザが心配だから」といった受診理由で,症状出現後すぐに(0 〜1 日)来院する症例が典型であり,発症直後の発汗がない短期間(1 〜2 日)に使用されることが多い.このことは,抗インフルエンザ薬が症状出現の48 時間以内に使用されることと類似している.
 (代表的な漢方薬の葛根湯も悪寒があり,発汗がない場合に用いられる.麻黄湯でみられる筋肉痛や関節痛はなく,項のこわばりが目立つ場合に用いる.当科では風邪,インフルエンザに対して葛根湯の使用頻度はそれほど高くない)

◯大青竜湯(だいせいりゅうとう)(麻黄湯エキスNo.27+ 越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)エキスNo.28)
 麻黄湯と同様に,悪寒,発熱,関節痛があり,発汗がないことに加え,さらに,口渇がある,もしくは,激しい症状のためにじっと寝ていられないほどつらいと訴える場合に適応になる.大青竜湯のエキス剤は存在しないため,麻黄湯エキス+ 越婢加朮湯エキスで代用する.麻黄湯の症状+ α(口渇もしくは,激しくつらい症状)がある場合は,大青竜湯で治療すべきである.

◯桂枝二越婢 一湯(けいしにえっぴいっとう)
(桂枝 湯(けいしとう)エキスNo.45+ 越婢加朮湯エキスNo.28)
 すでに発汗がある場合に適応になる.必ず,触診してわずかな発汗も見逃さないようにする.桂枝二越婢一湯は,「悪寒→発熱」タイプの経過中で,悪寒が少なくなり,発熱が主体となって,口渇があり,発汗している状態が典型である.したがって,風邪をひいて様子をみていたが,2 〜3 日しても改善しないと受診する症例も多く,なかには,7 日ほど経過した症例にも適応となる場合もある.当科では,桂枝二越婢一湯を急性熱性疾患に頻用しており,前回も紹介した発熱・風邪症状で当科を臨時受診した当院職員の調査では,桂枝二越婢一湯は約2 割に処方されていた7).インフルエンザに限らず,風邪に対しても頻用する処方である.
桂枝二越婢一湯のエキス剤もないため,桂枝湯エキス+ 越婢加朮湯エキスで代用する.

◯麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)No.127
 前回紹介した「悪寒→冷え」タイプの場合に用いる.インフルエンザでは闘病反応が強いことが一般的であるが,高齢者や慢性疾患のある患者では,必要な温熱産生ができずに自覚的に熱感を伴わない,青白い顔をして「冷え」と「倦怠感」が主体である症例も存在する.前号を参考に,「悪寒→冷え」タイプの症例を見逃さないようにしてほしい.
漢方医のもう一言:今回紹介した漢方薬を理解するうえで,重要な生薬として麻黄・桂皮・芍薬・石膏がある(表2).

麻黄と桂皮は共同で発汗を促す作用がある8).芍薬は,過度の発汗を防ぐ作用があり8),葛根湯や桂枝二越婢一湯に含まれる.このブレーキ役の働きをする芍薬が含まれることが,葛根湯は,幅広く用いても間違いが少ない理由である.逆に,麻黄湯や大青竜湯は,芍薬がなく発汗作用が強い.発汗がなく,悪寒や症状が強い症例に限って使用する.また石膏には,体内にこもった熱を冷ます作用があり8),大青竜湯や桂枝二越婢一湯に含まれる.口渇があることが,石膏を含む漢方薬の使用目標になっている.
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効果的な服用方法と養生

 漢方薬は体を温めて,発汗させることで治癒を促す.たとえ,適切な漢方薬を投与しても服用方法や養生を間違えると十分に効果を発揮できないため,効果的な服用方法と正しい養生を手間を惜しまずに指導する必要がある.まず,漢方エキス製剤を飲む場合には,必ずお湯で溶いて内服する(前回の漢方Q & A 参照).
また,3 包分3 毎食前と定期的に内服させるのではなく,1 回の服用で発汗がない場合には,発汗があるまで2 〜3 時間おきに間隔を詰めて内服してもらう.効果を高めたいときは生姜をすりおろしたものをひとつまみほど加えて服用するとよい.また,体を温めて安静に保ち,きちんと養生することが大切である.布団で覆ってしっかり寝る,お粥やうどんなど温かい消化しやすい物を食べるように指導する.

