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理事長 草場先生の部屋
医学界でのダイバシティ推進
ダイバシティ推進について様々な学会が取り組みをしている
2月に日本プライマリ・ケア連合学会も構成員である日本医学会連合の加盟学会連絡協議会が開催され、ダイバシティ推進をテーマに幾つかの学会からの取り組み報告を聞く機会があった。領域の性質上、女性医師の多い産婦人科学会、小児科学会では単に会員を多様化するだけでなく、理事レベルの女性比率を向上させる必要性が語られる一方、消化器外科学会では女性の比率が低迷している状況での様々な取り組みが語られた。印象深かったのは手術成績の統計資料で男女比較を行った結果、男女差がないことが分かったという事実、そして、比較的難易度の高い手術については術者が男性に偏る傾向があった事実が率直に報告されたことだ。消化器外科学会ではこれを問題視し、手術機会を均等に提供するための提言を出すとともに、学術大会でもこのテーマのシンポジウムを開催するという。外科医の減少が進む中で、ある意味生き残りをかけた取り組みと感じた。
JPCAは日本の医学界でもダイバシティ推進の先頭を進んでいきたい
プライマリ・ケア、総合診療領域は世界的にも女性に人気の専門領域であり、フィリピンやタイでは女性医師の比率がかなり高く、国際学会でも女性のパワーは一目瞭然である。現在、世界家庭医療学会(WONCA)のプレジデントはスウェーデンの女性家庭医である。日本プライマリ・ケア連合学会でも理事選挙でのクオータ制度の導入が理事会で正式に決定され、この春の社員総会での最終承認を待つ状況である。JPCAは日本の医学界でもダイバシティ推進の先頭を進んでいきたいと思う。
草場鉄周
草場鉄周
最終更新:2023年03月06日 16時44分