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【地域で活躍する看護師紹介④】生協浮間診療所 後藤智美さん 編

プライマリ・ケア領域で活躍する看護師を知っていますか?
シリーズでお伝えする【地域で活躍する看護師紹介】。

今回は、東京都北区にある「生協浮間診療所」で勤務している後藤智美さん の活動を紹介します。

わたしたちの診療地域について

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生協浮間診療所は、東京都北区の北端にあり、荒川を挟んだ向こう側に埼玉県を望む自然豊かなエリアにあります。
現在、浮間地域には、およそ24,000人が居住しています(令和5年6月 東京都北区人口統計より)。
この地域は、古くからの集合住宅が密集しており、診療所の周辺は特に高齢化率が高い地域です。
一方、最寄駅であるJR埼京線の北赤羽駅は、新宿まで20分と交通の利便性が良いことからファミリー層の転入も多く、年少人口割合が増加していることも特徴です。

わたしたちの診療所について

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当診療所は、1993年の開設以来30年間、浮間地域で診療を続けてきました。
診療所には総勢25名のスタッフが在籍しており、医師が7名、看護師が8名(うち看護師長が管理栄養士と兼務)、作業療法士が1名、事務スタッフが6名(うち診療放射線技師と兼務が2名)、ドライバーが3名と大所帯で運営しています。
無床診療所ではありますが、近隣の関係機関と連携しながら、外来診療・在宅診療・地域活動の3つを軸にプライマリ・ケアを提供しています。
また、家庭医・総合診療医を志す医師の教育診療所としての役割も担っています。
医学生のほか、看護学生の実習なども積極的に受け入れています。

当診療所の外来の特徴

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当診療所では、年齢や性別、症状を限定することなく、誰でも受診いただけるようにしています。
慢性疾患をお持ちの方、健康診断や予防接種を希望される方、介護や看取りの相談を目的に受診される方など、健康問題や相談の内容が幅広いことが当診療所外来の特徴です。
「あの場所に行けば何とかなる」と地域の皆さんに思ってもらえるような、かかりつけ医療機関としての機能を多職種で最大限に発揮していくことを目指しています。

当診療所の訪問診療・訪問看護の特徴

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訪問診療では、医師・看護師・ドライバーの3人で、当診療所を中心におよそ半径2.5kmの範囲を訪問しています。
当診療所の外来に通っていた方が加齢に伴い訪問診療に切り替えたり、地域包括支援センターやケアマネジャーの紹介で訪問診療を開始したりと訪問診療を受けるきっかけは様々で、施設等よりも患者さんの個人のお宅への訪問が多いことが当診療所の訪問診療の特徴です。
患者さんご本人だけでなくご家族も含めて、世代を超えて診療所との関係が継続する方が多く、わたしたちのやりがいにもつながっています。

また、当診療所では訪問看護もおこなっています。
訪問看護ステーションは併設していませんが、診療所として介護保険法による医療系サービスの事業者としてみなされるよう指定を受けることで、診療所の医師が主治医である患者さんに対して訪問看護を行っています。
そのため、情報共有のしやすさや小回りの利きやすさが強みです。

当診療所の地域活動

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当診療所では、育児講座や子ども向けの学習会を開催しています。
これは、ヘルスプロモーションという、人々が自らの健康をコントロールし、改善することができるようにするプロセスの支援です。
他にも、ヘルスプロモーションの活動として、幼稚園や学校に出向いて、健康診断などの形で学校保健に携わっています。
さらに、認知症の理解を深める目的で地域包括支援センターと協働で様々企画を行うなど様々な取り組みをしています。
いずれも、地域に開かれた活動をおこなうことで、診療所が馴染みのある場として機能していくことをねらいとしています。

また、地域の医療介護専門職で学習の機会を設けて、お互いに学び合い、コミュニケーションを図るなど、専門職連携実践の推進に向けた取り組みも継続的におこなっています。

診療所看護師の立場から

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私は大学卒業後、総合病院の病棟で勤務をしていましたが、在宅医療や家族ケアへの関心から、縁あって診療所で働くようになりました。
医師や看護師、事務スタッフの協力のもと、診療所看護師向けの2年間の研修プログラムを法人独自に作成し、自身も研修生として働きながら学ぶなどの経験もさせていただきました。

これらの経験から、年齢や疾患を問わず幅広い対応が求められる診療所で実践していくために、系統的な医学知識を身に付けたいと思うようになり、大学院修士課程で診療看護師(NP)の資格を取得しました。
現在は、診療所内で看護外来を設けて、慢性疾患を有する高齢の方へのケアを中心に取り組んでおり、スタッフ全員でケアの質の向上を図り、地域に還元することを目指して活動しています。

また、当診療所の看護師長は、プライマリ・ケア連合学会認定のプライマリ・ケア看護師であり、全国の医療生協の看護部門でも横断的に活動をしています。
臨床で教育的立場にある診療所看護師の育成に携わっており、私が経験した診療所看護師の研修プログラムも、宇都宮や兵庫など各地の診療所に適した形にアレンジしながら展開されています。
今後も浮間地域のプライマリ・ケアの充実を図ることはもちろん、全国にプライマリ・ケアの理念が普及するよう、広く活動し発信していきたく思います!

編集後記

今回は、診療看護師(NP)の資格をお持ちの後藤さんに、プライマリ・ケア領域で働く看護の実際やその魅力について教えていただきました。

「ナースのお仕事」では、素敵な看護師の活動を引き続き紹介していきたいと思います。

あなたもぜひプライマリ・ケア領域の看護師の仲間になりませんか?
お待ちしています!

最終更新:2023年11月28日 10時14分

看護師部会 広報活動支援部門

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