インフルエンザ様症状の患者に対する漢方治療の対応例

 プライマリ・ケアで漢方の活用が望ましい状況だと筆者が考えた症例を患者への説明,漢方医学的鑑別とともに紹介する.
・症例1:35 歳男性.生来健康.職場でインフルエンザが流行中.3 〜4 時間前から寒気がして節々が痛いと受診.体温は38.5℃.診察時にも悪寒があり,腰痛と多関節痛がひどくて椅子に座っているのもつらい.触診しても発汗はない.口渇があり,冷たい飲み物が飲みたい.
(患者への説明)インフルエンザの可能性もありますが,現時点で迅速検査をしても見逃してしまう確率が高いです.インフルエンザであってもなくても漢方薬なら今の状況に適した治療を直ちに開始できます.
(解説)UpToDate には,検査の感度をあげるためにはタイミングが重要で,ウイルス排出のピークは,24 〜48 時間と記載がある9).実際,迅速検査の感度は高くなく,とくに発症12 時間以内の感度は35% という報告もあ る10).そのため,発症直後は偽陰性になりやすく,インフルエンザを見逃してしまう可能性が高くなる.本症例のように発症直後に受診する症例では,迅速検査を行うべきか悩ましい.そのような場合であっても,漢方治療であればインフルエンザ様症状に対して迅速検査の結果にかかわらず,ただちに治療を開始できる.
  漢方薬の選択では,悪寒,発熱,多関節痛があり,発汗がないことから,麻黄湯も考えられるが,さらに椅子に座るのもつらいほど苦しんでいること,口渇があり冷たい水を飲みたいことから大青竜湯の適応と考え,麻黄湯エキス3包+ 越婢加朮湯エキス3 包分3(3 日分)を処方した.

・症例2:18 歳男性.生来健康.学校でインフルエンザが流行している.2日前から発熱と咽頭痛を主訴に受診.副作用が心配でタミフルは飲みたくない.昨日は寒気があったが,診察時は体熱感があり,顔面がやや紅潮.体温は38.2℃.口渇があり,冷たい水を飲みたい.背中を触診すると汗をかいている.迅速検査を施行して陰性.
(患者への説明)検査は陰性でしたが,インフルエンザの可能性がまったくないわけではありません.仮にインフルエンザであったとしても,とくに持病もないですし,抗ウイルス薬を使わなくてもほとんどは自然に治る病気です.漢方薬で治療してはいかがでしょう?
(解説)迅速検査が陰性の場合,それが真の陰性か偽陰性なのか判断するのは困難であり,また,抗ウイルス薬も使いづらい.さらに本症例は,10 代でタミフルは副作用の懸念もあることから,漢方治療もよい選択肢である.
  漢方薬に関して,体熱感があって,自然発汗と口渇があることから,桂枝二越婢一湯の適応と考えて桂枝湯エキス3 包+ 越婢加朮湯エキス3 包分3(3日分)を処方した.

・ 症例3:40 歳女性.元来冷え症.子どもが2 日前にインフルエンザと診断された.1 日前からの悪寒と咽頭痛を主訴に受診.診察時はゾクゾクとした悪寒はなく,むしろ四肢が冷える.口渇はなく,冷水より温かいものを飲みたい.
倦怠感とチクチクとした咽頭痛がある.体温は37.5℃で顔色は青白い.希望もあり迅速検査を施行すると陽性.( 患者への説明)インフルエンザは陽性でした.しかし,発熱や咽頭痛などの症状は典型的なインフルエンザより軽いようです.現在の症状への治療としては,体を温めて治療する漢方薬が適していると考えます.
(解説)抗インフルエンザ薬は,発熱などの症状の緩和を24 時間程度早める効果は認められているが,肺炎合併,入院,死亡などの減少効果は認められていない.本症例のような37℃台の微熱で他の症状もそれほど強くない,いわゆる「軽症例」に対する抗インフルエンザ薬の臨床的な意義は不明である.
  漢方医学的に本症例をみると,熱感よりも「冷え」があり,さらに「倦怠感」が目立つ.必要な温熱産生ができない「悪寒→冷え」タイプと考えられ,麻黄附子細辛湯3 包分3(5 日分)を処方した.

漢方Q&A

 本連載では,読者の先生方から一般医療用漢方エキス製剤による治療に関する「素朴な疑問・質問」を募集しています.初回から二つも質問をいただけました!
たいへんありがたく思います.今後もお待ちしておりますので,よろしくお願いします(問い合わせはpc-magazine@primed.co.jp まで).
Q : 漢方のバイブルといわれる『傷寒論』がでてきますが,漢方医の先生は『傷寒論』を勉強していますか? また,漢方を勉強するなら読むべきでしょうか?

