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看護師対象 研修会・セミナー

【開催報告】看護学ワークショップ <2023年度選択領域編> 認知症のアセスメントと支援

2023年3月9日(土)に、 プライマリ・ケア看護学 選択領域編 のワークショップをオンラインで開催しました。
今回は、神戸市看護大学 在宅看護学分野 准教授 丸尾智実さんより、「認知症のアセスメントと支援」について講義と事例展開(演習)をしていただきました。
当日は、全国の病院、診療所、訪問看護ステーションなどから看護職34名、医師1名の参加がありました。

認知症とは?

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    画像:講義スライドより
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はじめに、認知症の定義や記憶障害や見当識障害などの中核症状と行動・心理症状(BPSD)との関係、認知症の症状の進行などについて話があり、その後、初発期から後期における症状別の支援について具体的な説明がありました。

認知症の人は、中核症状の焦りから、常に心の底に不安や居心地の悪さ、孤独感など葛藤を抱えており、それがBPSDとして現れます。
病気が進行し、身体機能が低下しても、感情は変わらず残っていること、それぞれの認知症の段階に必要な対応(姿勢、声のかけ方、目線など)、心のつながりを実感できるコミュニケーション方法、基本とする支援について知ることができました。
大切なのは、中核症状を見極めて理解することや、相手を尊重しながら正論ではなく「折り合い」を模索すること、高い個別性が求められることなど、より深く認知症のアセスメントと支援方法について学ぶことができました。

家族への支援

家族への支援では、現在の介護する家族の特徴や、要介護者がいることがどのように家族に影響を与えるのか、家族が体験する気持ちの揺らぎや受容プロセスについて紹介がありました。

中核症状が生じるために、認知症の人と家族の見解にはズレが生じやすく、それぞれ抱えている不安や困りごとも違います。
「バイステックの7原則」による家族が不安を吐露できるような“感情表出の自由"、“頭から否定しない"など、
看護職の心理的サポートや家族との信頼関係を深めながら多職種で関わる重要性を知ることができました。
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    画像:講義スライドより

グループワーク

グループワークでは、事例を通して、認知症の人と家族の出来事の捉え方の違いや、具体的にどのような支援や助言を家族に行えるだろうかといった視点で話し合いました。
各グループで活発な話し合いがおこなわれました。

家族だから安心して不機嫌になってしまう認知症の人や、頭ではわかっているものの言い争ってしまう家族から相談される機会が多い参加者ばかりだったので、普段行っているケアを客観的に振り返って考える良い機会になったと思います。
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    画像:オンライン研修の様子

懇親会

研修終了後には、当日参加OKの懇親会をおこないました。
講師も参加し、認知症の内容のみならず、全国の仲間たちと楽しく情報交換ができました。

看護学ワークショップは、会員・非会員に関わらず、医療福祉に従事する多職種の方も広く受講することができます。
これからも多くの仲間を増やしていきたいと思います。

皆様のご参加を心よりお待ちしております!

 

日本プライマリ・ケア連合学会
看護師部会 教育研修運営部門
委員 関口ひろみ

最終更新:2024年03月23日 14時11分

看護師部会 広報活動支援部門

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