A:当科では,朝の勉強会などで,『傷寒論』の解説された本を毎日,野球の素振りのように読んでいます.ただし,これから漢方を勉強される先生が一人で読みはじめるのは困難だと思われます(私も,最初は漢字が読めず苦労しました.勉強会では指導医の解説があり,さらに,繰り返して読むことで理解が深まります).この連載を読んで漢方に興味をもたれた先生には,『はじめての漢方診療十五話』(医学書院)が詳細に漢方を学ぶのに適しています.『傷寒論』の記述も抜粋されて紹介されています.


Q : 風邪に処方する漢方薬は,身体を温める治療が基本ですが,西洋医学的に処方する解熱薬と併用すると,漢方薬で身体を温める一方で,解熱薬で身体を冷やしてしまいませんか? 併用は望ましくないのでしょうか?

A : 風邪やインフルエンザに対して,漢方単独で治療することが理想です.しかし,とくに一期一会の外来などの場合,個人的には,患者の希望や満足度を考慮して,漢方薬と鎮咳薬,去痰薬,ときには解熱薬を併用することもしかたがない場合もあると考えます.ただし,ご指摘のとおり,解熱薬は体を冷やしますので併用すると漢方薬の効果を減弱させることになり,原則として避けるべきです.そのため,解熱薬を希望された場合,食事の時間にこだわらない間隔を詰めた漢方薬の服用と適切な養生をしっかり指導したうえで,「明日も発熱が続いて,どうしてもつらい場合には解熱薬を使用してください」と伝えて処方しています.

参考文献

1)岸田直樹.誰も教えてくれなかった「風邪」の診かた.第1 版,医学書院,p147 ,2012.
2)岩田健太郎,野口善令,土井朝子ら. インフルエンザ診療における意思決定モデルの開発 現象と治療に立脚した診断方針の試案. 日本東洋医学会雑誌. 2013; 64(5): 289-302.
3)長坂和彦.これであなたも漢方通.第1 版,医歯薬出版,p149-150 ,2001.
4)Goto M, Kamamura T, Takahashi O, et al. Influence of loxoprofen use on recovery from naturally acquired upper respiratory tract infections: a randomized controlled trial.Intern Med. 2007; 46(15): 1179-1186.
5)本間行彦. 有熱かぜ症候群患者における漢方治療の有用性. 日本東洋医学会雑誌. 1995; 46(2):285-291.
6)Tokuda Y, Miyasato H, Stein GH. A simple prediction algorithm for bacteremia in patients with acute febrile illness. QJM. 2005; 98(11): 813-820.
7)前田ひろみ,伊藤ゆい,吉村彰人ら. 飯塚病院職員の発熱・風邪症状における漢方医学的症候について.日本東洋医学会雑誌. 2013; 64suppl: 282.
8) 三潴忠道.はじめての漢方診療十五話.第1 版,医学書院,p58-81,2005
9) Raphael Dolin. Diagnosis of clinical influenza in adults.
10)Keitek K, Wagner N, Lacroix L, et al. Performance characteristics of a rapid immunochromatographic assay for detection of pandemic influenza A (H1N1) virus in children. Eur J Pediatr. 2011; 170(4): 511-517.

キーメッセージ

・漢方はインフルエンザ治療の選択肢
 
・インフルエンザ=麻黄湯とは限らない
 
・「悪寒→発熱」タイプでは,悪寒・発汗・口渇の有無をチェックする
 
・服用方法と養生の指導も忘れないこと

プロフィール

吉永 亮
飯塚病院 東洋医学センター漢方診療科
 
略歴
2004 年自治医科大学卒業.
2004 ~ 2006 年飯塚病院 初期研修医.
2006 ~ 2007 年福岡県立嘉穂病院.
2007 ~ 2010 年新宮町相島診療所.
2010 ~ 2013 年八女市矢部診療所.
2013 年4 月より現職.
日本内科学会認定内科医、総合内科専門医/日本プライマリ・ケア連合学会プライマリ・ケア認定医・家庭医療指導医/日本東洋医学会漢方専門医,指導医自治医科大学の義務年限の期間に,福岡県の離島と山間地の僻地診療所に各々3 年間勤務しました.地域医療を行いながら,当科で漢方の外来研修を行いました.漢方外来で学んだことを地域医療で実践すると,とても有用で,地域住民の方々に喜んでもらえ,その上,自分自身の地域医療のやりがいを高めることができました.そうしているうちに,徐々に漢方の魅力にハマってしまい,地域医療の終了後はもっと本格的に漢方を勉強しようと現在に至ります.どっぷりと漢方の世界に浸かって,漢方の可能性を広げるべく日々奮闘中です.
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最終更新:2022年01月05日 20時57分

実践誌編集委員会

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